公開日: 2023/01/19 (掲載号:No.503)
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相続税の実務問答 【第79回】「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と更正の請求」

筆者: 梶野 研二

相続税実務問答

【第79回】

「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と更正の請求」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

私の父が昨年1月に亡くなりました。相続人は、母、長女である私と妹の3人です。9月には遺産分割が調い、10月に3人で共同して相続税の申告をしました。

相続税の申告書の概要は次のとおりです。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

各相続人の相続税額は、相続税の総額に、課税価格の合計額に各相続人の課税価格の占める割合(以下「あん分割合」といいます)を乗じて算出しますが、私たちの申告における「あん分割合」については、小数点以下2位未満の端数について、表の④欄のとおり、私の割合を切り上げ、母の割合を切り捨てる調整をしました。

しかし、小数点以下2位未満の端数の調整をしないで、各相続人の税額を算出すると、次のとおり母の算出税額は申告額よりも増えますが、配偶者の税額軽減額も増えることから母の納付税額は算出されず、一方、私の納付税額が減少し、その結果、私たち3人の納付する相続税額の合計額は、申告額よりも減少することが分かりました。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

端数調整をしないで求めた「あん分割合」を適用することにより、私の相続税額が減少することとなることから、更正の請求をしようと思います。このような更正の請求は認められるでしょうか。

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相続税実務問答

【第79回】

「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と更正の請求」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

私の父が昨年1月に亡くなりました。相続人は、母、長女である私と妹の3人です。9月には遺産分割が調い、10月に3人で共同して相続税の申告をしました。

相続税の申告書の概要は次のとおりです。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

各相続人の相続税額は、相続税の総額に、課税価格の合計額に各相続人の課税価格の占める割合(以下「あん分割合」といいます)を乗じて算出しますが、私たちの申告における「あん分割合」については、小数点以下2位未満の端数について、表の④欄のとおり、私の割合を切り上げ、母の割合を切り捨てる調整をしました。

しかし、小数点以下2位未満の端数の調整をしないで、各相続人の税額を算出すると、次のとおり母の算出税額は申告額よりも増えますが、配偶者の税額軽減額も増えることから母の納付税額は算出されず、一方、私の納付税額が減少し、その結果、私たち3人の納付する相続税額の合計額は、申告額よりも減少することが分かりました。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

端数調整をしないで求めた「あん分割合」を適用することにより、私の相続税額が減少することとなることから、更正の請求をしようと思います。このような更正の請求は認められるでしょうか。

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連載目次

相続税の実務問答

第1回~第90回

筆者紹介

梶野 研二

(かじの・けんじ)

税理士

国税庁課税部資産評価企画官付企画専門官、同資産課税課課長補佐、東京地方裁判所裁判所調査官、国税不服審判所本部国税審判官、東京国税局課税第一部資産評価官、玉川税務署長、国税庁課税部財産評価手法研究官を経て、平成25年6月税理士登録。
現在、相続税を中心に税理士業務を行っている。

【主な著書】
・『プロフェッショナル 相続税・贈与税・財産評価の実務』(清文社)
・『ケース別 相続土地の評価減』(新日本法規)
・『判例・裁決例にみる 非公開株式評価の実務』(共著 新日本法規出版)
・『株式・公社債評価の実務(平成23年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『土地評価の実務(平成22年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『贈与税の申告の実務-相続時精算課税を中心として』(編著 大蔵財務協会)
・『農地の相続税・贈与税』(編著 大蔵財務協会)
・『新版 公益法人の税務』(共著 財団法人公益法人協会)

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