山本守之の
法人税 “一刀両断”
【第36回】
「減価償却をめぐる一考察」
税理士 山本 守之
1 減価償却の目的
(1) 考え方
減価償却は、何を目的として行われるかという点について大別すると、次のように2つの考え方があります。
① 期間損益計算上の手続で、損益計算上の区切られた期間(事業年度)の費用配分
② 減価償却資産に投下した費用の回収手続で、次期以降の投資に備えたものであるから内部留保
②の考え方に従えば、期間毎の計算を必要とするものではなく、設備等の再調達資金を可能なとき回収すればよいとされるでしょうし、時価で回収しなければならないこととなってしまいます。
費用収益対応の原則及び取得原価主義を採る近代会計においては、到底②の考え方によることはできず、適正な期間損益を測定するためには、①の考え方が通説となっています。
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