公開日: 2025/12/11 (掲載号:No.648)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第85回】「オウブンシャホールディング事件 (地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)(その1)」~法人税法22条2項の「取引」の解釈~

筆者: 中野 洋

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第85回】

「オウブンシャホールディング事件
(地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)(その1)」

~法人税法22条2項の「取引」の解釈~

 

税理士 中野 洋

 

  • 東京地裁:平成13年11月9日判決(平成12年(行ウ)第69号)(TAINSコード:Z251-9020)
  • 東京高裁:平成16年1月28日判決(平成14年(行コ)第1号)(TAINSコード:Z254-9531)
  • 最高裁:平成18年1月24日判決(平成16年(行ヒ)第128号)(TAINSコード:Z256-10279)

 

1 はじめに

株式会社における新株発行手続きは、私法上の法律関係から見ると「発行法人」と「新株引受人」の「取引」である。しかしながら、一定の新株発行手続きには株主総会の決議を要するため、決議に参加する「既存株主」も間接的に取引に影響を与える。

本事案は、既存株主に株式価値の希釈化が生じる新株発行(有利発行による第三者割当増資。以下「非按分的有利発行増資」又は、文脈により「同増資」)が行われ、これによって生じた既存株主から新株引受人への「持分の移転」ないし「株式価値の移転」に対して、支配関係にもとづく「合意」を認定し、かかる合意が法人税法(以下、単に「法」)22条2項にいう「取引」に当たるとして、既存株主に課税した事案である。

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〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第85回】

「オウブンシャホールディング事件
(地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)(その1)」

~法人税法22条2項の「取引」の解釈~

 

税理士 中野 洋

 

  • 東京地裁:平成13年11月9日判決(平成12年(行ウ)第69号)(TAINSコード:Z251-9020)
  • 東京高裁:平成16年1月28日判決(平成14年(行コ)第1号)(TAINSコード:Z254-9531)
  • 最高裁:平成18年1月24日判決(平成16年(行ヒ)第128号)(TAINSコード:Z256-10279)

 

1 はじめに

株式会社における新株発行手続きは、私法上の法律関係から見ると「発行法人」と「新株引受人」の「取引」である。しかしながら、一定の新株発行手続きには株主総会の決議を要するため、決議に参加する「既存株主」も間接的に取引に影響を与える。

本事案は、既存株主に株式価値の希釈化が生じる新株発行(有利発行による第三者割当増資。以下「非按分的有利発行増資」又は、文脈により「同増資」)が行われ、これによって生じた既存株主から新株引受人への「持分の移転」ないし「株式価値の移転」に対して、支配関係にもとづく「合意」を認定し、かかる合意が法人税法(以下、単に「法」)22条2項にいう「取引」に当たるとして、既存株主に課税した事案である。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷オウブンシャホールディング事件(地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)〔中野洋〕

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

中野 洋

(なかの・ひろし)

中野洋税理士事務所 所長 / 税理士
神戸大学経済学部卒業。近畿税理士会/葛城支部 所属。複数の会計事務所勤務を経て平成24年12月に独立。バランス感覚を重視しており、特定の分野に特化し過ぎることなく、チャレンジ精神をモットーに、幅広く精力的に活動中(自作HP:https://yes-nakano-office.com/)。

国際租税法との出会いは大阪北浜の社会人大学院でした。村井正先生の国際租税法の講義やゼミのご指導に感銘を受け、この度一角塾の企画にお誘い頂いたことで、国際租税法をさらに深く研究する機会を頂きました。令和2年11月から、塾生として研究活動をする傍ら事務局も兼任し、一角塾のホームページの管理やZoomによる研究会の運営も担当しております。

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