租税争訟レポート
【第86回】
「消費税「確定申告書作成コーナーにおける課税仕入れの入力誤り」
(第1審:神戸地方裁判所令和6年9月19日判決、
控訴審:大阪高等裁判所令和7年3月18日判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【判決の概要】
〈神戸地方裁判所令和6年9月19日判決の概要〉
神戸地方裁判所令和6年9月19日判決
神戸地方裁判所令和5年(行ウ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)(控訴)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2834
[原告]
■■販売店を経営する個人事業者
[被告]
国
処分行政庁:龍野税務署長
[争点]
処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性
[判決]
棄却(原告控訴)
〈大阪高等裁判所令和7年3月18日判決の概要〉
大阪高等裁判所令和7年3月18日判決
大阪高等裁判所令和6年(行コ)
第●●号●●●●●●処分取消請求事件
(棄却)
国側当事者・国(龍野税務署長)
TAINSコード:Z888-2764
[控訴人(第1審原告)]
■■販売店を経営する個人事業者
[被控訴人(第1審被告)]
国
処分行政庁:龍野税務署長
[争点]
処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性
[判決]
棄却
【事案の概要】
■■販売店を経営する個人事業者である原告は、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の確定申告をした際、従業員の給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上した。処分行政庁は、上記給料賃金が課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないなどとして、本件課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税3万5,000円の賦課決定処分(本件付加決定処分)をした。
本件は、原告が、①給料賃金を課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして計上したことには、国税通則法65条4項1号所定の「正当な理由」がある、②上記計上には錯誤〔民法95条〕があるから無効であると主張し、被告に対し、本件賦課決定処分の取消しを求める事案である。
【争点】
本件の争点は、処分行政庁が、令和4年7月1日付けで、原告に対して行った消費税等の過少申告加算税の賦課決定処分の違法性である。
【神戸地方裁判所の判断】
1 争点に対する原告の主張
(1) 過少申告につき「正当な理由」(通則法65条4項1号)があること
原告は、龍野税務署の確定申告会場パソコンコーナーにおいて、龍野税務署の担当職員の立会いの下、職員と同じ画面を見ながらパソコンに申告内容を入力した。原告は、税務署が用意したパソコン操作に不慣れなこと、給与賃金を課税取引と入力した場合にエラーとはならない仕組みであったことから、個票においては「課税取引にならないもの」と記載していた給与賃金を課税取引として入力してしまった。その際、職員は、原告が見ているのと同じ画面を注視していたが、原告に対して入力の誤りを指摘しなかった。原告は、職員に対し、入力後に画面をスクロールし、「これでいいですか」と尋ね、入力に誤りがないことを確認して入力を終えた。
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