公開日: 2023/07/20 (掲載号:No.528)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第20回】「今治造船移転価格事件(地判平16.4.14、高判平18.10.13、最判平19.4.10)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、2項~

筆者: 水野 正夫

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第20回】

「今治造船移転価格事件
(地判平16.4.14、高判平18.10.13、最判平19.4.10)(その1)」

~租税特別措置法66条の4第1項、2項~

 

税理士 水野 正夫

  • 松山地裁:平成16年4月14日判決【訴月51巻9号2395頁】(TAINSコード:Z254-9626)
  • 高松高裁:平成18年10月13日判決【訴月54巻4号875頁】(TAINSコード:Z256-10528)
  • 最高裁:平成19年4月10日【LEX/DB25463328】(TAINSコード:Z257-10683)

 

1 はじめに

本件は、被控訴人(課税庁)が、わが国に所在する船舶の製造及び修繕を業とする控訴人(納税者)のパナマ共和国所在の国外関連者との船舶建造請負取引について、いわゆる移転価格税制を適用し、平成4年3月期及び平成6年3月期の法人税等について更正処分等を行ったところ、控訴人がこれらの処分に違法があると主張して、その取消しを求めた事案である(※1)

(※1) 本判決の評釈として、太田洋・北村導人「今治造船事件高松高裁判決」『移転価格税制のフロンティア』有斐閣(2011年)102頁、及び本論文に掲げられている文献を参照。

本事案を検討するにあたり、地裁判決、高裁判決で納税者が敗訴し、最高裁は納税者による上告を棄却、上告受理申立てを不受理としたことから、本稿では高松高裁判決(以下、「本判決」という)を検討することにする。

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図解で読み解く国際租税判例

【第20回】

「今治造船移転価格事件
(地判平16.4.14、高判平18.10.13、最判平19.4.10)(その1)」

~租税特別措置法66条の4第1項、2項~

 

税理士 水野 正夫

  • 松山地裁:平成16年4月14日判決【訴月51巻9号2395頁】(TAINSコード:Z254-9626)
  • 高松高裁:平成18年10月13日判決【訴月54巻4号875頁】(TAINSコード:Z256-10528)
  • 最高裁:平成19年4月10日【LEX/DB25463328】(TAINSコード:Z257-10683)

 

1 はじめに

本件は、被控訴人(課税庁)が、わが国に所在する船舶の製造及び修繕を業とする控訴人(納税者)のパナマ共和国所在の国外関連者との船舶建造請負取引について、いわゆる移転価格税制を適用し、平成4年3月期及び平成6年3月期の法人税等について更正処分等を行ったところ、控訴人がこれらの処分に違法があると主張して、その取消しを求めた事案である(※1)

(※1) 本判決の評釈として、太田洋・北村導人「今治造船事件高松高裁判決」『移転価格税制のフロンティア』有斐閣(2011年)102頁、及び本論文に掲げられている文献を参照。

本事案を検討するにあたり、地裁判決、高裁判決で納税者が敗訴し、最高裁は納税者による上告を棄却、上告受理申立てを不受理としたことから、本稿では高松高裁判決(以下、「本判決」という)を検討することにする。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷ファイナイト再保険事件(地判平20.11.27、高判平22.5.27)〔西川浩史〕

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

水野 正夫

(みずの・まさお)

KPMG税理士法人パートナー・京都事務所長・税理士・法学博士(大阪大学)。
京都府出身。1974年生まれ。

1999年 関西大学法学研究科博士前期課程修了、アーサーアンダーセン税務事務所入所
2004年 KPMG税理士法人入所
2007年~2009年 KPMG米国事務所出向
2010年 KPMG税理士法人パートナー
2022年 大阪大学法学研究科博士後期課程修了

1997年に関西大学法学研究科に入学し、塾頭の村井正先生の下で国際租税法を学びました。当時から村井先生は関西に国際税務の実務家が少ないと仰っており、それがきっかけで大学院修了後、1999年から一貫して関西にて国際税務の実務を担当しております。大阪大学では谷口勢津夫教授に師事しました。理論と実務の架け橋になるような研究に取り組んでいきたいと思っています。

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