公開日: 2017/09/28 (掲載号:No.237)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第38回】「100%子会社間の無対価会社分割」

筆者: 西田 友洋

【STEP3】親会社における個別財務諸表上の会計処理

会社分割により、事業(資産及び負債)が移転するため、実質的に株式の価値も移動している。つまり、分割子会社の株式の一部が承継子会社の株式に引き換えられたものとみなすことができる。

そのため、会社分割直前の分割子会社の株式の適正な帳簿価額のうち、引き換えられたものとみなされる額を合理的な按分方法により算定し、承継子会社の株式の帳簿価額に加算する(適用指針203-2(2)②また書き、294、295)。

按分方法は、以下の方法のうち、合理的な方法によって算定する(適用指針295)。

  • 関連する時価の比率で按分する方法
  • 時価総額の比率で按分する方法
  • 関連する簿価(連結財務諸表上の簿価を含む)の比率で按分する方法

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第38回】

「100%子会社間の無対価会社分割」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、100%子会社間の無対価会社分割を解説する。企業グループとして、経営効率化のために会社分割により子会社間で事業の移転を行うことがある。その際に、対価を交付すると手続の手間が増えるため、会社分割の対価を交付しないで会社分割を行うことがある。このことを「無対価会社分割」という。

100%子会社間の無対価会社分割は、「共通支配下の取引」に該当する(【第18回】参照)。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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