公開日: 2023/02/22 (掲載号:No.508)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第10回】「ワールドファミリー事件-移転価格税制における機能分析の考え方-(地判平29.4.11)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~

筆者: 中野 亘

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第10回】

「ワールドファミリー事件
-移転価格税制における機能分析の考え方-
(地判平29.4.11)(その1)」

~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~

 

税理士 中野 亘

 

1 移転価格税制における機能分析の考え方

本稿では、租税特別措置法66条の4第2項及び第8項で表す独立企業間価格を算定する方法について勘案すべき「当事者が果たす機能その他の事情」についてどのように解釈しているか検討する。

移転価格税制の適用に当たっての広義の「機能」とは、「取引の当事者の経済的に重要な活動及び責任、当事者が使用又は提供する資産並びに引き受けるリスク」とし、また、多国籍企業グループの経営の中においては「どのように影響を与えているか」としている(※1)。つまり「機能分析」とは「その頻度、性格及び当該取引の各当事者にとっての価値の観点からみたそれら機能の経済的重要性」を特定すること(※2)である。

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【第10回】

「ワールドファミリー事件
-移転価格税制における機能分析の考え方-
(地判平29.4.11)(その1)」

~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~

 

税理士 中野 亘

 

1 移転価格税制における機能分析の考え方

本稿では、租税特別措置法66条の4第2項及び第8項で表す独立企業間価格を算定する方法について勘案すべき「当事者が果たす機能その他の事情」についてどのように解釈しているか検討する。

移転価格税制の適用に当たっての広義の「機能」とは、「取引の当事者の経済的に重要な活動及び責任、当事者が使用又は提供する資産並びに引き受けるリスク」とし、また、多国籍企業グループの経営の中においては「どのように影響を与えているか」としている(※1)。つまり「機能分析」とは「その頻度、性格及び当該取引の各当事者にとっての価値の観点からみたそれら機能の経済的重要性」を特定すること(※2)である。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷塩野義製薬事件-現物出資による国外への資産移転-(地判令2.3.11、高判令3.4.14)〔金山 知明〕

  • 【第71回】 塩野義製薬事件-現物出資による国外への資産移転-(地判令2.3.11、高判令3.4.14)(その1)~旧法人税法施行令4条の3第9項(現行10項)~ 5/22公開
  • 【第72回】 塩野義製薬事件-現物出資による国外への資産移転-(地判令2.3.11、高判令3.4.14)(その2)~旧法人税法施行令4条の3第9項(現行10項)~ 5/29公開

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

中野 亘

(なかの・わたる)

わたる税理士事務所 代表

〔略歴〕
1983年12月大阪府生まれ
2006年3月近畿大学理工学部卒業
2009年3月日本メディカル福祉専門学校臨床工学専攻科卒業
2021年3月大阪経済大学大学院経営学研究科修了
2024年3月独立開業

大学卒業後、医療機器の営業職を経て在職中に臨床工学技士の資格を取得し、医療機関にて臨床工学技士として医療に従事。大学院では村井ゼミにて移転価格税制について取引単位や機能分析等から複数の事例を帰納的に分析しました。その後、職歴を活かして税理士法人で医師・歯科医師の開業支援から法人成り、相続まで幅広い業務に携わらせていただく一方で大学院修了後も村井先生のお誘いを受けて一角塾に参加させていただき、国際課税についての研究を行っています。

〔修士論文〕
「移転価格税制における利益分割法関する総合判例研究」

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