〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載12〕
配当優先の限界
税理士 掛川 雅仁
税務上、配当優先株式の優先配当は、どの程度まで認められるのか。また、認められる金額を超えた部分の課税関係は、どのようになるのか。本稿では、これを検討する。
Ⅰ 会社法上の規制
1 財源規制
まず、会社法上の配当上限には、分配可能額の範囲内であることという財源規制がある(会461)。
この財源規制は、株主と債権者との間の利害調整事項であり、本稿の検討における当然の前提である。
2 配当に関する株主平等の原則
種類株式である配当優先株式を発行している場合には、財源規制に加えて、配当優先株主と普通株主(配当劣後株主)との種類株主間での利害調整が必要になってくる。
この点に関して、会社法は、配当決議は株主の有する株式の数に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならないと規定し、まず、株主平等の原則を示している(会454③)。
3 配当種類株式がある場合の配当に関する株主平等の原則
次に、会社法は、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行う定めがある場合には、各種類の株式の数に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならないと規定して、配当に関する種類株式がある場合の配当に関する株主平等の原則は、その種類株式毎の株主平等の原則であることを示している(会454③かっこ書)。
このことは、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行う定めがある場合は、既にその定めを定款に置いた時点で配当種類株主間の調整は完了しているとの考え方によるものであろう。
4 会社法における配当種類株主間の調整
会社法においては この配当種類株主間の調整は、次のように行われる。
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