公開日: 2026/09/03 (掲載号:No.684)
文字サイズ

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【特別編:第2回】「分離課税ルート-適用要件と計算」

筆者: 泉 絢也

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務

【特別編:第2回】

「分離課税ルート-適用要件と計算」

 

東洋大学法学部教授
泉 絢也

 

←(前回) | (次回)→

連載の目次はこちら

1 4つの関門

第1回で述べたとおり、今回の改正の中核は、特定暗号資産の譲渡による所得に対する20%の申告分離課税である(措法38の2①)。

ただし、この特例が適用されるのは、次の4つの要件をすべて満たす場合に限られる。

【分離課税の適用要件】

内容 根拠
誰が 居住者又は恒久的施設を有する非居住者
(法人は対象外)
措法38の2①
何を 特定暗号資産 措法38の2①
前段括弧書
何をしたか 譲渡 同上
どの経路で 暗号資産取引業者への売委託、又は暗号
資産取引業者に対する譲渡
同上

主体の限定は、上場株式等の分離課税(措法37の11①)や先物取引の分離課税(措法41の14①)と同じであり、特に問題は生じない。

実務上の判断を要するのは、残る3つである。

 

2 何が「特定暗号資産」か

特定暗号資産の定義は、次の4つの層が積み重なった形をとっている(措法38の2①前段括弧書)。

【特定暗号資産の定義の4層】

層 内容
第1層
(大前提)
金商法2条49項に規定する暗号資産であること。ビットコイン、イーサ、ソラナ、リップル等のメジャーな暗号資産はこれを満たすと考えられる
第2層
(基本)
その名称が、金商法29条の2第1項11号イに掲げる事項として、同法29条の3第1項に規定する金融商品取引業者登録簿に登録されていること
第3層
(除外)
登録されているものであっても、取引の状況その他の事情を勘案して財務省令で定めるものは除かれる
第4層
(追加)
上記のほか、「その他の財務省令で定めるもの」も対象となりうる

実務上は、「国内の暗号資産取引業者(国内取引所)が取り扱っている暗号資産」と理解しておけばよい。

除外の例としては、暗号資産取引業者が業務の一部を廃止して取扱いをやめたにもかかわらず、変更届出を遅滞なく提出していないために登録簿に名称が残っている場合のその暗号資産が挙げられている(財務省「令和8年度税制改正の解説」329頁)。

追加の例としては、暗号資産の技術又は仕様の変更により保有者に新たに付与される暗号資産が挙げられている(同解説329頁)。いわゆるハードフォーク等がこれに当たるものと考える。

もっとも、本稿執筆時点で、対応する財務省令は公表されていない。

注意を要するのが、資金決済に関する法律2条5項の電子決済手段(いわゆるステーブルコインの一部)である。

電子決済手段は暗号資産に該当しないため、これを譲渡しても分離課税の対象にはならない。
他方、特定暗号資産を譲渡して電子決済手段を取得する交換取引であれば、譲渡したものは特定暗号資産であるから、他の要件を満たす限り分離課税の対象となる。

 

3 「譲渡」であること

分離課税の対象となるのは、特定暗号資産の「譲渡」による所得である。
したがって、マイニング、ステーキング、レンディング、エアドロップ等により暗号資産を取得した場合の所得は、暗号資産の譲渡による所得ではないから、取得した暗号資産が特定暗号資産であっても、また国内取引所を通じて行われたものであっても、分離課税の対象にはならない。
これらは従来どおり総合課税の雑所得(事業として行う場合は事業所得)である。

他方、「譲渡」は法定通貨を対価とする売却に限られない。暗号資産同士の交換も譲渡に該当し、交換時の時価により損益を認識する。この点は改正の前後で変わらない。
「円に換えていないから課税されない」という理解は誤りである。

もっとも、暗号資産同士の交換であっても、次に述べる経路の要件を満たさなければ、分離課税ではなく総合課税の対象となる。

 

4 経路が課税方式を決める

対象となる取引は、①暗号資産取引業者への売委託(暗号資産取引業者を通じて他の者へ売却する取引。いわゆる取引所取引・板取引)と、②暗号資産取引業者に対する譲渡(業者を相手方とする直接の譲渡。いわゆる販売所取引)の2つである。

海外取引所、DEX、プライベートウォレットを用いた個人間の相対取引(P2P取引)は、いずれもこれに該当しない。

ここから、同じビットコインであっても、どこで売るかによって分離課税と総合課税のいずれになるかが決まるという、経路選択の視点が生まれる。

判定は譲渡時の経路で行われ、取得時にどの経路で買ったかは問われない。DEXで購入した特定暗号資産を国内取引所で売却すれば分離課税、国内取引所で購入した特定暗号資産を海外取引所で売却すれば総合課税である。

改正前に取得した暗号資産であっても、適用開始日以後に国内取引所で売却すれば分離課税となる。

この経路による振り分けが、分離課税と総合課税の二重構造の出発点であり、第3回で扱う「経路選択」の前提でもある。

 

5 税額はどう計算されるか

分離課税が適用される場合の計算は、次の5つの段階に分けて理解すると見通しがよい。

【税額計算の5段階】

段階 内容 根拠
第1段階 事業所得・譲渡所得・雑所得の3類型ごとに所得金額を計算し、3類型間で通算した合計額(特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額)を算出 措法38の2①前段、
措令25の15の2①
第2段階 前年以前3年内の特定暗号資産に係る譲渡損失を控除 措法38の3①
第3段階 総所得金額から控除しきれない所得控除の額を控除 措法38の2②三
第4段階 特定暗号資産に係る課税譲渡所得等の金額に20%(所得税15%+住民税5%)を適用 措法38の2①、地法
附則35の3の6①④
第5段階 配当控除・外国税額控除・住宅ローン控除等の控除不足額を控除 措法38の2②四等

所得金額そのものの計算は、基本的に所得税法の定めに従う。

取得価額(所令119の6)や評価方法(所令119の2。総平均法又は移動平均法)に関する規定は、分離課税か総合課税かを問わず共通に適用される。分離課税になったからといって計算方法が別物になるわけではない。

分離課税に固有なのは、税率と損失の取扱いである。

なお、税率は復興特別所得税等を含めると20.315%となり、上場株式等(措法37の11)及び先物取引(措法41の14)と同率である。

 

6 「箱」の中では通算でき、外へは出せない

分離課税に固有の取扱いの第1は、3類型(事業所得、譲渡所得、雑所得)の間で損益を通算できることである。

ある類型で損失が生じた場合、その損失は残りの2類型の利益から控除できる(措令25の15の2①後段)。例えば、事業所得に区分されるビットコインの譲渡損失を、雑所得に区分されるイーサの譲渡益から控除することができる。

総合課税では所得区分をまたぐこのような通算はできないから、これは納税者にとっての利点である。
第2は、その裏返しである。3類型間の通算をしてもなお残る損失は、箱の外へ持ち出せない。
給与所得等の総合課税の所得はもちろん、上場株式等(特定暗号資産ETFを含む)や先物取引(特定暗号資産デリバティブ取引を含む)といった他の分離課税グループの所得とも、損益通算できない。

この遮断は、租税特別措置法38条の2第2項2号の読替え規定と、同条第1項後段の損失を生じなかったものとみなす規定によって実現されている。

【暗号資産の譲渡損失と損益通算の可否】

所得区分 分離課税ルート 総合課税ルート
事業所得の損失 不可 可(所法69①。改正前と同じ)
譲渡所得の損失 不可 不可(所法69②)
雑所得の損失 不可 不可(もともと所法69①の対象外)

注目すべきは事業所得の扱いである。

総合課税ルートであれば、暗号資産取引を事業として行う者の損失は給与所得等と損益通算できるのに対し、分離課税ルートではこれができない。「分離課税のほうが常に有利」とはいえない理由の1つである。

なお、損益通算の計算過程から抜き取られるのは、損失だけではない。利益も抜き取られるため、暗号資産以外の事業の赤字が分離課税の暗号資産の黒字に吸収されて損益通算に使えなくなる、という事態は生じない。

 

7 3年間の繰越控除と連年申告

生じなかったものとみなされた損失も、そのまま切り捨てられるわけではない。

租税特別措置法38条の3は、これを翌年以後3年間にわたり繰り越し、その年の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額から控除することを認めている。2以上の年に生じた損失があるときは、古い年に生じたものから順次控除する(措令25の15の3①一)。

ただし、控除できるのはあくまで翌年以後の特定暗号資産の利益からであって、給与所得等から控除することはできない。

手続要件は厳格である。次の3つを、すべて満たす必要がある(措法38の3③)。

① 損失が生じた年分の確定申告書に所定の明細書を添付して提出すること

② その後、繰越控除の適用を受ける年分まで連続して確定申告書を提出すること

③ 適用を受ける年分の確定申告書に控除額の計算に関する明細書を添付すること

とりわけ②が実務の落とし穴である。

利益が出なかった年も、特定暗号資産の取引を一切行わなかった年も、申告を途切れさせれば繰越控除の権利を失う可能性がある。

しかも、先物取引の繰越控除に関する裁判例(東京高判平成30年3月8日訟月64巻12号1794頁)は、中間年分の申告をしないまま繰越控除を受けようとする年分の申告書を先に提出し、後から中間年分を期限後申告した事案について、繰越控除を認めなかった。やむを得ない事情があれば救済するという宥恕規定も設けられていない。

なお、青色申告であることは要件ではない。この点は上場株式等(措法37の12の2)や先物取引(措法41の15)の繰越控除と同じである。

 

8 源泉徴収も申告不要制度もない

最後に、上場株式等の実務との違いを2点確認しておきたい。

第1に、特定口座・源泉徴収に相当する仕組みがない。納税者自身が損益を計算し、確定申告を行う必要がある。

もっとも、暗号資産取引業者は、居住者等との間で行った特定暗号資産の売買等について、その翌年1月31日までに特定暗号資産年間取引報告書を所轄税務署長に提出しなければならない(措法38の2④)。

この報告書には、特定暗号資産の種類ごとの譲渡・取得の対価及び数量のほか、移入数量(他の取引所やウォレットからの受入れ)と移出数量(他の取引所やウォレットへの送金)が記載される。課税当局は「年始数量+購入数量+移入数量=売却数量+移出数量+年末数量」の整合性を検証できることになる。

ただし、第1回で述べたとおり、この報告書制度の開始は分離課税本体より1年遅れる。

第2に、申告不要制度がない。

上場株式等では、源泉徴収選択口座内の所得について申告不要を選択すれば、その所得は合計所得金額に算入されない。特定暗号資産にはこれに相当する仕組みがなく、利益は必ず合計所得金額に算入される。

しかも、繰越控除を適用して税額がゼロとなっても、合計所得金額には繰越控除適用前の金額がそのまま算入される(措法38の3④)。

配偶者控除・扶養控除・基礎控除・住宅ローン控除等の適用判定は合計所得金額を基準とするから、税率が20%に下がった分だけ税負担が軽くなるとは限らない。

*  *  *

次回は、総合課税ルートに残された取扱いと、二重構造が生み出す「経路選択」を扱う。

 

〔凡例〕
決済・・・資金決済に関する法律
通貨・・・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
日銀法・・・日本銀行法
信託・・・信託法
所法・・・所得税法
所令・・・所得税法施行令
所基通・・・所得税基本通達
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
消法・・・消費税法
措法・・・租税特別措置法
相基通・・・相続税法基本通達
投信法・・・投資信託及び投資法人に関する法律
投信法令・・・投資信託及び投資法人に関する法律施行令
信託業・・・信託業法
金商・・・金融商品取引法
会社・・・会社法
通法・・・国税通則法
改正法・・・所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)
改正地法・・・地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号)
実特法・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律
実特令・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律施行令
実特規・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令
社債等振替・・・社債、株式等の振替に関する法律
国外送金等調書法・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
国外送金等調書令・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令
国外送金等調書規則・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則
国税庁FAQ・・・暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月26日改訂)
(例)所法9①九・・・所得税法9条1項9号

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

『暗号資産の税金はこう変わる-分離課税の仕組みと実務』表紙

本連載の筆者による新刊

暗号資産の税金はこう変わる

-分離課税の仕組みと実務- 泉絢也 著/清文社

令和8年度税制改正で創設された特定暗号資産の申告分離課税(措法38の2)と譲渡損失の繰越控除(措法38の3)を、適用要件・計算・経路選択まで条文に沿って解説しています。

書籍の詳細をみる ▶

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務

【特別編:第2回】

「分離課税ルート-適用要件と計算」

 

東洋大学法学部教授
泉 絢也

 

←(前回) | (次回)→

連載の目次はこちら

1 4つの関門

第1回で述べたとおり、今回の改正の中核は、特定暗号資産の譲渡による所得に対する20%の申告分離課税である(措法38の2①)。

ただし、この特例が適用されるのは、次の4つの要件をすべて満たす場合に限られる。

【分離課税の適用要件】

内容 根拠
誰が 居住者又は恒久的施設を有する非居住者
(法人は対象外)
措法38の2①
何を 特定暗号資産 措法38の2①
前段括弧書
何をしたか 譲渡 同上
どの経路で 暗号資産取引業者への売委託、又は暗号
資産取引業者に対する譲渡
同上

主体の限定は、上場株式等の分離課税(措法37の11①)や先物取引の分離課税(措法41の14①)と同じであり、特に問題は生じない。

実務上の判断を要するのは、残る3つである。

 

2 何が「特定暗号資産」か

特定暗号資産の定義は、次の4つの層が積み重なった形をとっている(措法38の2①前段括弧書)。

【特定暗号資産の定義の4層】

層 内容
第1層
(大前提)
金商法2条49項に規定する暗号資産であること。ビットコイン、イーサ、ソラナ、リップル等のメジャーな暗号資産はこれを満たすと考えられる
第2層
(基本)
その名称が、金商法29条の2第1項11号イに掲げる事項として、同法29条の3第1項に規定する金融商品取引業者登録簿に登録されていること
第3層
(除外)
登録されているものであっても、取引の状況その他の事情を勘案して財務省令で定めるものは除かれる
第4層
(追加)
上記のほか、「その他の財務省令で定めるもの」も対象となりうる

実務上は、「国内の暗号資産取引業者(国内取引所)が取り扱っている暗号資産」と理解しておけばよい。

除外の例としては、暗号資産取引業者が業務の一部を廃止して取扱いをやめたにもかかわらず、変更届出を遅滞なく提出していないために登録簿に名称が残っている場合のその暗号資産が挙げられている(財務省「令和8年度税制改正の解説」329頁)。

追加の例としては、暗号資産の技術又は仕様の変更により保有者に新たに付与される暗号資産が挙げられている(同解説329頁)。いわゆるハードフォーク等がこれに当たるものと考える。

もっとも、本稿執筆時点で、対応する財務省令は公表されていない。

注意を要するのが、資金決済に関する法律2条5項の電子決済手段(いわゆるステーブルコインの一部)である。

電子決済手段は暗号資産に該当しないため、これを譲渡しても分離課税の対象にはならない。
他方、特定暗号資産を譲渡して電子決済手段を取得する交換取引であれば、譲渡したものは特定暗号資産であるから、他の要件を満たす限り分離課税の対象となる。

 

3 「譲渡」であること

分離課税の対象となるのは、特定暗号資産の「譲渡」による所得である。
したがって、マイニング、ステーキング、レンディング、エアドロップ等により暗号資産を取得した場合の所得は、暗号資産の譲渡による所得ではないから、取得した暗号資産が特定暗号資産であっても、また国内取引所を通じて行われたものであっても、分離課税の対象にはならない。
これらは従来どおり総合課税の雑所得(事業として行う場合は事業所得)である。

他方、「譲渡」は法定通貨を対価とする売却に限られない。暗号資産同士の交換も譲渡に該当し、交換時の時価により損益を認識する。この点は改正の前後で変わらない。
「円に換えていないから課税されない」という理解は誤りである。

もっとも、暗号資産同士の交換であっても、次に述べる経路の要件を満たさなければ、分離課税ではなく総合課税の対象となる。

 

4 経路が課税方式を決める

対象となる取引は、①暗号資産取引業者への売委託(暗号資産取引業者を通じて他の者へ売却する取引。いわゆる取引所取引・板取引)と、②暗号資産取引業者に対する譲渡(業者を相手方とする直接の譲渡。いわゆる販売所取引)の2つである。

海外取引所、DEX、プライベートウォレットを用いた個人間の相対取引(P2P取引)は、いずれもこれに該当しない。

ここから、同じビットコインであっても、どこで売るかによって分離課税と総合課税のいずれになるかが決まるという、経路選択の視点が生まれる。

判定は譲渡時の経路で行われ、取得時にどの経路で買ったかは問われない。DEXで購入した特定暗号資産を国内取引所で売却すれば分離課税、国内取引所で購入した特定暗号資産を海外取引所で売却すれば総合課税である。

改正前に取得した暗号資産であっても、適用開始日以後に国内取引所で売却すれば分離課税となる。

この経路による振り分けが、分離課税と総合課税の二重構造の出発点であり、第3回で扱う「経路選択」の前提でもある。

 

5 税額はどう計算されるか

分離課税が適用される場合の計算は、次の5つの段階に分けて理解すると見通しがよい。

【税額計算の5段階】

段階 内容 根拠
第1段階 事業所得・譲渡所得・雑所得の3類型ごとに所得金額を計算し、3類型間で通算した合計額(特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額)を算出 措法38の2①前段、
措令25の15の2①
第2段階 前年以前3年内の特定暗号資産に係る譲渡損失を控除 措法38の3①
第3段階 総所得金額から控除しきれない所得控除の額を控除 措法38の2②三
第4段階 特定暗号資産に係る課税譲渡所得等の金額に20%(所得税15%+住民税5%)を適用 措法38の2①、地法
附則35の3の6①④
第5段階 配当控除・外国税額控除・住宅ローン控除等の控除不足額を控除 措法38の2②四等

所得金額そのものの計算は、基本的に所得税法の定めに従う。

取得価額(所令119の6)や評価方法(所令119の2。総平均法又は移動平均法)に関する規定は、分離課税か総合課税かを問わず共通に適用される。分離課税になったからといって計算方法が別物になるわけではない。

分離課税に固有なのは、税率と損失の取扱いである。

なお、税率は復興特別所得税等を含めると20.315%となり、上場株式等(措法37の11)及び先物取引(措法41の14)と同率である。

 

6 「箱」の中では通算でき、外へは出せない

分離課税に固有の取扱いの第1は、3類型(事業所得、譲渡所得、雑所得)の間で損益を通算できることである。

ある類型で損失が生じた場合、その損失は残りの2類型の利益から控除できる(措令25の15の2①後段)。例えば、事業所得に区分されるビットコインの譲渡損失を、雑所得に区分されるイーサの譲渡益から控除することができる。

総合課税では所得区分をまたぐこのような通算はできないから、これは納税者にとっての利点である。
第2は、その裏返しである。3類型間の通算をしてもなお残る損失は、箱の外へ持ち出せない。
給与所得等の総合課税の所得はもちろん、上場株式等(特定暗号資産ETFを含む)や先物取引(特定暗号資産デリバティブ取引を含む)といった他の分離課税グループの所得とも、損益通算できない。

この遮断は、租税特別措置法38条の2第2項2号の読替え規定と、同条第1項後段の損失を生じなかったものとみなす規定によって実現されている。

【暗号資産の譲渡損失と損益通算の可否】

所得区分 分離課税ルート 総合課税ルート
事業所得の損失 不可 可(所法69①。改正前と同じ)
譲渡所得の損失 不可 不可(所法69②)
雑所得の損失 不可 不可(もともと所法69①の対象外)

注目すべきは事業所得の扱いである。

総合課税ルートであれば、暗号資産取引を事業として行う者の損失は給与所得等と損益通算できるのに対し、分離課税ルートではこれができない。「分離課税のほうが常に有利」とはいえない理由の1つである。

なお、損益通算の計算過程から抜き取られるのは、損失だけではない。利益も抜き取られるため、暗号資産以外の事業の赤字が分離課税の暗号資産の黒字に吸収されて損益通算に使えなくなる、という事態は生じない。

 

7 3年間の繰越控除と連年申告

生じなかったものとみなされた損失も、そのまま切り捨てられるわけではない。

租税特別措置法38条の3は、これを翌年以後3年間にわたり繰り越し、その年の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額から控除することを認めている。2以上の年に生じた損失があるときは、古い年に生じたものから順次控除する(措令25の15の3①一)。

ただし、控除できるのはあくまで翌年以後の特定暗号資産の利益からであって、給与所得等から控除することはできない。

手続要件は厳格である。次の3つを、すべて満たす必要がある(措法38の3③)。

① 損失が生じた年分の確定申告書に所定の明細書を添付して提出すること

② その後、繰越控除の適用を受ける年分まで連続して確定申告書を提出すること

③ 適用を受ける年分の確定申告書に控除額の計算に関する明細書を添付すること

とりわけ②が実務の落とし穴である。

利益が出なかった年も、特定暗号資産の取引を一切行わなかった年も、申告を途切れさせれば繰越控除の権利を失う可能性がある。

しかも、先物取引の繰越控除に関する裁判例(東京高判平成30年3月8日訟月64巻12号1794頁)は、中間年分の申告をしないまま繰越控除を受けようとする年分の申告書を先に提出し、後から中間年分を期限後申告した事案について、繰越控除を認めなかった。やむを得ない事情があれば救済するという宥恕規定も設けられていない。

なお、青色申告であることは要件ではない。この点は上場株式等(措法37の12の2)や先物取引(措法41の15)の繰越控除と同じである。

 

8 源泉徴収も申告不要制度もない

最後に、上場株式等の実務との違いを2点確認しておきたい。

第1に、特定口座・源泉徴収に相当する仕組みがない。納税者自身が損益を計算し、確定申告を行う必要がある。

もっとも、暗号資産取引業者は、居住者等との間で行った特定暗号資産の売買等について、その翌年1月31日までに特定暗号資産年間取引報告書を所轄税務署長に提出しなければならない(措法38の2④)。

この報告書には、特定暗号資産の種類ごとの譲渡・取得の対価及び数量のほか、移入数量(他の取引所やウォレットからの受入れ)と移出数量(他の取引所やウォレットへの送金)が記載される。課税当局は「年始数量+購入数量+移入数量=売却数量+移出数量+年末数量」の整合性を検証できることになる。

ただし、第1回で述べたとおり、この報告書制度の開始は分離課税本体より1年遅れる。

第2に、申告不要制度がない。

上場株式等では、源泉徴収選択口座内の所得について申告不要を選択すれば、その所得は合計所得金額に算入されない。特定暗号資産にはこれに相当する仕組みがなく、利益は必ず合計所得金額に算入される。

しかも、繰越控除を適用して税額がゼロとなっても、合計所得金額には繰越控除適用前の金額がそのまま算入される(措法38の3④)。

配偶者控除・扶養控除・基礎控除・住宅ローン控除等の適用判定は合計所得金額を基準とするから、税率が20%に下がった分だけ税負担が軽くなるとは限らない。

*  *  *

次回は、総合課税ルートに残された取扱いと、二重構造が生み出す「経路選択」を扱う。

 

〔凡例〕
決済・・・資金決済に関する法律
通貨・・・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
日銀法・・・日本銀行法
信託・・・信託法
所法・・・所得税法
所令・・・所得税法施行令
所基通・・・所得税基本通達
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
消法・・・消費税法
措法・・・租税特別措置法
相基通・・・相続税法基本通達
投信法・・・投資信託及び投資法人に関する法律
投信法令・・・投資信託及び投資法人に関する法律施行令
信託業・・・信託業法
金商・・・金融商品取引法
会社・・・会社法
通法・・・国税通則法
改正法・・・所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)
改正地法・・・地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号)
実特法・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律
実特令・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律施行令
実特規・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令
社債等振替・・・社債、株式等の振替に関する法律
国外送金等調書法・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
国外送金等調書令・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令
国外送金等調書規則・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則
国税庁FAQ・・・暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月26日改訂)
(例)所法9①九・・・所得税法9条1項9号

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

『暗号資産の税金はこう変わる-分離課税の仕組みと実務』表紙

本連載の筆者による新刊

暗号資産の税金はこう変わる

-分離課税の仕組みと実務- 泉絢也 著/清文社

令和8年度税制改正で創設された特定暗号資産の申告分離課税(措法38の2)と譲渡損失の繰越控除(措法38の3)を、適用要件・計算・経路選択まで条文に沿って解説しています。

書籍の詳細をみる ▶

連載目次

暗号資産(トークン)・NFT をめぐる税務

【特別編:第1回】 ★無料公開中★

「暗号資産の分離課税の全体像」-令和8年度税制改正-

1 特別編を設ける理由

2 改正に至る経緯 ―「金商法への移管」が扉を開いた

3 改正の全体マップ

4 3つの柱

5 いつから適用されるのか

【特別編:第2回】

「分離課税ルート ― 適用要件と計算」

1 4つの関門

2 何が「特定暗号資産」か

3 「譲渡」であること

4 経路が課税方式を決める

5 税額はどう計算されるか

6 「箱」の中では通算でき、外へは出せない

7 3年間の繰越控除と連年申告

8 源泉徴収も申告不要制度もない

【特別編:第3回】

「総合課税ルートと経路選択」

1 総合課税ルートは消えない

2 総合課税側でも所得税法本法が改正された

3 経路選択という新しい論点

4 経路選択にあたっての留意点

5 消費税でも位置付けが変わる

6 令和8年度税制改正を振り返って

*  *  *

【第1回】 ★無料公開中★

〔連載に当たって〕

【第2回】

第1章 暗号資産の税務と課税問題

第1節 暗号資産とは

1 暗号資産の定義

2 通貨該当性・強制通用力の有無

【第3回】

3 暗号資産の私法上の性質・位置付け

(1) 総論

(2) 各論

《更なる考察》 「占有=所有」構成

《更なる考察》 私法の議論から得られる示唆

【第4回】

第2節 所得税における暗号資産の税務と課税問題

1 所得税法の暗号資産関連規定

(1) 暗号資産の定義

【第5回】

(2) 暗号資産の贈与・低額譲渡に関する規定

【第6回】

(3) 暗号資産を譲渡した場合の計算に関する規定

ア 棚卸資産と売上原価の計算

イ 暗号資産の譲渡原価の計算

ウ 暗号資産の取得価額

【第7回】

エ 年末時点での1単位当たりの取得価額

(ア) 総平均法と移動平均法

(イ) 評価方法の選定・変更等

【第8回】

(ウ) 相続等により取得した暗号資産の取得価額

【第9回】

(エ) 暗号資産の取得価額がわからない場合と5%通達の問題

NFTに関する税務上の取扱いに係るFAQ詳解

【第10回】

◆本連載の今後の進め方について◆

問1 NFTを組成して第三者に譲渡した場合(一次流通)

1 所得の定義

2 「デジタルアートの閲覧に関する権利」が前提とされたことに伴うリスク

3 NFT取引の着眼点とNFTに係る権利の設定という構成

4 一次流通の場合の所得区分

5 法人税の取扱い

【第11回】

問2 NFTを組成して知人に贈与した場合(一次流通)

1 贈与した個人の取扱い

2 贈与した法人の取扱い

問3 非居住者がNFTを組成して、日本のマーケットプレイスで譲渡した場合(一次流通)

【第12回】

問4 購入したNFTを第三者に転売した場合(二次流通)

1 二次流通の場合の所得区分

2 譲渡所得金額の計算

3 「デジタルアートの閲覧に関する権利」という前提

4 法人税の取扱い

【第13回】

問5 第三者の不正アクセスにより購入したNFTが消失した場合

問6 役務提供の対価として取引先が発行するトークンを取得した場合

【第14回】

問7 商品の購入の際に購入先が発行するトークンを取得した場合

【第15回】

問8 ブロックチェーンゲームの報酬としてゲーム内通貨を取得した場合

【第16回】

問9 NFTを贈与又は相続により取得した場合

【第17回】

問10 NFT取引に係る源泉所得税の取扱い

【第18回】

問11 NFT取引に係る消費税の取扱い①(デジタルアートの制作者)

【第19回】

問12 NFT取引に係る消費税の取扱い②(デジタルアートに係るNFTの転売者)

【第20回】

問13 財産債務調書への記載の要否

問14 財産債務調書へのNFTの価額の記載方法

問15 国外財産調書への記載の要否

【第21回】

2 暗号資産取引と所得区分(所得の種類)

(1) 暗号資産取引と所得区分の概要

【第22回】

(2) 譲渡所得該当性を否定する国税庁の根拠

【第23回】

(3) 国会における議論①:譲渡所得該当性を否定する根拠

【第24回】

(4) 国会における議論②:資産ではあるが、譲渡所得の基因となる資産ではない?

【第25回】

(5) 国会における議論③:譲渡所得を肯定する学説と外貨の取扱い

【第26回】

(6) 国税庁の見解に対する疑問

ア 「①清算課税説」

【第27回】

イ 「②支払手段性」

【第28回】

ウ 「③暗号資産の譲渡益の性質」と「④結論」

【第29回】

《更なる考察》邦貨と外貨の交換(両替)と所得税法33条の「譲渡」

【第30回】

3 所得税における暗号資産の信用取引

【第31回】

4 その他雑所得と必要経費

(1) 必要経費の問題

【第32回】

(2) 業務に係る雑所得とその他雑所得の区分とその判断基準

【第33回】

5 マイニング所得と雑所得

(1) マイニングとは

(2) 事案の概要

(3) 基礎事実(請求人による仮想通貨のマイニングについて)

(4) 当事者の主張と争点

(5) 審判所の判断

ア 審判所の判断枠組み

イ 結論と理由

【第34回】

6 異なる種類の暗号資産同士の交換は課税イベントか

【第35回】

7 暗号資産同士の交換時に課税しないという改正要望

【第36回】

8 暗号資産の所得は誰に帰属するか

【第37回】

9 暗号資産の節税コンサルティングの被害と損害賠償

(1) 事案の概要

(2) 事実関係

(3) 裁判所の判断

(4) 類似事案における重加算税の賦課

【第38回】

10 暗号資産に係る所得を分離課税にしてほしいという改正要望

【第39回】

11 詐欺・盗難等による暗号資産の損失①(譲渡原価等と現金類似の取扱い)

【第40回】

12 詐欺・盗難等による暗号資産の損失②(雑所得の基因となる資産の損失)

【第41回】

13 詐欺・盗難等による暗号資産の損失③(雑損控除)

【第42回】

14 秘密鍵を紛失した場合

【第43回】

15 暗号資産交換業者から暗号資産に代えて金銭の補償を受けた場合

(1) 国税庁の見解

(2) 損害賠償金の課税関係

【第44回】

(3) 補償金の非課税所得該当性

(4) タックスアンサーの回答の検討

【第45回】

16 暗号資産の損失と立証責任

(1) 事案の概要

(2) 基礎事実

(3) 争点

(4) 争点についての当事者の主張

【第46回】

(5) 審判所の判断

(6) コメント

【第47回】

17 ビットコインETFと分離課税(その1):概要

(1) SECによるビットコインETFの承認

(2) ETFとは

(3) ビットコインETFの特徴

【第48回】

18 ビットコインETFと分離課税(その2):問題意識①

【第49回】

19 ビットコインETFと分離課税(その3):問題意識②

【第50回】

20 ビットコインETFと分離課税(その4):本信託の概要

(1) 本信託と本件持分

(2) 本信託の設立

(3) 本信託の投資目的等

(4) 本信託とビットコイン等

(5) その他

【第51回】

21 ビットコインETFと分離課税(その5):本信託のスキーム図と主な関係者

(1) スキーム図

(2) 主な関係者

ア スポンサー(Sponsor)

イ 受託者(Trustee)

ウ 管理者(Administrator)

エ 名義書換代理人(Transfer Agent)

オ ビットコインカストディアン(Bitcoin Custodian)

カ キャッシュカストディアン(Cash Custodian)

キ 指定参加者(Authorized Participant)

ク 持分所有者(Shareholder)

ケ その他の関係者

【第52回】

22 ビットコインETFと分離課税(その6):本信託の仕組み

(1) 設定と償還(指定参加者による買注文と売注文)

ア バスケット単位による設定と償還

イ 発行プロセス

ウ 償還プロセス

(2) 資金の使途

(3) ハードフォークによって生ずる付随的権利等の取扱い

(4) 持分所有者に対する分配

(5) 本信託の終了

【第53回】

(6) 受益権と本件持分

ア 概要

イ 本件持分の発行方式等

ウ 本件持分の譲渡方式等

(7) 米国連邦所得税の課税関係

ア スポンサーの意図

イ 信託課税

ウ 米国持分所有者に対する課税

(8) 非米国持分所有者への課税

(9) 米国における情報申告とバックアップ源泉徴収

【第54回】

23 ビットコインETFと分離課税(その7):本件分離課税特例「株式等」及び「上場株式等」

(1) 本件分離課税特例における「株式等」及び「上場株式等」の意義

(2) 「投資信託の受益権」該当性

ア 特定資産の意義と「投信法上の投資信託」該当性①

【第55回】

イ 特定資産の意義と「投信法上の投資信託」該当性②

ウ 「外国投資信託」該当性

【第56回】

エ 外国信託が投信法上の投資信託に類するものといえるかどうかは種々の事情を総合勘案すべきという見解

(3) 「特定受益証券発行信託の受益権」該当性

【第57回】

(4) 「法人課税信託」該当性

ア 「受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託」該当性

(ア) 受益権を表示する「紙片」を発行する旨の定めがない信託は含まれないとする見解

【第58回】

(イ) 特定受益証券発行信託とそれ以外の受益証券発行信託で異なる課税方式を採用した趣旨

【第59回】

イ 紙片を発行せずに振替式を利用する定めのある外国信託も含まれるとする見解①(規定の趣旨との関係)

【第60回】

ウ 紙片を発行せずに振替式を利用する定めのある外国信託も含まれるとする見解②(社債等振替法に係る振替受益権との関係)

(ア) 信託法と社債等振替法

(イ) 法人税法

【第61回】

エ 「集団投資信託」該当性

(ア) 合同運用信託と紙片を発行する旨の定めがない外国投資信託

(イ) 「信託会社」該当性

【第62回】

(ウ) 「金銭信託で、共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するもの」及び「信託」等該当性

オ 「信託」該当性

カ 本信託の法人課税信託該当性とその効果

(5) 「株式等で金融商品取引所に上場されているものに類するもの」

(6) 本件分離課税特例(分離課税)の適用の可否

【第63回】

24 ビットコインETFと分離課税(その8):まとめ

【第64回】

25 ビットコインETFと分離課税(その9):国税庁の回答

【第65回】

26 DeFi取引と課税①:DeFiとDEX

(1) DeFiとは

(2) スマートコントラクトとは

(3) DEXとは

【第66回】

(4) Uniswap

【第67回】

27 DeFi取引と課税②:流動性供給開始は課税イベントか

(1) 課税イベントになるという見解

(2) 課税イベントと実現

【第68回】

(3) 暗号資産(トークン)の含み損益の課税イベント

【第69回】

(4) 権利義務の帰属主体の不存在

(5) 課税イベントの候補

【第70回】

28 DeFi取引と課税③:トークンのラップは課税イベントか

(1) ラップとブリッジ

【第71回】

(2) BTCからWBTCへのラップ

(3) ラップは課税イベントか

ア 課税イベントと捉える見解

【第72回】

イ カストディアンがいるケース

ウ カストディアンがいないケース

【第73回】

29 CARF(暗号資産等報告枠組み)と日本版CARF

(1) CARF・日本版CARFの概要①

【第74回】

(2) CARF・日本版CARFの概要②

【第75回】

(3) CARF・日本版CARFの概要③

ア 暗号資産

【第76回】

イ RCASPと報告暗号資産交換業者等

【第77回】

30 暗号資産と税務調査①

(1) 問題意識と方向性

【第78回】

(2) 匿名性・分散性と税務執行上の問題

ア スーパータックスヘイブンとしての暗号資産の特徴

【第79回】

イ 暗号資産の匿名性

【第80回】

ウ 匿名性・分散性の相互関連性

【第81回】

エ 匿名性がもたらす税務執行上の問題

【第82回】

オ 暗号資産の分散性

【第83回】

カ 分散性がもたらす税務執行上の問題

【第84回】

キ CARFの限界

【第85回】

ク CARFとプライベートウォレットアドレスの情報

【第86回】

ケ 日本における状況と国税庁が直面する問題

(ア) 暗号資産利用者の増加への対応

【第87回】

(イ) 税務調査による税務コンプライアンスの確保とCEXへの着目

【第88回】

(ウ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットの利用がもたらす問題

【第89回】

(エ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットと税務調査

【第90回】

31 暗号資産と税務調査②:ブロックチェーン分析

(1) ブロックチェーン分析とは何か

ア ブロックチェーン分析とは

イ パブリックブロックチェーンの「公開性」と「仮名性」

【第91回】

ウ オンランプ・オフランプという現実世界との接点

【第92回】

(2) ブロックチェーン分析の税務調査利用

ア ブロックチェーン分析による追跡・調査選定

【第93回】

イ 実際のブロックチェーン分析ツール

【第94回】

ウ ブロックチェーン分析を用いた暗号資産脱税事件(米国の事例)

(ア) 事案の概要

(イ) ブロックチェーン分析の関与

(ウ) 捜査・立証活動

(エ) 公開情報と情報分析・変換能力

(オ) 総括

【第95回】

エ ブロックチェーン分析を利用した大規模選定

(ア) ブロックチェーン分析の選定利用

(イ) データソリューションズ × リアクターによる効率的大規模選定

【第96回】

(3) 期待と限界

ア ブロックチェーン分析の有効性:期待と限界

イ 国税庁がとるべき対応策

ウ まとめ

【第97回】

32 暗号資産と税務調査③:損益計算の困難性と税務執行上の問題

(1) 暗号資産の損益計算の手順と重要性

ア 概要

イ 損益計算の基本的手順

(2) 暗号資産の損益計算に必要な知識やスキル

【第98回】

(3) 暗号資産の損益計算の困難性

ア 概要

イ 各段階で生じる問題

① 取引所やブロックチェーンからデータを取得等

【第99回】

② データを損益計算ソフトに取込み

③ 確認を要する取引や年末数量不一致の問題を解消

【第100回】  

④ 取引金額・損益計上の有無・タイミング等を判断し、損益を確定

(ア) ブロックチェーンの記録からわかること・わからないこと

(イ) トランザクション別取引タイプと問題点・注意点

(ウ) その他損益計算時の問題点・注意点

【第101回】  10/29公開予定

(4) 問題への対処方法とその困難性

ア 対処方法

【第102回】  11/12公開予定

イ 納税者が直面するギャップ

【第103回】  11/26公開予定

ウ ブロックチェーンエクスプローラーの不完全性

【第104回】  12/10公開予定

エ 国税庁が直面する問題

オ 国税庁がとるべき対応策

【第105回】  12/24公開予定

33 暗号資産と税務調査④:まとめ

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

泉 絢也

(いずみ・じゅんや)

東洋大学法学部教授
博士(会計学)

2023年3月末まで千葉商科大学商経学部准教授、2023年4月から2025年3月末まで東洋大学法学部准教授の後、2025年4月より東洋大学法学部教授。中央大学ビジネススクール非常勤講師。
(一社)アコード租税総合研究所研究顧問。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。博士(会計学・中央大学)。
Twitter:@taxlaw17
ブログ:https://note.com/cryptotax/

【著書】
・泉絢也『暗号資産の税金はこう変わる-分離課税の仕組みと実務』(清文社2026)(単著)
・泉絢也『逐条解説 法人税法第22条の2 収益認識会計基準に対応する法令・通達の論点整理』(清文社2023)(単著)
・泉絢也=藤本剛平『事例でわかる! NFT・暗号資産の税務』(中央経済社2022)(共著)
・泉絢也『パブリックコメントと租税法』(日本評論社2020)(単著)
・酒井克彦編『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(ぎょうせい2019)(共著)
・松嶋 隆弘=渡邊涼介編著『仮想通貨はこう変わる!!暗号資産の法律・税務・会計』(ぎょうせい2019)(共著)

【論文】
・「仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の譲渡による所得の譲渡所得該当性-アメリカ連邦所得税におけるキャピタルゲイン及び為替差損益の取扱いを手掛かりとして-」税法学581号3頁以下
・「NFT(ノンファンジブルトークン)の譲渡による所得は 譲渡所得か?もしそうであれば非課税所得か?」千葉商大論叢59巻3号143頁など
・「法人税法における暗号資産税制の問題点(1)・(2完)-期末時価評価課税の改正提言-」千葉商大論叢60巻1号73頁、千葉商大紀要60巻1号61頁
など多数

 

関連書籍

申告所得税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

新・くらしの税金百科 2026→2027

公益財団法人 納税協会連合会 編

税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 税理士 濱 林太朗 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

【紙書籍+電子[1ID]セット版】令和8年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【電子書籍版】令和8年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

令和8年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

演習所得税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

〇×判定ですぐわかる所得税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

税理士のための 確定申告事務必携

堀 三芳 著 勝山武彦 著

〇×判定ですぐわかる資産税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

住宅ローン控除・住宅取得資金贈与のトクする確定申告ガイド

みどり税理士法人 税理士 塚本和美 著

資産税の取扱いと申告の手引

一色広己 編 荒木未来 編

所得税実務問答集

太田真規 編

新着情報

もっと見る

記事検索

#