〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第68回】
「バークレイズ銀行事件
-実質所得者課税の原則に基づく源泉所得税納税義務の可否-
(地判令4.2.1)
(その2)」
~所得税法12条の規定の趣旨~
税理士 吉村 優
4 判旨
認容。
(1) 判断枠組み
所得税法12条は、資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとして、この法律の規定を適用する旨規定しているところ(実質所得者課税の原則)、その趣旨は、課税物件の法律上(私法上)の帰属につき、その形式と実質が相違している場合には、実質に即して帰属を判断すべきとするものと解され、本件の課税物件である本件利子の実質所得者を判断するに当たっては、本件利子に係る経済的損益の帰属先のほか、本件資金調達取引全体の仕組み、本件資金調達取引に至る経緯あるいは関係者の認識、本件資金調達取引の実施状況など諸般の事情を総合的に考慮すべきものと解される。
(下線・網掛は筆者による。以下同様)
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