「税理士損害賠償請求」
頻出事例に見る
原因・予防策のポイント
【事例159(相続税)】
「小規模宅地等の特例」の適用を受けて代償金額を決定するため、当初申告を未分割で行い、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出して、特例対象宅地等の分割を行ったが、分割から4月以内に更正の請求を行わなかったため、「小規模宅地等の特例」が受けられなくなってしまった事例
税理士 齋藤 和助
《事例の概要》
被相続人甲の主たる財産は、自宅土地建物とわずかな金融資産だけであり、相続人は実子3名であり、現物分割が困難であったことから、代償分割を行うことになった。
同居の相続人である長男乙が自宅土地を取得すれば、自宅土地は「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下「小規模宅地等の特例」という。)により330㎡まで80%減額の適用が受けられ、相続税は発生しない見込みであった。
そこで税理士は、相続税申告を当初未分割で行い、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、期限後に乙が自宅土地建物を相続する旨の一部分割を行って相続登記を行い、建物を解体して土地を売却し、売却代金と費用を確定させたうえで3名の取得財産が均等になるように代償金額を決定し、自宅土地に「小規模宅地等の特例」を適用して更正の請求を行い、還付を受ける手順で実行することとした。
そして、予定通りに代償金額を確定し、最終的な遺産分割協議を行い、その後に「小規模宅地等の特例」を適用した更正の請求を行ったが、所轄税務署から、宅地の分割から4月超経過しているため、相続税法の更正の請求の特則の期限を徒過しており、「小規模宅地等の特例」は適用できないとの指摘を受けた。これにより、「小規模宅地等の特例」により減額できた税額につき損害が発生し、賠償請求を受けた。
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