公開日: 2024/11/21 (掲載号:No.595)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第59回】「ファイナイト再保険事件(地判平20.11.27、高判平22.5.27)(その1)」~法人税法22条3項、法の適用に関する通則法7条・42条~

筆者: 西川 浩史

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第59回】

「ファイナイト再保険事件
(地判平20.11.27、高判平22.5.27)(その1)」

~法人税法22条3項、法の適用に関する通則法7条・42条~

 

公認会計士・税理士 西川 浩史

 

  • 東京地裁:平成20年11月27日判決【税資第258号(順号11085)】(TAINSコード:Z258-11085)
  • 東京高裁:平成22年5月27日判決【税資第260号(順号11447)】(TAINSコード:Z260-11447)

 

1 はじめに

本件は、損害保険会社からアイルランドの海外子会社に対して支払った再保険料の損金性について、当該海外子会社が第三者と締結したファイナイト再保険契約との関連性から争われた事案である。地裁・高裁ともに再保険料の損金性が認められ納税者勝訴となり、敗訴した国側が最高裁に上告せずにそのまま確定した。本件訴訟の規模は本税部分で約34億円、最終的に納税者が還付を受けた金額は還付加算金等を含めて総額約67億円という大規模なものであった(※1)

(※1) 弘中聡浩「ファイナイト再保険租税訴訟の解説-国際的な再保険取引に関する課税処分を争って勝訴した事例」租税研究(2011)249頁。弘中氏は本件の納税者側の弁護人であり、当該論文にておいて詳細な事実関係や裁判内容を記載している。

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【第59回】

「ファイナイト再保険事件
(地判平20.11.27、高判平22.5.27)(その1)」

~法人税法22条3項、法の適用に関する通則法7条・42条~

 

公認会計士・税理士 西川 浩史

 

  • 東京地裁:平成20年11月27日判決【税資第258号(順号11085)】(TAINSコード:Z258-11085)
  • 東京高裁:平成22年5月27日判決【税資第260号(順号11447)】(TAINSコード:Z260-11447)

 

1 はじめに

本件は、損害保険会社からアイルランドの海外子会社に対して支払った再保険料の損金性について、当該海外子会社が第三者と締結したファイナイト再保険契約との関連性から争われた事案である。地裁・高裁ともに再保険料の損金性が認められ納税者勝訴となり、敗訴した国側が最高裁に上告せずにそのまま確定した。本件訴訟の規模は本税部分で約34億円、最終的に納税者が還付を受けた金額は還付加算金等を含めて総額約67億円という大規模なものであった(※1)

(※1) 弘中聡浩「ファイナイト再保険租税訴訟の解説-国際的な再保険取引に関する課税処分を争って勝訴した事例」租税研究(2011)249頁。弘中氏は本件の納税者側の弁護人であり、当該論文にておいて詳細な事実関係や裁判内容を記載している。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷ファイナイト再保険事件(地判平20.11.27、高判平22.5.27)〔西川浩史〕

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

西川 浩史

(にしかわ・ひろし)

公認会計士・税理士 西川浩史税理士事務所所長 近畿税理士会西支部所属
奈良県出身 1962年生まれ 関西大学経済学部卒業 関西大学大学院商学研究科修了

1985年に監査法人に入社し監査業務に従事後、税務業務に従事しました。2004年には税理士法人に転籍し、上場企業に対する税務アドバイザリーサービス等を行いました。その後、2015年に独立、友人と西川浩史税理士事務所を開業し、主に個人企業及び中小企業の申告業務を中心とした税務サービスを提供しています。また、大学や大学院で財務諸表論や税制論の非常勤講師の経験があり、現在も簿記の非常勤講師をしています。

塾頭の村井名誉教授には関西大学大学院在籍時から師事しており、一角塾では国際租税法に関連する判例を塾頭から学ぶ貴重な体験をさせていただいております。

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