公開日: 2015/09/24 (掲載号:No.137)
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山本守之の法人税“一刀両断” 【第15回】「『一般に公正妥当と認められる基準』について」

筆者: 山本 守之

山本守之

法人税 “一刀両断”

【第15回】

「『一般に公正妥当と認められる基準』について」

 

税理士 山本 守之

 

Ⅰ 立法にいたるまで

(立法の経緯)

法人税法第22条第4項においては、各事業年度の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入すべき収益、原価、費用、損失の額の計算については、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする」としています。

この規定は、昭和42年の法人税法の改正によって追加されたものですが、この規定に集約されるまでには、企業会計と税法との調整や税制の簡素化を背景として多くの論議がありました。

1 企業会計審議会の意見

昭和27年6月16日の「税法と企業会計原則との調整に関する意見書」(企業会計基準審議会中間報告)においては、企業利益と課税所得について税制上又は税務上の理由により差異の生ずる事実は無視し得ないとしながら「公正妥当な会計原則に従って算定される企業の純利益は課税所得の基礎をなすものであり、税法上における企業所得の概念は、この意味における企業の利益から誘導されたものであることを認めなければならない」としています。

つまり税法における課税所得計算の基本理念も一般に公正妥当と認められた会計処理の基準に根拠を求めなければならないと述べているのです。

この考え方は、同審議会における昭和41年10月17日の「税法と企業会計との調整に関する意見書」に引き継がれました。

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山本守之

法人税 “一刀両断”

【第15回】

「『一般に公正妥当と認められる基準』について」

 

税理士 山本 守之

 

Ⅰ 立法にいたるまで

(立法の経緯)

法人税法第22条第4項においては、各事業年度の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入すべき収益、原価、費用、損失の額の計算については、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする」としています。

この規定は、昭和42年の法人税法の改正によって追加されたものですが、この規定に集約されるまでには、企業会計と税法との調整や税制の簡素化を背景として多くの論議がありました。

1 企業会計審議会の意見

昭和27年6月16日の「税法と企業会計原則との調整に関する意見書」(企業会計基準審議会中間報告)においては、企業利益と課税所得について税制上又は税務上の理由により差異の生ずる事実は無視し得ないとしながら「公正妥当な会計原則に従って算定される企業の純利益は課税所得の基礎をなすものであり、税法上における企業所得の概念は、この意味における企業の利益から誘導されたものであることを認めなければならない」としています。

つまり税法における課税所得計算の基本理念も一般に公正妥当と認められた会計処理の基準に根拠を求めなければならないと述べているのです。

この考え方は、同審議会における昭和41年10月17日の「税法と企業会計との調整に関する意見書」に引き継がれました。

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連載目次

山本守之の法人税“一刀両断”

筆者紹介

山本 守之

(やまもと・もりゆき)

税理士。現在、日本税務会計学会顧問、租税訴訟学会副会長(研究・提言担当)、税務会計研究学会理事、日本租税理論学会理事を務め、全国各地において講演活動を行うとともに、千葉商科大学大学院(政策研究科、博士課程)でプロジェクト・アドバイザー(専門分野の高度な学術研究、高度な実務経験を持つ有識者)として租税政策論の教鞭をとっている。研究のためOECD、EU、海外諸国の財務省、国税庁等を約30年にわたり歴訪。2020年11月29日、逝去。

【著書】
・『時事税談-人間の感性から税をみつめる』(清文社)
・『役員給与税制の問題点-規定・判例・執行面からの検討』(中央経済社)
・『検証 税法上の不確定概念 (新版)』(中央経済社)
・『裁決事例(全部取消)による役員給与・寄附金・交際費・貸倒れ・資本的支出と修繕費』(財経詳報社)
・『法人税申告の実務全書』監修(日本実業出版社)
・『法人税の理論と実務』(中央経済社)
・『体系法人税法』(税務経理協会)
・『税金力-時代とともに「税」を読む』(中央経済社)
・『租税法の基礎理論』(税務経理協会)
他、多数
 

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