公開日: 2024/06/20 (掲載号:No.574)
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相続税の実務問答 【第96回】「相続時精算課税選択届出書の提出(贈与税の申告義務がない場合)」

筆者: 梶野 研二

相続税実務問答

【第96回】

「相続時精算課税選択届出書の提出(贈与税の申告義務がない場合)」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

私は、毎年、6月の誕生日に父から100万円の現金の贈与を受けており、今年も6月に父から100万円の贈与を受けました。

父からの贈与金額はいわゆる暦年課税の基礎控除額である110万円以下なので、これまで贈与税の申告はしていません。相続時精算課税を選択すると、父から贈与により取得した財産の価額は、その贈与が何年前のものであったとしても、父に相続が開始した際に、相続税の課税価格に加算しなければならないとのことでしたので、これまで相続時精算課税の選択をしませんでした。

令和6年からは、相続時精算課税にも110万円の基礎控除を適用することができることとなり、しかも、贈与者に相続が開始した場合にも基礎控除額までの金額については、相続税の課税価格に加算する必要がなくなったと聞きました。

令和6年中に他に財産の贈与を受ける見込みはないので、将来の相続税をも考慮し、相続時精算課税を選択したいと思っています。相続時精算課税に係る基礎控除額110万円を適用すれば、贈与税は発生しませんので、昨年までと同様に贈与税の申告をする必要はないということでしょうか。その場合、どのような手続きを行えばよいのでしょうか。

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相続税実務問答

【第96回】

「相続時精算課税選択届出書の提出(贈与税の申告義務がない場合)」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

私は、毎年、6月の誕生日に父から100万円の現金の贈与を受けており、今年も6月に父から100万円の贈与を受けました。

父からの贈与金額はいわゆる暦年課税の基礎控除額である110万円以下なので、これまで贈与税の申告はしていません。相続時精算課税を選択すると、父から贈与により取得した財産の価額は、その贈与が何年前のものであったとしても、父に相続が開始した際に、相続税の課税価格に加算しなければならないとのことでしたので、これまで相続時精算課税の選択をしませんでした。

令和6年からは、相続時精算課税にも110万円の基礎控除を適用することができることとなり、しかも、贈与者に相続が開始した場合にも基礎控除額までの金額については、相続税の課税価格に加算する必要がなくなったと聞きました。

令和6年中に他に財産の贈与を受ける見込みはないので、将来の相続税をも考慮し、相続時精算課税を選択したいと思っています。相続時精算課税に係る基礎控除額110万円を適用すれば、贈与税は発生しませんので、昨年までと同様に贈与税の申告をする必要はないということでしょうか。その場合、どのような手続きを行えばよいのでしょうか。

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連載目次

相続税の実務問答

第1回~第90回

筆者紹介

梶野 研二

(かじの・けんじ)

税理士

国税庁課税部資産評価企画官付企画専門官、同資産課税課課長補佐、東京地方裁判所裁判所調査官、国税不服審判所本部国税審判官、東京国税局課税第一部資産評価官、玉川税務署長、国税庁課税部財産評価手法研究官を経て、平成25年6月税理士登録。
現在、相続税を中心に税理士業務を行っている。

【主な著書】
・『プロフェッショナル 相続税・贈与税・財産評価の実務』(清文社)
・『ケース別 相続土地の評価減』(新日本法規)
・『判例・裁決例にみる 非公開株式評価の実務』(共著 新日本法規出版)
・『株式・公社債評価の実務(平成23年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『土地評価の実務(平成22年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『贈与税の申告の実務-相続時精算課税を中心として』(編著 大蔵財務協会)
・『農地の相続税・贈与税』(編著 大蔵財務協会)
・『新版 公益法人の税務』(共著 財団法人公益法人協会)

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