〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第2回】
「グラクソ事件(最判平21.10.29)(その2)」
~租税特別措置法66条の6、日星租税条約7条1項、ウィーン条約法条約32条~
税理士 中野 洋
《(その1)はこちら》
連載にあたり塾頭から
1 事件の背景
2 事件の概要
3 X社の主張(7条1項は経済的二重課税を禁止する)
4 判示1(7条1項は法的二重課税を禁止するにとどまる)
5 検討
6 7条1項が争点となった理由
7 判示2(コメンタリーが「解釈の補足的手段」となること)
本最高裁判決においては、もう1つ重要な判示がなされた。本件において、OECDモデル条約コメンタリー(以下、単に「コメンタリー」)が、「ウィーン条約32条にいう『解釈の補足的な手段』として参照されるべき資料」と判示されたのだ。
本件のように、国内法(CFC税制)と租税条約(7条1項)の抵触関係が問題となる場面における租税条約の解釈については、一般国際法であるウィーン条約法条約を参照することになる。原審では、OECDモデル条約に準拠した7条1項の解釈について「コメンタリーは、その性質上、法的拘束力を有するものではないが・・・・・解釈指針を説明した重要な資料として広く受入れられている」としていた。しかし、最高裁では、第一審よりも、一歩踏み込んだ判示をした。
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