〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例

【第106回】
「上村工業第二事件
-原価基準法の適用が否認され、残余利益分割法が適用された事例-
(地判令2.2.28)(その1)」
~租税特別措置法66条の4第2項1号ハほか~
税理士・特定社会保険労務士
森田 國弘
【判決】
- 東京地裁令和2年2月28日判決、TAINSコード:Z270-13386
[1] はじめに
1 第一事件(※)と第二事件の関連
第一事件は、調査対象年はH12年からH16年までの5年間で、H18年3月に更正処分が行われた。対象はTUC社(台湾)とUMM社(マレーシア)、UIS社(シンガポール)であった。
更正処分のあと、原告(以下Xという)は、H18年5月に異議申立てをしたが、UMM社との取引についてマレーシアとH18年8月に相互協議を行うこととなり、これが長引いて合意となったのがH22年1月で4年の年月を経た。
これが決着してやっと異議申立てが動き始め、審議ののち却下されたのが、同年H22年12月であった。その後、H23年1月に不服審判審査請求がなされ、H24年11月にこれも却下となった。
これらの経緯を経て、XはH25年5月に東京地裁へ提訴した。更正処分後ここまで7年かかった。
第一事件調査開始年後7年経過して2回目の調査が行われた。これが第二事件で、対象はH19年3月からH23年3月の5年分でH25年6月に更正処分が行われた。第一事件の処分について、東京地裁へ提訴した年であった。
(※) 第一事件については、拙稿 森田國弘「上村工業第一事件(その1)(その2)」Professional Journal No.536(令和5年9月21日)、No.537(令和5年9月28日)を参考とする。
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