公開日: 2026/01/22 (掲載号:No.653)
文字サイズ

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第88回】「外国子会社配当益金不算入規定における外国子会社の判定基準(地判令3.9.28)(その1)」~法人税法23条の2第1項、法人税法施行令22条の4第1項~

筆者: 金山 知明

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第88回】

「外国子会社配当益金不算入規定における
外国子会社の判定基準(地判令3.9.28)(その1)」

~法人税法23条の2第1項、法人税法施行令22条の4第1項~

 

滋賀大学准教授・税理士 金山 知明

 

  • 大阪地裁令和3年9月28日判決(令和元年(行ウ)第68号)(TAINSコード:Z271-13608)

 

1 はじめに

平成21年度に導入された外国子会社配当益金不算入制度(法人税法23条の2第1項)は、法人課税の分野において、全世界所得課税という基本構造を維持しながら、一部に国外所得免除型のポリシーを導入するものであったといわれる。その方策は、従来の間接外国税額控除の適用基準をそのまま利用しつつ、間接外国税額控除を廃止して、対象外国会社からの配当を益金不算入とするものである。

これにより、改正による税制の混乱は最小限に抑えられたという側面がある一方(※1)、内国法人による持株割合25%以上という適用基準を満たす場合は配当益金不算入(テリトリアル型)となり、それを満たさないときは全世界所得型で課税される結果となるため(※2)、簡素ではあるが適用の可否による対照性は拡大したともいえるだろう。

(※1) 青山慶二「外国子会社配当益金不算入制度の考察」筑波ロー・ジャーナル6号(2009)105頁。

(※2) 増井良啓「外国子会社配当の益金不算入制度は何のためにあるか」村井正先生喜寿記念論文集『租税の複合法的構成』清文社(2012)214頁。

本件は、まさにその持株割合25%以上という適用基準の充足を争点とし、具体的には、外国子会社への当否の判定を単に所有株式数のみで行うか、それとも株式数だけでなく、払込金額や議決権の割合による判断も可能か否かを巡り争われた事案である。その争点自体は単純であるが、外国子会社配当益金不算入制度の適用基準に関する検討経緯や、外国子会社合算税制との関係から重要な論点を含んでいる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。

すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。

Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。

会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第88回】

「外国子会社配当益金不算入規定における
外国子会社の判定基準(地判令3.9.28)(その1)」

~法人税法23条の2第1項、法人税法施行令22条の4第1項~

 

滋賀大学准教授・税理士 金山 知明

 

  • 大阪地裁令和3年9月28日判決(令和元年(行ウ)第68号)(TAINSコード:Z271-13608)

 

1 はじめに

平成21年度に導入された外国子会社配当益金不算入制度(法人税法23条の2第1項)は、法人課税の分野において、全世界所得課税という基本構造を維持しながら、一部に国外所得免除型のポリシーを導入するものであったといわれる。その方策は、従来の間接外国税額控除の適用基準をそのまま利用しつつ、間接外国税額控除を廃止して、対象外国会社からの配当を益金不算入とするものである。

これにより、改正による税制の混乱は最小限に抑えられたという側面がある一方(※1)、内国法人による持株割合25%以上という適用基準を満たす場合は配当益金不算入(テリトリアル型)となり、それを満たさないときは全世界所得型で課税される結果となるため(※2)、簡素ではあるが適用の可否による対照性は拡大したともいえるだろう。

(※1) 青山慶二「外国子会社配当益金不算入制度の考察」筑波ロー・ジャーナル6号(2009)105頁。

(※2) 増井良啓「外国子会社配当の益金不算入制度は何のためにあるか」村井正先生喜寿記念論文集『租税の複合法的構成』清文社(2012)214頁。

本件は、まさにその持株割合25%以上という適用基準の充足を争点とし、具体的には、外国子会社への当否の判定を単に所有株式数のみで行うか、それとも株式数だけでなく、払込金額や議決権の割合による判断も可能か否かを巡り争われた事案である。その争点自体は単純であるが、外国子会社配当益金不算入制度の適用基準に関する検討経緯や、外国子会社合算税制との関係から重要な論点を含んでいる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。

すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。

Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。

会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。

連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷外国子会社配当益金不算入規定における外国子会社の判定基準(地判令3.9.28)〔金山知明〕

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

金山 知明

(かなやま・ともあき)

滋賀大学経済学部准教授・税理士・米国公認会計士

1997年 神戸市外国語大学外国語学部卒業
2007年 税理士登録
2014年 米国公認会計士登録
2016年 英国グラスゴー大学ビジネススクールMBA課程修了
2021年 広島大学社会科学研究科博士課程(マネジメント)修了
2022年 神戸国際大学経済学部准教授
2024年 滋賀大学経済学部准教授

税理士登録後、島根県の事務所で税理士業務を行っていましたが2015年~2016年のスコットランド留学中に研究の道を志し、帰国後博士課程に進みました。現在は大学教員としての職務がメインですが、実務家の視点を失うことなく研究を続けていきたいと考えています。

新着情報

もっと見る

記事検索

#