〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第51回】
「寄与度利益分割法の適用が認められた事例
(地判平24.4.27、高判平25.3.28、最判平27.1.16)(その2)」
~租税特別措置法66条の4第1項、2項~
税理士 水野 正夫
《(その1)はこちら》
1 事案の概要
(1) 本件国外関連取引に寄与度利益分割法を用いたことの適法性【争点①】
(2) 日本市場の特殊要因(エクアドル産バナナの価格下落)によるXの営業損失を分割対象利益に含めたことの違法性【争点②】
(3) 分割要因としてX及びSが支出した販売費及び一般管理費(以下、「販管費」という)を用いたことの違法性【争点③】
2 判示
(1) 本件国外関連取引に寄与度利益分割法を用いたことの適法性【争点①】
(2) 日本市場の特殊要因(エクアドル産バナナの価格下落)によるXの営業損失を分割対象利益に含めたことの違法性【争点②】
(3) 分割要因としてX及びSが支出した販管費を用いたことの違法性【争点③】
3 検討
(1) 本件国外関連取引に寄与度利益分割法を用いたことの適法性【争点①】
寄与度利益分割法は、基本三法を用いることができない場合に限りこれを用いることができるところ、基本三法のうち、原告が再販売価格基準法の適用が可能であると主張したことに対して、本判決は、エクアドル政府による最低買取価格及び最低輸出価格の設定は、バナナ生産者からの買取価格及び輸出価格を上昇させる方向に作用する要因であることは明らかであり、エクアドル産バナナの輸入価格が上昇すれば、その分だけ原価の合計額が上昇し、売上総利益の額が減少することになるのであって、その割合である「通常の利益率」にも影響が及ぶことは明らかであり、また、エクアドル政府規制の有無という差異により生じる通常の利益率の差を調整することができないと判示した。
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