〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第59回】
「ファイナイト再保険事件
(地判平20.11.27、高判平22.5.27)(その1)」
~法人税法22条3項、法の適用に関する通則法7条・42条~
公認会計士・税理士 西川 浩史
- 東京地裁:平成20年11月27日判決【税資第258号(順号11085)】(TAINSコード:Z258-11085)
- 東京高裁:平成22年5月27日判決【税資第260号(順号11447)】(TAINSコード:Z260-11447)
1 はじめに
本件は、損害保険会社からアイルランドの海外子会社に対して支払った再保険料の損金性について、当該海外子会社が第三者と締結したファイナイト再保険契約との関連性から争われた事案である。地裁・高裁ともに再保険料の損金性が認められ納税者勝訴となり、敗訴した国側が最高裁に上告せずにそのまま確定した。本件訴訟の規模は本税部分で約34億円、最終的に納税者が還付を受けた金額は還付加算金等を含めて総額約67億円という大規模なものであった(※1)。
(※1) 弘中聡浩「ファイナイト再保険租税訴訟の解説-国際的な再保険取引に関する課税処分を争って勝訴した事例」租税研究(2011)249頁。弘中氏は本件の納税者側の弁護人であり、当該論文にておいて詳細な事実関係や裁判内容を記載している。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。