〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例

【第104回】
「IHI事件
-取引単位営業利益法(TNMM)に準ずる方法と同等の方法による課税処分が取り消された事例-
(地判令5.12.7、高判令6.12.11)(その1)」
~租税特別措置法66条の4第1項等~
税理士 中野 洋
- 東京地裁:令和5年12月7日判決(TAINSコード:Z273-13910)
- 東京高裁:令和6年12月11日判決(TAINSコード:Z273-202314)
1 制度の概要
(1) 申告調整型
租税特別措置法(以下「措置法」)66条の4第1項では、国外関連取引により法人の所得が国外に移転しているとき、その取引は独立企業間価格(以下「ALP」)で行われたものとみなすとしている。つまり、法人は、国外関連取引について、ALPにより行われたものとして所得を計算しなければならず、先ずは法人の判断により、申告調整を行うべき規定である。また、わが国の移転価格税制のモデルとなった米国の内国歳入法(IRC)482条は、課税庁の権限において、国内外を通じて、関連者間の所得を配分する規定である。したがって、わが国の移転価格税制は「支払いを受ける対価の額がALPに満たないとき」及び「支払う対価の額がALPを超えるとき」のみを課税対象とすべきこととなる。
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