〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第45回】
「双輝汽船(株)タックスヘイブン便宜置籍船事件
-特定外国子会社に生じた欠損金の損金算入の可否-
(審裁平13.12.21、地判平16.2.10、高判平16.12.7、最判平19.9.28)(その1)」
~租税特別措置法66条の6第1から3項、法人税法11条ほか~
税理士 畠山 和夫
【裁決・判決】
- 国税不服審判所平成13年12月21日裁決(請求棄却)、TAINSコード:J62-3-24
- 松山地裁平成16年2月10日判決(更正処分等全部取消、原告勝訴、被告控訴)(平成14年(行ウ)第4号、法人税、消費税及び地方消費税更正処分取消請求事件)、TAINSコード:Z254-9554
- 高松高裁平成16年12月7日判決(原判決取消、控訴人勝訴、被控訴人上告及び上告受理申立)(平成16年(行コ)第7号、法人税、消費税及び地方消費税更正処分取消請求控訴事件)TAINSコード:Z254-9847
- 最高裁(第二小法廷)平成19年9月18日決定(上告棄却確定)(平成17年(行ツ) 第86号、法人税、消費税及び地方消費税更正処分取消請求上告事件)、TAINSコード:Z257-10778
- 最高裁(第二小法廷)平成19年9月18日決定(上告受理確定)(平成17年(行ヒ) 第89号、法人税、消費税及び地方消費税更正処分取消請求上告受理申立事件)、TAINSコード:Z257-10779
- 最高裁(第二小法廷)平成19年9月28日判決(上告受理決定後上告棄却、上告人敗訴確定)(平成17年(行ヒ)第89号、法人税、消費税及び地方消費税更正処分取消請求上告受理申立事件)、TAINSコード:Z257-10794
【関連条文】
- 租税特別措置法66条の6第1項(内国法人に係る特定外国子会社等の留保金額の益金算入)
⇒平成10年法律第23号による改正前のもの。 - 租税特別措置法66条の6第2項(用語の意義)
⇒平成6年8月1日から同7年7月31日までの事業年度及び同年8月1日から同8年7月31日までの事業年度のうち同年3月31日以前の期間につき平成8年法律第17号による改正前のもの。
平成7年8月1日から同8年7月31日までの事業年度のうち同年4月1日以後の期間及び同年8月1日から同9年7月31日までの事業年度につき平成10年法律第23号による改正前のもの。 - 租税特別措置法66条の6第3項(適用除外)
⇒平成6年8月1日から同7年7月31日まで及び同年8月1日から同8年7月31日までの事業年度につき平成9年法律第22号による改正前のもの。
平成8年8月1日から同9年7月31日までの事業年度につき平成12年法律第97号による改正前のもの。 - 租税特別措置法施行令39条の15(特定外国子会社等の未処分所得金額の計算)
- 租税特別措置法施行令39条の16(内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象留保金額の計算等)
- 法人税法11条(実質所得者課税の原則、以下「法11条」という)
- 法人税法22条3項(損金の額に算入すべき金額)
1 はじめに
(1) CFC税制とは
租税特別措置法66条の6(以下「本条」という)は、CFC税制(Controlled Foreign Companyの略、タックスヘイブン対策税制又は外国子会社合算税制ともいう)として一定の要件の下で、外国子会社の留保所得を日本の親会社の所得とみなして合算し日本で課税する制度(以下「本税制」という)である。
(2) 双輝汽船事件(以下「本事件」という)
本税制は外国子会社を利用した租税回避を防止するものとして昭和53年に導入されたもので、以来さしたる疑問を抱くことなく合算すべきは外国子会社の所得の金額であるとされてきたが、本事件では所得だけではなく欠損の金額も親会社の損金の金額として合算することの可否が争いになった。
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