monthly TAX views
-No.3-
「番号制度をどう税制に活用するか、
これからの課題」
中央大学法科大学院教授
東京財団上席研究員
森信 茂樹
国民一人ひとりに住民基本台帳に基づく番号を割り振って、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務の6分野での活用する、番号制度(民主党政権下では「マイナンバー」と称した)導入の法律(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案)が成立しそうだ。
この法律は、昨年の通常国会に民主党政権が提出し、自民、公明、民主の3党で修正合意していたが、同年11月の衆院解散で廃案になったものである。
これにより、個人に、生涯変わらない番号が交付され、様々なサービスを受けることが可能になる。
わが国を除く先進諸国は、IT時代に不可欠な番号というツールを活用して、効果的で効率的な行政を展開しており、やっとわが国もその仲間入りしたということであろう。
今回の法律は、いわば番号というハードウエアを導入したということである。どのようなソフトを開発し、どのように行政に役立てるのかという点は、これからの仕事である。
では、税務の活用としては、どのようなことが考えられるのだろうか。
まずは、正確な所得把握の向上に向けて、支払調書制度の「範囲を拡大する」ことの検討である。これまでの議論では、米国などすでに番号制度を導入している国を参考にしながら、どのような情報を新たに求めるのか検討していくことになっている。
今後議論になると予想されるのは、諸外国と比較してわが国が求めていない、預貯金利子所得の情報を求めるかどうかという点である。預貯金利子については、わが国では源泉分離課税制度となっているので、税務当局は情報をとる必要がない。
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