〈小説〉
『所得課税第三部門にて。』
【第98話】
「所得税と法人税の違い」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
昼休みに、中尾統括官と浅田調査官は、雑談をしている。
「・・・ところで・・・浅田君は、税務署に入るときに、所得税部門を希望したの?」
中尾統括官は、コンビニで購入したコーヒーを飲みながら訊ねる。
「・・・いいえ、僕は法人税部門を希望したのですが・・・どういうわけか所得税部門に配属されました」
浅田調査官は、少し不満そうに言う。
「そうだろうなあ・・・法人税部門は、企業に対する税務調査だから、個人事業者を相手にする所得税部門とは違う・・・個人事業者は、自分の財布を直接調べられるような感じだから、税務調査に対して、抵抗が強くなると思う・・・」
中尾統括官は少し間を置いて続ける。
「もっとも、中小企業も『社長=企業』だからあまり変わらないかもしれない・・・しかし、帳簿書類等は、一般的に、個人よりも法人の方がきっちりしているから、調査がしやすいのかもしれない・・・それに、法人の方が税務調査に対して紳士的な対応をしてくれるところが多い・・・」
中尾統括官は、薄笑いをしながら頷く。
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