〈小説〉
『所得課税第三部門にて。』
【第74話】
「必要経費(交際費)の判断基準」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
税務調査から帰ってきた浅田調査官は、中尾統括官のデスクに直行する。
カバンを持ったまま立っている浅田調査官は、稟議書を熱心に読んでいる中尾統括官に声をかける。
「・・・調査から帰ってきたのですが・・・」
中尾統括官は、驚いたように顔を上げる。
「・・・ああ、ご苦労さん・・・」
再び、稟議書を読もうとする中尾統括官に、浅田調査官は、もう一度、声をかける。
「・・・ちょっと・・・質問があるのですが・・・」
怪訝そうな顔をした中尾統括官は、浅田調査官を見る。
「・・・なんだい?」
浅田調査官は、持っていたカバンを中尾統括官のデスクの上に置いて、話し始める。
「・・・今日、調査に行った弁護士事務所のことなんですが・・・帳簿上、交際費として支出されている金額が多く、その中に、必要経費とされない『家事関連費』のようなものが含まれていました・・・」
浅田調査官は、カバンから一覧表のコピーを取り出し、「これが3年間の交際費の一覧表です」と言って、中尾統括官に見せる。
「・・・ほう・・・毎年900万円くらいの交際費を支出しているのか・・・」
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