山本守之の
法人税 “一刀両断”
【第9回】
「税制改正とその問題点」
税理士 山本 守之
1 2段階の法人税改革
政府は法人税改革として2段階に分けて法人税率を引き下げることにしています。
まず、第一段階(平成27年度~29年度)では実効税率を改正前34.62%から平成27年度32.11%、平成28年度に31.33%とし、(以後は明らかではない)、第2段階は平成30年度、31年度はさらに引き下げ、ドイツ(29.59%)並みにするようです。
第二段階では、次のような改正を見込んでいます。
(外形標準課税)
大法人の外形標準課税はさらに拡大し、中小法人にも適用することを検討します。
(租税特別措置)
生産性向上設備投資促進税制(平成28年度末期限)、所得拡大促進税制(平成29年度末期限)、及び研究開発税制(増加型・高水準型は平成28年度末期限)については取扱いを検討します。
(減価償却)
定額法への一本化を検討します。
(法人事業税)
損金不算入とすることを検討します。
(その他の特別措置)
期限が到来するものを中心に廃止を含めてゼロベースで見直します。
(公益法人等)
非収益事業について民間競合が生じていないか、軽減税率とみなし寄附金制度が過剰な支援になっていないか検討します。
(協同組合等)
軽減税率のあり方について事業分量配当が適用されるのは過剰支援となっていないかを検討します。
2 定額法一本化の目的
このうち、減価償却(定額法に限定)や事業税(損金不算入)についてはドイツの2000年改正でも行われたものです。わが国の政府税調では「定率法は節税効果や所得操作の可能性がある」等不合理な発言をしていますが、「定率法も定額法も理論的ですが、税率引下げの財源として定額法に限定します」と言った方が正直です。
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