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実務必須の
[重要税務判例]
【第11回】
「パチンコ平和事件」
~最判平成16年7月20日(集民214号1071頁)~
弁護士 菊田 雅裕
-本連載の趣旨-
本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。
税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。
本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。
このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。
なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
▷今回の題材
パチンコ平和事件
最判平成16年7月20日(集民214号1071頁)
《概要》
今回紹介する判例は、過少申告加算税の賦課を免れる要件である「正当な理由」が、納税者にあったか否かが問題となった事例である。
同族会社A社の出資者Xが、A社に対し無利息で金員の貸付をしたところ、Y税務署長が、いわゆる行為計算否認の規定を適用し、Xには利息相当分の雑所得があるものとして、Xに対し、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。
このうち上記「正当な理由」について、Xは、東京国税局が編集等に関与した解説書等の存在を理由に「正当な理由」があると主張したが、最高裁は、「正当な理由」は認められないとした。
《関係図》
▷争点
Xに「正当な理由」が認められるか。
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