〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載49〕
平成26年度税制改正の概要と留意点
税理士 竹内 陽一
1 法人実効税率の引下げの見送りと復興特別法人税の1年前倒し廃止
今回の改正においてもっとも重要な課題は、我が国競争力強化の観点からの法人実効税率の引下げであったが、財務省の抵抗によって見送りとなり、代わりとして復興特別法人税の1年前倒し廃止が実現した。
法人税率は、基本の国税分は平成23年度改正において4.5%減額されたが、平成24年度改正において、10%の付加税として2.55%増加し、差引2%の減少にとどまった。この2.55%の増加が廃止となる。
法人実効税率は、平成23年度改正前の40.69%から、平成24年度改正において38.01%となっていたが、今回の前倒し廃止により、平成23年度改正で予定された35.64%となる。
〈法人実効税率の今後の推移(3月決算法人を想定)〉
2 秋の大綱(民間投資活性化等のための税制改正大網)決定事項
(1) 「生産性向上設備投資促進税制」及び「中小企業投資促進税制」
産業競争力強化法の施行日(平成26年1月下旬の見込み)以後、平成28年3月31日までの取得について、即時償却又は5%(建物・構築物は3%)の税額控除の適用となる。
ただし税額控除は、中小企業投資促進税制により、資本金3,000万円以下の中小企業は10%の税額控除、資本金1億円以下の中小企業は7%の税額控除とされた。
対象設備には、「生産設備」と「生産ライン等の刷新・改善」がある。
「生産設備」の要件は、機械・装置については用途についての限定はなく、
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