〈小説〉
『所得課税第三部門にて。』
【第5話】
「重加算税の適用」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
「中尾統括官!」
浅田調査官が声をかける。
せわしなく机の書類を整理していた中尾統括官は、顔を上げる。
「・・・なに?」
浅田調査官は、平成28年分の確定申告書を差し出す。
「税理士署名欄に市役所の人の名前が書いてあるのですが・・・これって、この人が確定申告書を作成した・・・ということですか?」
浅田調査官が尋ねる。
中尾統括官は、差し出された確定申告書を見ながら、頷く。
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