公開日: 2026/03/26 (掲載号:No.662)
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暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第89回】

筆者: 泉 絢也

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務

【第89回】

 

東洋大学法学部教授
泉 絢也

 

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(エ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットと税務調査

より具体的に調査選定と個別の調査の場面を検討してみよう。

A 調査選定の場面

調査選定の段階において、CARFに参加しておらず、かつ本人確認手続を実施していない海外CEXは、国税庁にとって情報の把握が極めて困難な、いわば「強固なブラックボックス」である。

利用者の身元や取引内容の詳細な情報にアクセスできないため、納税者を特定したうえで調査対象とすることが難しくなる。すなわち、情報の非対称性により、調査対象のリスク評価・選定プロセス自体が著しく制約を受けることになる。

しかし、後述するブロックチェーン分析等の手法によって、これらの海外CEXを利用しており、しかも日本の居住者が管理していると推定されるウォレットアドレスを特定できる可能性はある。

このようなアドレスは、税務コンプライアンスリスクが高いと判断され、調査選定の際に注目される可能性がある。例えば、DEXで繰り返し高額の流動性供給報酬を得ているアドレスや、大口送金を継続して行っているアドレスなどは、ハイリスク対象として検出されやすい。

プライベートウォレットについても、一般に、本人確認手続を実施せずに利用することが可能である。

これを提供する事業者は中央集権的な機関に該当するとしてもRCASP(報告暗号資産サービスプロバイダ)には該当しない可能性があるため、CARF以外のルートで各国から情報が提供されない限り、国税庁がプライベートウォレットの利用者の身元に関する情報を把握することは難しい。

つまり、プライベートウォレットの提供事業者が、顧客の情報を収集・管理する義務を負わない立場にある場合、当局はその背後にいる個人の身元や取引状況を把握することが困難となる。

さらに、複数の取引候補の中から条件が合致する者を選び、様々な種類の暗号資産の売買ができるピアツーピア取引所(BybitなどのCEXがサービスを提供するものや、BisqなどDEXと称して運営されているものがある)(※)においては、利用者同士が直接メッセージをやりとりし、暗号資産、銀行振込、Amazonギフト、PayPay、LINE Pay、Wiseなど多様な決済手段を使って暗号資産取引をすることも可能である。

(※) ピアツーピア取引所では、売り注文と買い注文をペアにしてプラットフォームの資産を管理するオーダーブックを使用せず、資金の保管や取引の処理に仲介業者を挟むことなく利用者同士で直接取引ができるし、利用可能な決済手段も多様であるが、メッセージのやりとりなど取引完了までに多少の手間や時間がかかる(Bybit「安い手数料と高い安全性を提供するP2P暗号資産取引所15選」(2022.2.5))。

この場合も利用者の身元や取引内容に関する情報を把握することが難しい。

加えて、DEXも、そのトランザクションデータはブロックチェーン上に記録され、公開され、外部から閲覧可能であるが、DEXは利用者の身元に関する情報を収集していないし、ブロックチェーンにもそのような情報は記録されていない。

このため、DEXを利用するプライベートウォレットのアドレスの管理者を特定することはできないし、日本の居住者によって管理されているものであるかも判断できない。

利用者からそのような情報を得ることができる中央集権的な機関も介在しておらず、他に身元を照会できる「者」は存在しない。

もっとも、DEXのトランザクションのデータは容易に把握できるため、例えば、DEXで多額の報酬を得ているプライベートウォレットに係るアドレスを検出・特定し、税務コンプライアンスリスクの高い者であるとして調査選定に活用することは考えられる。

B 個別の調査の場面

一方、個別(特定)の調査の場面では、国税調査官が調査中の納税者(当然ながら身元は把握済み)の保有する海外CEXの口座やプライベートウォレットを把握したいと考えても、事実上照会する手立てがなく、把握することができないといったケースが想定される。

暗号資産の譲渡原価は平均法で算出することが原則となっている(所法48の2、所令119の2)。

このため、CEXの口座やプライベートウォレットが1つでも抜けていると、その口座やウォレットに係る損益を税額計算に反映できないだけでなく、他の口座やウォレットで行った暗号資産取引に係る税額計算全体に広範な影響を与える可能性がある。

これは調査選定の場面だけでなく、個別の調査の場面においても重大な問題である。

個別の調査の場面においては、調査官が納税者のパソコンやスマートフォン等のデバイスの中を確認し、利用している海外CEX、DEX、ウォレット、これらにおける取引履歴等を確認するという従来の調査手法である現物確認調査(ブロックチェーン外で実施されるという意味ではオフチェーン調査)を利用することが一定程度有効である。

しかしながら、暗号資産の分野ではこの方法の有効性には限界がある。

例えば、ウォレットに関連づけられた秘密鍵は暗号化されてデバイスのローカルストレージ内に保存されることが多い。このような場合に、ブラウザやアプリの起動、トランザクションの送信、残高の確認などの操作画面や操作方法を他人に見せるだけでは、秘密鍵が直接的に表示されることはない。

ただし、操作ミス等により、シークレットリカバリーフレーズ(シードフレーズ、ニーモニックフレーズ)や秘密鍵を表示する操作を行ってしまうリスクはゼロではない。

これらの情報が漏洩すれば、そのウォレットに紐づけられている暗号資産が第三者によって抜き取られる可能性が出てくる。

▷シークレットリカバリーフレーズ(シードフレーズ、ニーモニックフレーズ)

通常、ウォレットの使用開始時に示される複数のランダムな単語とその順序で構成される単語リストのこと。

ウォレットのログインパスワードとは異なるものであるが、ウォレットに紐づいている暗号資産にアクセスするために重要なものである。

ウォレットの復元(リカバリー)のために用いられる。例えば、ウォレットのログインパスワードを忘れた場合のほか、複数のデバイスでウォレットを利用するために、あるいはデバイスの紛失又はパソコンやスマホの買換えのために、新しいデバイスにウォレットを復元する場合に使用する。

このため、プライベートウォレットを利用している人の中には、秘密鍵を管理しているウォレットの画面や管理状況等を他人に見せることに抵抗を感じる人が少なくないと考える。

よって、納税者が自らの端末内のウォレット情報の開示に消極的な態度をとるのは自然なことであり、とりわけ多額の資産を管理している場合には、拒否の姿勢はより顕著であると考えられる。

このような事情から、調査官がデバイスの中の確認を求めた場合、これを拒否する納税者がいても不思議ではない。そのような場合に、直ちに検査忌避(通法128二)に当たると断ずることはできない。

また、そもそも、ウォレットの利用状況を確認するために納税者のデバイスを直接確認することに躊躇する調査官もいるであろう。

調査官が納税者にウォレットの画面操作を依頼して確認を行った数日後に、当該ウォレットに紐づく暗号資産が窃取された場合、その調査官に対して疑いの目が向けられる可能性があるからである。

C まとめ

以上を整理すると、質問検査権による調査、特定事業者等の報告の求め、CARFはいずれも課税当局への情報提供等に係る義務を課しうる国・地域内に当該義務を負担すべき者が存在する場合にのみ有効に機能するものである。

また、CARFのRCASPには、単に、暗号資産の保管や移転に係るサービスを提供するような純粋なウォレット提供事業者等は含まれない。

このため、海外CEX、特にCARFに参加していない国に所在するCEX、DEX、プライベートウォレットを利用して、匿名性を保ちながら、グローバルに暗号資産の取引・運用をしている納税者の情報を国税庁が把握することは難しく、上記で示したような調査選定及び個別の調査の場面における問題が起こりうる。

特定取引等の報告の求めやCARFを通じて、国税庁が利用者の身元を把握できるわけではないし、特定の納税者が利用している海外CEX、DEX、プライベートウォレットを把握することも困難である。

よって、納税者がCEXの口座やプライベートウォレットの情報を国税庁に提出することを義務付ける又は納税者に提出を促すような制度を検討すべきである。

さらに、国税庁としても、情報ハブとなる外部の中央集権的機関に依存するだけではなく、ブロックチェーン分析会社等の外部調査機関と連携を強化し、独自の分析手法や調査技術を継続的に開発していくことが不可欠である。

 

〔凡例〕
決済・・・資金決済に関する法律
通貨・・・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
日銀法・・・日本銀行法
信託・・・信託法
所法・・・所得税法
所令・・・所得税法施行令
所基通・・・所得税基本通達
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
消法・・・消費税法
措法・・・租税特別措置法
相基通・・・相続税法基本通達
投信法・・・投資信託及び投資法人に関する法律
投信法令・・・投資信託及び投資法人に関する法律施行令
信託業・・・信託業法
金商・・・金融商品取引法
会社・・・会社法
実特法・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律
実特令・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律施行令
実特規・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令
社債等振替・・・社債、株式等の振替に関する法律
国外送金等調書法・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
国外送金等調書令・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令
国外送金等調書規則・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則
国税庁FAQ・・・暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月26日改訂)
(例)所法9①九・・・所得税法9条1項9号

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務

【第89回】

 

東洋大学法学部教授
泉 絢也

 

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(エ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットと税務調査

より具体的に調査選定と個別の調査の場面を検討してみよう。

A 調査選定の場面

調査選定の段階において、CARFに参加しておらず、かつ本人確認手続を実施していない海外CEXは、国税庁にとって情報の把握が極めて困難な、いわば「強固なブラックボックス」である。

利用者の身元や取引内容の詳細な情報にアクセスできないため、納税者を特定したうえで調査対象とすることが難しくなる。すなわち、情報の非対称性により、調査対象のリスク評価・選定プロセス自体が著しく制約を受けることになる。

しかし、後述するブロックチェーン分析等の手法によって、これらの海外CEXを利用しており、しかも日本の居住者が管理していると推定されるウォレットアドレスを特定できる可能性はある。

このようなアドレスは、税務コンプライアンスリスクが高いと判断され、調査選定の際に注目される可能性がある。例えば、DEXで繰り返し高額の流動性供給報酬を得ているアドレスや、大口送金を継続して行っているアドレスなどは、ハイリスク対象として検出されやすい。

プライベートウォレットについても、一般に、本人確認手続を実施せずに利用することが可能である。

これを提供する事業者は中央集権的な機関に該当するとしてもRCASP(報告暗号資産サービスプロバイダ)には該当しない可能性があるため、CARF以外のルートで各国から情報が提供されない限り、国税庁がプライベートウォレットの利用者の身元に関する情報を把握することは難しい。

つまり、プライベートウォレットの提供事業者が、顧客の情報を収集・管理する義務を負わない立場にある場合、当局はその背後にいる個人の身元や取引状況を把握することが困難となる。

さらに、複数の取引候補の中から条件が合致する者を選び、様々な種類の暗号資産の売買ができるピアツーピア取引所(BybitなどのCEXがサービスを提供するものや、BisqなどDEXと称して運営されているものがある)(※)においては、利用者同士が直接メッセージをやりとりし、暗号資産、銀行振込、Amazonギフト、PayPay、LINE Pay、Wiseなど多様な決済手段を使って暗号資産取引をすることも可能である。

(※) ピアツーピア取引所では、売り注文と買い注文をペアにしてプラットフォームの資産を管理するオーダーブックを使用せず、資金の保管や取引の処理に仲介業者を挟むことなく利用者同士で直接取引ができるし、利用可能な決済手段も多様であるが、メッセージのやりとりなど取引完了までに多少の手間や時間がかかる(Bybit「安い手数料と高い安全性を提供するP2P暗号資産取引所15選」(2022.2.5))。

この場合も利用者の身元や取引内容に関する情報を把握することが難しい。

加えて、DEXも、そのトランザクションデータはブロックチェーン上に記録され、公開され、外部から閲覧可能であるが、DEXは利用者の身元に関する情報を収集していないし、ブロックチェーンにもそのような情報は記録されていない。

このため、DEXを利用するプライベートウォレットのアドレスの管理者を特定することはできないし、日本の居住者によって管理されているものであるかも判断できない。

利用者からそのような情報を得ることができる中央集権的な機関も介在しておらず、他に身元を照会できる「者」は存在しない。

もっとも、DEXのトランザクションのデータは容易に把握できるため、例えば、DEXで多額の報酬を得ているプライベートウォレットに係るアドレスを検出・特定し、税務コンプライアンスリスクの高い者であるとして調査選定に活用することは考えられる。

B 個別の調査の場面

一方、個別(特定)の調査の場面では、国税調査官が調査中の納税者(当然ながら身元は把握済み)の保有する海外CEXの口座やプライベートウォレットを把握したいと考えても、事実上照会する手立てがなく、把握することができないといったケースが想定される。

暗号資産の譲渡原価は平均法で算出することが原則となっている(所法48の2、所令119の2)。

このため、CEXの口座やプライベートウォレットが1つでも抜けていると、その口座やウォレットに係る損益を税額計算に反映できないだけでなく、他の口座やウォレットで行った暗号資産取引に係る税額計算全体に広範な影響を与える可能性がある。

これは調査選定の場面だけでなく、個別の調査の場面においても重大な問題である。

個別の調査の場面においては、調査官が納税者のパソコンやスマートフォン等のデバイスの中を確認し、利用している海外CEX、DEX、ウォレット、これらにおける取引履歴等を確認するという従来の調査手法である現物確認調査(ブロックチェーン外で実施されるという意味ではオフチェーン調査)を利用することが一定程度有効である。

しかしながら、暗号資産の分野ではこの方法の有効性には限界がある。

例えば、ウォレットに関連づけられた秘密鍵は暗号化されてデバイスのローカルストレージ内に保存されることが多い。このような場合に、ブラウザやアプリの起動、トランザクションの送信、残高の確認などの操作画面や操作方法を他人に見せるだけでは、秘密鍵が直接的に表示されることはない。

ただし、操作ミス等により、シークレットリカバリーフレーズ(シードフレーズ、ニーモニックフレーズ)や秘密鍵を表示する操作を行ってしまうリスクはゼロではない。

これらの情報が漏洩すれば、そのウォレットに紐づけられている暗号資産が第三者によって抜き取られる可能性が出てくる。

▷シークレットリカバリーフレーズ(シードフレーズ、ニーモニックフレーズ)

通常、ウォレットの使用開始時に示される複数のランダムな単語とその順序で構成される単語リストのこと。

ウォレットのログインパスワードとは異なるものであるが、ウォレットに紐づいている暗号資産にアクセスするために重要なものである。

ウォレットの復元(リカバリー)のために用いられる。例えば、ウォレットのログインパスワードを忘れた場合のほか、複数のデバイスでウォレットを利用するために、あるいはデバイスの紛失又はパソコンやスマホの買換えのために、新しいデバイスにウォレットを復元する場合に使用する。

このため、プライベートウォレットを利用している人の中には、秘密鍵を管理しているウォレットの画面や管理状況等を他人に見せることに抵抗を感じる人が少なくないと考える。

よって、納税者が自らの端末内のウォレット情報の開示に消極的な態度をとるのは自然なことであり、とりわけ多額の資産を管理している場合には、拒否の姿勢はより顕著であると考えられる。

このような事情から、調査官がデバイスの中の確認を求めた場合、これを拒否する納税者がいても不思議ではない。そのような場合に、直ちに検査忌避(通法128二)に当たると断ずることはできない。

また、そもそも、ウォレットの利用状況を確認するために納税者のデバイスを直接確認することに躊躇する調査官もいるであろう。

調査官が納税者にウォレットの画面操作を依頼して確認を行った数日後に、当該ウォレットに紐づく暗号資産が窃取された場合、その調査官に対して疑いの目が向けられる可能性があるからである。

C まとめ

以上を整理すると、質問検査権による調査、特定事業者等の報告の求め、CARFはいずれも課税当局への情報提供等に係る義務を課しうる国・地域内に当該義務を負担すべき者が存在する場合にのみ有効に機能するものである。

また、CARFのRCASPには、単に、暗号資産の保管や移転に係るサービスを提供するような純粋なウォレット提供事業者等は含まれない。

このため、海外CEX、特にCARFに参加していない国に所在するCEX、DEX、プライベートウォレットを利用して、匿名性を保ちながら、グローバルに暗号資産の取引・運用をしている納税者の情報を国税庁が把握することは難しく、上記で示したような調査選定及び個別の調査の場面における問題が起こりうる。

特定取引等の報告の求めやCARFを通じて、国税庁が利用者の身元を把握できるわけではないし、特定の納税者が利用している海外CEX、DEX、プライベートウォレットを把握することも困難である。

よって、納税者がCEXの口座やプライベートウォレットの情報を国税庁に提出することを義務付ける又は納税者に提出を促すような制度を検討すべきである。

さらに、国税庁としても、情報ハブとなる外部の中央集権的機関に依存するだけではなく、ブロックチェーン分析会社等の外部調査機関と連携を強化し、独自の分析手法や調査技術を継続的に開発していくことが不可欠である。

 

〔凡例〕
決済・・・資金決済に関する法律
通貨・・・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
日銀法・・・日本銀行法
信託・・・信託法
所法・・・所得税法
所令・・・所得税法施行令
所基通・・・所得税基本通達
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
消法・・・消費税法
措法・・・租税特別措置法
相基通・・・相続税法基本通達
投信法・・・投資信託及び投資法人に関する法律
投信法令・・・投資信託及び投資法人に関する法律施行令
信託業・・・信託業法
金商・・・金融商品取引法
会社・・・会社法
実特法・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律
実特令・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律施行令
実特規・・・租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令
社債等振替・・・社債、株式等の振替に関する法律
国外送金等調書法・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
国外送金等調書令・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令
国外送金等調書規則・・・内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則
国税庁FAQ・・・暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月26日改訂)
(例)所法9①九・・・所得税法9条1項9号

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

暗号資産(トークン)・NFT をめぐる税務

【特別編:第1回】 ★無料公開中★

「暗号資産の分離課税の全体像」-令和8年度税制改正-

1 特別編を設ける理由

2 改正に至る経緯 ―「金商法への移管」が扉を開いた

3 改正の全体マップ

4 3つの柱

5 いつから適用されるのか

【特別編:第2回】

「分離課税ルート ― 適用要件と計算」

1 4つの関門

2 何が「特定暗号資産」か

3 「譲渡」であること

4 経路が課税方式を決める

5 税額はどう計算されるか

6 「箱」の中では通算でき、外へは出せない

7 3年間の繰越控除と連年申告

8 源泉徴収も申告不要制度もない

【特別編:第3回】

「総合課税ルートと経路選択」

1 総合課税ルートは消えない

2 総合課税側でも所得税法本法が改正された

3 経路選択という新しい論点

4 経路選択にあたっての留意点

5 消費税でも位置付けが変わる

6 令和8年度税制改正を振り返って

*  *  *

【第1回】 ★無料公開中★

〔連載に当たって〕

【第2回】

第1章 暗号資産の税務と課税問題

第1節 暗号資産とは

1 暗号資産の定義

2 通貨該当性・強制通用力の有無

【第3回】

3 暗号資産の私法上の性質・位置付け

(1) 総論

(2) 各論

《更なる考察》 「占有=所有」構成

《更なる考察》 私法の議論から得られる示唆

【第4回】

第2節 所得税における暗号資産の税務と課税問題

1 所得税法の暗号資産関連規定

(1) 暗号資産の定義

【第5回】

(2) 暗号資産の贈与・低額譲渡に関する規定

【第6回】

(3) 暗号資産を譲渡した場合の計算に関する規定

ア 棚卸資産と売上原価の計算

イ 暗号資産の譲渡原価の計算

ウ 暗号資産の取得価額

【第7回】

エ 年末時点での1単位当たりの取得価額

(ア) 総平均法と移動平均法

(イ) 評価方法の選定・変更等

【第8回】

(ウ) 相続等により取得した暗号資産の取得価額

【第9回】

(エ) 暗号資産の取得価額がわからない場合と5%通達の問題

NFTに関する税務上の取扱いに係るFAQ詳解

【第10回】

◆本連載の今後の進め方について◆

問1 NFTを組成して第三者に譲渡した場合(一次流通)

1 所得の定義

2 「デジタルアートの閲覧に関する権利」が前提とされたことに伴うリスク

3 NFT取引の着眼点とNFTに係る権利の設定という構成

4 一次流通の場合の所得区分

5 法人税の取扱い

【第11回】

問2 NFTを組成して知人に贈与した場合(一次流通)

1 贈与した個人の取扱い

2 贈与した法人の取扱い

問3 非居住者がNFTを組成して、日本のマーケットプレイスで譲渡した場合(一次流通)

【第12回】

問4 購入したNFTを第三者に転売した場合(二次流通)

1 二次流通の場合の所得区分

2 譲渡所得金額の計算

3 「デジタルアートの閲覧に関する権利」という前提

4 法人税の取扱い

【第13回】

問5 第三者の不正アクセスにより購入したNFTが消失した場合

問6 役務提供の対価として取引先が発行するトークンを取得した場合

【第14回】

問7 商品の購入の際に購入先が発行するトークンを取得した場合

【第15回】

問8 ブロックチェーンゲームの報酬としてゲーム内通貨を取得した場合

【第16回】

問9 NFTを贈与又は相続により取得した場合

【第17回】

問10 NFT取引に係る源泉所得税の取扱い

【第18回】

問11 NFT取引に係る消費税の取扱い①(デジタルアートの制作者)

【第19回】

問12 NFT取引に係る消費税の取扱い②(デジタルアートに係るNFTの転売者)

【第20回】

問13 財産債務調書への記載の要否

問14 財産債務調書へのNFTの価額の記載方法

問15 国外財産調書への記載の要否

【第21回】

2 暗号資産取引と所得区分(所得の種類)

(1) 暗号資産取引と所得区分の概要

【第22回】

(2) 譲渡所得該当性を否定する国税庁の根拠

【第23回】

(3) 国会における議論①:譲渡所得該当性を否定する根拠

【第24回】

(4) 国会における議論②:資産ではあるが、譲渡所得の基因となる資産ではない?

【第25回】

(5) 国会における議論③:譲渡所得を肯定する学説と外貨の取扱い

【第26回】

(6) 国税庁の見解に対する疑問

ア 「①清算課税説」

【第27回】

イ 「②支払手段性」

【第28回】

ウ 「③暗号資産の譲渡益の性質」と「④結論」

【第29回】

《更なる考察》邦貨と外貨の交換(両替)と所得税法33条の「譲渡」

【第30回】

3 所得税における暗号資産の信用取引

【第31回】

4 その他雑所得と必要経費

(1) 必要経費の問題

【第32回】

(2) 業務に係る雑所得とその他雑所得の区分とその判断基準

【第33回】

5 マイニング所得と雑所得

(1) マイニングとは

(2) 事案の概要

(3) 基礎事実(請求人による仮想通貨のマイニングについて)

(4) 当事者の主張と争点

(5) 審判所の判断

ア 審判所の判断枠組み

イ 結論と理由

【第34回】

6 異なる種類の暗号資産同士の交換は課税イベントか

【第35回】

7 暗号資産同士の交換時に課税しないという改正要望

【第36回】

8 暗号資産の所得は誰に帰属するか

【第37回】

9 暗号資産の節税コンサルティングの被害と損害賠償

(1) 事案の概要

(2) 事実関係

(3) 裁判所の判断

(4) 類似事案における重加算税の賦課

【第38回】

10 暗号資産に係る所得を分離課税にしてほしいという改正要望

【第39回】

11 詐欺・盗難等による暗号資産の損失①(譲渡原価等と現金類似の取扱い)

【第40回】

12 詐欺・盗難等による暗号資産の損失②(雑所得の基因となる資産の損失)

【第41回】

13 詐欺・盗難等による暗号資産の損失③(雑損控除)

【第42回】

14 秘密鍵を紛失した場合

【第43回】

15 暗号資産交換業者から暗号資産に代えて金銭の補償を受けた場合

(1) 国税庁の見解

(2) 損害賠償金の課税関係

【第44回】

(3) 補償金の非課税所得該当性

(4) タックスアンサーの回答の検討

【第45回】

16 暗号資産の損失と立証責任

(1) 事案の概要

(2) 基礎事実

(3) 争点

(4) 争点についての当事者の主張

【第46回】

(5) 審判所の判断

(6) コメント

【第47回】

17 ビットコインETFと分離課税(その1):概要

(1) SECによるビットコインETFの承認

(2) ETFとは

(3) ビットコインETFの特徴

【第48回】

18 ビットコインETFと分離課税(その2):問題意識①

【第49回】

19 ビットコインETFと分離課税(その3):問題意識②

【第50回】

20 ビットコインETFと分離課税(その4):本信託の概要

(1) 本信託と本件持分

(2) 本信託の設立

(3) 本信託の投資目的等

(4) 本信託とビットコイン等

(5) その他

【第51回】

21 ビットコインETFと分離課税(その5):本信託のスキーム図と主な関係者

(1) スキーム図

(2) 主な関係者

ア スポンサー(Sponsor)

イ 受託者(Trustee)

ウ 管理者(Administrator)

エ 名義書換代理人(Transfer Agent)

オ ビットコインカストディアン(Bitcoin Custodian)

カ キャッシュカストディアン(Cash Custodian)

キ 指定参加者(Authorized Participant)

ク 持分所有者(Shareholder)

ケ その他の関係者

【第52回】

22 ビットコインETFと分離課税(その6):本信託の仕組み

(1) 設定と償還(指定参加者による買注文と売注文)

ア バスケット単位による設定と償還

イ 発行プロセス

ウ 償還プロセス

(2) 資金の使途

(3) ハードフォークによって生ずる付随的権利等の取扱い

(4) 持分所有者に対する分配

(5) 本信託の終了

【第53回】

(6) 受益権と本件持分

ア 概要

イ 本件持分の発行方式等

ウ 本件持分の譲渡方式等

(7) 米国連邦所得税の課税関係

ア スポンサーの意図

イ 信託課税

ウ 米国持分所有者に対する課税

(8) 非米国持分所有者への課税

(9) 米国における情報申告とバックアップ源泉徴収

【第54回】

23 ビットコインETFと分離課税(その7):本件分離課税特例「株式等」及び「上場株式等」

(1) 本件分離課税特例における「株式等」及び「上場株式等」の意義

(2) 「投資信託の受益権」該当性

ア 特定資産の意義と「投信法上の投資信託」該当性①

【第55回】

イ 特定資産の意義と「投信法上の投資信託」該当性②

ウ 「外国投資信託」該当性

【第56回】

エ 外国信託が投信法上の投資信託に類するものといえるかどうかは種々の事情を総合勘案すべきという見解

(3) 「特定受益証券発行信託の受益権」該当性

【第57回】

(4) 「法人課税信託」該当性

ア 「受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託」該当性

(ア) 受益権を表示する「紙片」を発行する旨の定めがない信託は含まれないとする見解

【第58回】

(イ) 特定受益証券発行信託とそれ以外の受益証券発行信託で異なる課税方式を採用した趣旨

【第59回】

イ 紙片を発行せずに振替式を利用する定めのある外国信託も含まれるとする見解①(規定の趣旨との関係)

【第60回】

ウ 紙片を発行せずに振替式を利用する定めのある外国信託も含まれるとする見解②(社債等振替法に係る振替受益権との関係)

(ア) 信託法と社債等振替法

(イ) 法人税法

【第61回】

エ 「集団投資信託」該当性

(ア) 合同運用信託と紙片を発行する旨の定めがない外国投資信託

(イ) 「信託会社」該当性

【第62回】

(ウ) 「金銭信託で、共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するもの」及び「信託」等該当性

オ 「信託」該当性

カ 本信託の法人課税信託該当性とその効果

(5) 「株式等で金融商品取引所に上場されているものに類するもの」

(6) 本件分離課税特例(分離課税)の適用の可否

【第63回】

24 ビットコインETFと分離課税(その8):まとめ

【第64回】

25 ビットコインETFと分離課税(その9):国税庁の回答

【第65回】

26 DeFi取引と課税①:DeFiとDEX

(1) DeFiとは

(2) スマートコントラクトとは

(3) DEXとは

【第66回】

(4) Uniswap

【第67回】

27 DeFi取引と課税②:流動性供給開始は課税イベントか

(1) 課税イベントになるという見解

(2) 課税イベントと実現

【第68回】

(3) 暗号資産(トークン)の含み損益の課税イベント

【第69回】

(4) 権利義務の帰属主体の不存在

(5) 課税イベントの候補

【第70回】

28 DeFi取引と課税③:トークンのラップは課税イベントか

(1) ラップとブリッジ

【第71回】

(2) BTCからWBTCへのラップ

(3) ラップは課税イベントか

ア 課税イベントと捉える見解

【第72回】

イ カストディアンがいるケース

ウ カストディアンがいないケース

【第73回】

29 CARF(暗号資産等報告枠組み)と日本版CARF

(1) CARF・日本版CARFの概要①

【第74回】

(2) CARF・日本版CARFの概要②

【第75回】

(3) CARF・日本版CARFの概要③

ア 暗号資産

【第76回】

イ RCASPと報告暗号資産交換業者等

【第77回】

30 暗号資産と税務調査①

(1) 問題意識と方向性

【第78回】

(2) 匿名性・分散性と税務執行上の問題

ア スーパータックスヘイブンとしての暗号資産の特徴

【第79回】

イ 暗号資産の匿名性

【第80回】

ウ 匿名性・分散性の相互関連性

【第81回】

エ 匿名性がもたらす税務執行上の問題

【第82回】

オ 暗号資産の分散性

【第83回】

カ 分散性がもたらす税務執行上の問題

【第84回】

キ CARFの限界

【第85回】

ク CARFとプライベートウォレットアドレスの情報

【第86回】

ケ 日本における状況と国税庁が直面する問題

(ア) 暗号資産利用者の増加への対応

【第87回】

(イ) 税務調査による税務コンプライアンスの確保とCEXへの着目

【第88回】

(ウ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットの利用がもたらす問題

【第89回】

(エ) 海外CEX、DEX、プライベートウォレットと税務調査

【第90回】

31 暗号資産と税務調査②:ブロックチェーン分析

(1) ブロックチェーン分析とは何か

ア ブロックチェーン分析とは

イ パブリックブロックチェーンの「公開性」と「仮名性」

【第91回】

ウ オンランプ・オフランプという現実世界との接点

【第92回】

(2) ブロックチェーン分析の税務調査利用

ア ブロックチェーン分析による追跡・調査選定

【第93回】

イ 実際のブロックチェーン分析ツール

【第94回】

ウ ブロックチェーン分析を用いた暗号資産脱税事件(米国の事例)

(ア) 事案の概要

(イ) ブロックチェーン分析の関与

(ウ) 捜査・立証活動

(エ) 公開情報と情報分析・変換能力

(オ) 総括

【第95回】

エ ブロックチェーン分析を利用した大規模選定

(ア) ブロックチェーン分析の選定利用

(イ) データソリューションズ × リアクターによる効率的大規模選定

【第96回】

(3) 期待と限界

ア ブロックチェーン分析の有効性:期待と限界

イ 国税庁がとるべき対応策

ウ まとめ

【第97回】

32 暗号資産と税務調査③:損益計算の困難性と税務執行上の問題

(1) 暗号資産の損益計算の手順と重要性

ア 概要

イ 損益計算の基本的手順

(2) 暗号資産の損益計算に必要な知識やスキル

【第98回】

(3) 暗号資産の損益計算の困難性

ア 概要

イ 各段階で生じる問題

① 取引所やブロックチェーンからデータを取得等

【第99回】

② データを損益計算ソフトに取込み

③ 確認を要する取引や年末数量不一致の問題を解消

【第100回】  

④ 取引金額・損益計上の有無・タイミング等を判断し、損益を確定

(ア) ブロックチェーンの記録からわかること・わからないこと

(イ) トランザクション別取引タイプと問題点・注意点

(ウ) その他損益計算時の問題点・注意点

【第101回】  10/29公開予定

(4) 問題への対処方法とその困難性

ア 対処方法

【第102回】  11/12公開予定

イ 納税者が直面するギャップ

【第103回】  11/26公開予定

ウ ブロックチェーンエクスプローラーの不完全性

【第104回】  12/10公開予定

エ 国税庁が直面する問題

オ 国税庁がとるべき対応策

【第105回】  12/24公開予定

33 暗号資産と税務調査④:まとめ

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

泉 絢也

(いずみ・じゅんや)

東洋大学法学部教授
博士(会計学)

2023年3月末まで千葉商科大学商経学部准教授、2023年4月から2025年3月末まで東洋大学法学部准教授の後、2025年4月より東洋大学法学部教授。中央大学ビジネススクール非常勤講師。
(一社)アコード租税総合研究所研究顧問。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。博士(会計学・中央大学)。
Twitter:@taxlaw17
ブログ:https://note.com/cryptotax/

【著書】
・泉絢也『暗号資産の税金はこう変わる-分離課税の仕組みと実務』(清文社2026)(単著)
・泉絢也『逐条解説 法人税法第22条の2 収益認識会計基準に対応する法令・通達の論点整理』(清文社2023)(単著)
・泉絢也=藤本剛平『事例でわかる! NFT・暗号資産の税務』(中央経済社2022)(共著)
・泉絢也『パブリックコメントと租税法』(日本評論社2020)(単著)
・酒井克彦編『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(ぎょうせい2019)(共著)
・松嶋 隆弘=渡邊涼介編著『仮想通貨はこう変わる!!暗号資産の法律・税務・会計』(ぎょうせい2019)(共著)

【論文】
・「仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の譲渡による所得の譲渡所得該当性-アメリカ連邦所得税におけるキャピタルゲイン及び為替差損益の取扱いを手掛かりとして-」税法学581号3頁以下
・「NFT(ノンファンジブルトークン)の譲渡による所得は 譲渡所得か?もしそうであれば非課税所得か?」千葉商大論叢59巻3号143頁など
・「法人税法における暗号資産税制の問題点(1)・(2完)-期末時価評価課税の改正提言-」千葉商大論叢60巻1号73頁、千葉商大紀要60巻1号61頁
など多数

 

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