公開日: 2024/10/31 (掲載号:No.592)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第58回】「中央出版事件-旧信託法下における外国籍の孫への海外信託贈与-(地判平23.3.24、高判平25.4.3、最判平26.7.15)(その3)」~(平成19年改正前)相続税法4条1項、2項4号、5~9条、(平成18年改正前)信託法1条、(平成18年改正後)信託法2条~

筆者: 中野 洋

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第58回】

「中央出版事件
-旧信託法下における外国籍の孫への海外信託贈与-
(地判平23.3.24、高判平25.4.3、最判平26.7.15)(その3)」

~(平成19年改正前)相続税法4条1項、2項4号、5~9条、
(平成18年改正前)信託法1条、(平成18年改正後)信託法2条~

 

税理士 中野 洋

 

《(その1)はこちら

1 事案の概要

2 争点

3 原審

(1) 争点1

(2) 争点2

《(その2)はこちら

4 控訴審

(1) 争点2

(2) 争点3

(3) 争点4

(4) 争点5

 

5 評釈

(1) 争点1

信託行為該当性について、原審では、借用概念(統一説)により結論を導いている。本件の争点1において「信託の準拠法とされた米国州法でなく日本法を参照していることは、日本法の前提とする信託の概念を参照していると理解することもできる」(※2)という評価がある。これは、米国州法に基づく信託を、米国州法に当てはめて判断するのではなく、わが国の信託法に当てはめて判断することを妥当とするものである。さらに「本判決は、契約に用いたアメリカ州法ではなく、その契約内容を検討し、それに即した日本法を適用して本事件を解決している」(※3)と、同様に肯定的に評価する意見もある。

(※2) 田中啓之「米国州法を準拠法とする信託の受益者に対する贈与税の課税が適法とされた事例」ジュリスト1460号(2013年)9頁

(※3) 木村弘之亮「外国籍の孫への海外信託贈与」税研178号(2014年)194頁

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【第58回】

「中央出版事件
-旧信託法下における外国籍の孫への海外信託贈与-
(地判平23.3.24、高判平25.4.3、最判平26.7.15)(その3)」

~(平成19年改正前)相続税法4条1項、2項4号、5~9条、
(平成18年改正前)信託法1条、(平成18年改正後)信託法2条~

 

税理士 中野 洋

 

《(その1)はこちら

1 事案の概要

2 争点

3 原審

(1) 争点1

(2) 争点2

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4 控訴審

(1) 争点2

(2) 争点3

(3) 争点4

(4) 争点5

 

5 評釈

(1) 争点1

信託行為該当性について、原審では、借用概念(統一説)により結論を導いている。本件の争点1において「信託の準拠法とされた米国州法でなく日本法を参照していることは、日本法の前提とする信託の概念を参照していると理解することもできる」(※2)という評価がある。これは、米国州法に基づく信託を、米国州法に当てはめて判断するのではなく、わが国の信託法に当てはめて判断することを妥当とするものである。さらに「本判決は、契約に用いたアメリカ州法ではなく、その契約内容を検討し、それに即した日本法を適用して本事件を解決している」(※3)と、同様に肯定的に評価する意見もある。

(※2) 田中啓之「米国州法を準拠法とする信託の受益者に対する贈与税の課税が適法とされた事例」ジュリスト1460号(2013年)9頁

(※3) 木村弘之亮「外国籍の孫への海外信託贈与」税研178号(2014年)194頁

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

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筆者紹介

中野 洋

(なかの・ひろし)

中野洋税理士事務所 所長 / 税理士
神戸大学経済学部卒業。近畿税理士会/葛城支部 所属。複数の会計事務所勤務を経て平成24年12月に独立。バランス感覚を重視しており、特定の分野に特化し過ぎることなく、チャレンジ精神をモットーに、幅広く精力的に活動中(自作HP:https://yes-nakano-office.com/)。

国際租税法との出会いは大阪北浜の社会人大学院でした。村井正先生の国際租税法の講義やゼミのご指導に感銘を受け、この度一角塾の企画にお誘い頂いたことで、国際租税法をさらに深く研究する機会を頂きました。令和2年11月から、塾生として研究活動をする傍ら事務局も兼任し、一角塾のホームページの管理やZoomによる研究会の運営も担当しております。

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