公開日: 2026/10/01 (掲載号:No.688)
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租税争訟レポート 【第87回】「法人税「貸倒損失と債務免除益」(東京地方裁判所令和5年10月31日判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第87回】

「法人税「貸倒損失と債務免除益」
(東京地方裁判所令和5年10月31日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈東京地方裁判所令和5年10月31日判決の概要〉

東京地方裁判所令和5年10月31日判決
東京地方裁判所令和5年(行ウ)
第367号法人税更正処分等取消請求事件
(棄却)(確定)
国側当事者・国(東松山税務署長)
TAINSコード:Z273-13898

[原告]

■■■■■■■■■■■を目的とする株式会社

[被告]

国
処分行政庁:東松山税務署長

[争点]

(1) 本件金銭債権の額を貸倒損失として損金の額に算入することの可否

(2) 本件債務免除によりB社に供与された経済的な利益の寄附金該当性及びその額

(3) 本件処理費の支払に係る不法行為に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の益金算入時期

[判決]

棄却(確定)

 

【事案の概要】

■■■■■■■■■■■を目的とする株式会社である原告は、原告代表者(以下「本件代表者」という)の子で原告の従業員であった乙の提案により、C社から建物解体業務を受注し、これを外注するという事業(以下「本件解体事業」という)を行うようになり、その後、乙が代表取締役を務めるB社において本件解体事業を引き継ぐことになったが、原告及びB社が行っていた本件解体事業は、実体のない取引であることが判明した。

B社は、これを契機として解散決議がされて清算株式会社となり、原告のB社に対する貸付け等に係る金銭債権(以下「本件金銭債権」という)6億1,504万9,280円について債務免除を受けるなどした上で、その清算を結了した。

本件は、原告が、債務免除を行った金銭債権の額を貸倒損失として損金の額に算入するなどして、平成28年3月期から平成31年3月期の各事業年度の法人税及び平成28年3月課税事業年度から平成31年3月課税事業年度の地方法人税の申告をしたところ、東松山税務署長から、金銭債権の額は貸倒損失として損金の額に算入することはできず、また、平成28年3月期に実体のない本件解体事業により原告が被った損害に係る損害賠償請求権をその益金の額に算入すべきであるなどとして、本件各事業年度の法人税に係る各更正処分並びに重加算税及び過少申告加算税の各賦課決定処分並びに本件各課税事業年度の地方法人税に係る各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたため、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の取消しを求める事案である。

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租税争訟レポート

【第87回】

「法人税「貸倒損失と債務免除益」
(東京地方裁判所令和5年10月31日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈東京地方裁判所令和5年10月31日判決の概要〉

東京地方裁判所令和5年10月31日判決
東京地方裁判所令和5年(行ウ)
第367号法人税更正処分等取消請求事件
(棄却)(確定)
国側当事者・国(東松山税務署長)
TAINSコード:Z273-13898

[原告]

■■■■■■■■■■■を目的とする株式会社

[被告]

国
処分行政庁:東松山税務署長

[争点]

(1) 本件金銭債権の額を貸倒損失として損金の額に算入することの可否

(2) 本件債務免除によりB社に供与された経済的な利益の寄附金該当性及びその額

(3) 本件処理費の支払に係る不法行為に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の益金算入時期

[判決]

棄却(確定)

 

【事案の概要】

■■■■■■■■■■■を目的とする株式会社である原告は、原告代表者(以下「本件代表者」という)の子で原告の従業員であった乙の提案により、C社から建物解体業務を受注し、これを外注するという事業(以下「本件解体事業」という)を行うようになり、その後、乙が代表取締役を務めるB社において本件解体事業を引き継ぐことになったが、原告及びB社が行っていた本件解体事業は、実体のない取引であることが判明した。

B社は、これを契機として解散決議がされて清算株式会社となり、原告のB社に対する貸付け等に係る金銭債権(以下「本件金銭債権」という)6億1,504万9,280円について債務免除を受けるなどした上で、その清算を結了した。

本件は、原告が、債務免除を行った金銭債権の額を貸倒損失として損金の額に算入するなどして、平成28年3月期から平成31年3月期の各事業年度の法人税及び平成28年3月課税事業年度から平成31年3月課税事業年度の地方法人税の申告をしたところ、東松山税務署長から、金銭債権の額は貸倒損失として損金の額に算入することはできず、また、平成28年3月期に実体のない本件解体事業により原告が被った損害に係る損害賠償請求権をその益金の額に算入すべきであるなどとして、本件各事業年度の法人税に係る各更正処分並びに重加算税及び過少申告加算税の各賦課決定処分並びに本件各課税事業年度の地方法人税に係る各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたため、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の取消しを求める事案である。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第60回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

【略歴】

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:エフサステクノロジーズ株式会社)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 税理士として独立開業(現在に至る)
2016年6月 株式会社ITFSソリューションズ監査役就任(現任)
2022年4月 浦和大学社会学部非常勤講師(2025年9月まで)
2023年4月 一般社団法人GBL研究所監事就任(現任)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

【寄稿】

・Profession Journal「会計不正調査報告書を読む」「租税争訟レポート」を連載中

・「開示検査事例集から見る有価証券報告書虚偽記載の実態」『Disclosure & IR』(2024年11月号、宝印刷)

・「CFEの視点から見る不正の現場と兆候の検知」(全2回)『会計・監査ジャーナル』(2020年1月号及び2月号、日本公認会計士協会)

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

・会計検査院主催の内部監査業務講習会に登壇
「不正行為と内部監査――不正防止対策と事例研究を中心に」(2016年から年2回開催、現在も継続中)

・日本公認会計士協会全国研修会に登壇
2022年10月「会計不正の防止・早期発見策」
2020年10月「公表事例で検証する会計不正の早期発見と再発防止策」

・公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

 

関連書籍

重点解説 法人税申告の実務

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

演習法人税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

問答式 交際費・寄附金等の税務と会計

公認会計士・税理士 森田政夫 著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 著

実務必須の重要税務判例100

弁護士 菊田雅裕 著

法人税〈微妙・複雑・難解〉事例の税務処理判断

税理士 安藤孝夫 著 税理士 野田扇三郎 著 税理士 山内利文 著

法人税の損金経理

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税法基本判例 Ⅰ

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社長!税務調査の事前対策してますか

公認会計士・税理士 清原裕平 著

法人の不良債権処理と税務の対応

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国税調査の舞台裏

税理士 小倉敏郎 著

法人税申告書と決算書の作成手順

税理士 杉田宗久 共著 税理士 岡野敏明 共著

税法の基礎理論

谷口勢津夫 著
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