公開日: 2014/04/03 (掲載号:No.63)
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monthly TAX views -No.15-「包括的否認規定の議論を開始する時期が来ている」

筆者: 森信 茂樹

monthly TAX views

-No.15-

「包括的否認規定の議論を開始する時期が来ている」

 

中央大学法科大学院教授
東京財団上席研究員
森信 茂樹

 

G20の意向を受け、OECDにおいて、米国企業を中心とする国際的租税回避への対応に向けた検討が開始された。

2013年7月に『BEPS(税源浸食と利益移転)行動計画』が公表され、現在、各国の税制当局や経済界で議論が進んでいる。

租税回避というのは、脱税でもない、節税でもない、法には反しないが、通常用いられないような法形式を選択し、税負担を減少させたり排除する行為をいう。わが国でも、経済の複雑化・多様化に伴って増加しつつある。

◆  ◆  ◆

わが国では、法律に明文の租税回避否認規定がない場合に、どこまでの否認が許されるかということが、かねてから学界などで議論されてきた。最高裁判所の判例や学界の通説は、「租税法上の明文の規定がない限り、租税回避の否認はできない」というのが今日の立場である。

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「包括的否認規定の議論を開始する時期が来ている」

 

中央大学法科大学院教授
東京財団上席研究員
森信 茂樹

 

G20の意向を受け、OECDにおいて、米国企業を中心とする国際的租税回避への対応に向けた検討が開始された。

2013年7月に『BEPS(税源浸食と利益移転)行動計画』が公表され、現在、各国の税制当局や経済界で議論が進んでいる。

租税回避というのは、脱税でもない、節税でもない、法には反しないが、通常用いられないような法形式を選択し、税負担を減少させたり排除する行為をいう。わが国でも、経済の複雑化・多様化に伴って増加しつつある。

◆  ◆  ◆

わが国では、法律に明文の租税回避否認規定がない場合に、どこまでの否認が許されるかということが、かねてから学界などで議論されてきた。最高裁判所の判例や学界の通説は、「租税法上の明文の規定がない限り、租税回避の否認はできない」というのが今日の立場である。

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連載目次

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筆者紹介

森信 茂樹

(もりのぶ・しげき)

東京財団政策研究所 研究主幹 「税・社会保障改革ユニット」ユニットリーダー
ジャパン・タックス・インスティチュート 所長
法学博士

1973年京都大学法学部卒業後大蔵省入省、主税局総務課長、大阪大学法学研究科教授、東京税関長、財務総合政策研究所長を最後に2006年退官。2004年プリンストン大学で教鞭をとる。コロンビアロースクール客員研究員。2020年3月まで中央大学法科大学院 特任教授。

【著書】
・『デジタル経済と税-AI時代の富をめぐる攻防』(日本経済新聞出版社)
・『税で日本はよみがえる―成長力を高める改革』(日本経済新聞出版社)
・『消費税、常識のウソ』(朝日新聞出版)
・『日本の税制 ─ 何が問題か』(岩波書店)
・『給付つき税額控除 ─ 日本型児童税額控除の提言』(中央経済社)

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