公開日: 2018/01/18 (掲載号:No.252)
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相続税の実務問答 【第19回】「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の申告書の提出(第二次相続人が複数の場合)」

筆者: 梶野 研二

相続税の実務問答

【第19回】

「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の
申告書の提出(第二次相続人が複数の場合)」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

昨年3月25日に兄が亡くなりました。相続人は私と姉の2名です。11月に姉との間で、兄の遺産について遺産分割協議が成立したので、相続税の申告の準備を進めていたところ、12月10日に姉が急死してしまいました。姉が行うこととなっていた相続税の申告及び納付はどのように行えばよいのでしょうか。

なお、姉の相続人は、姉の長男と長女の2名です。


[答]

お姉様が負担すべきであった相続税は、2人のお子様が、法定相続分である2分の1ずつを承継することとなります。

お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名が、この2分の1相当の相続税について、それぞれお姉様の相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告し、納付することとなります。

● ● ● ● ● 説 明 ● ● ● ● ●

1 相続があった場合の国税の納付義務の承継

前回説明したように、相続の開始があった場合、相続人(包括受遺者を含みます)は、被相続人に課されるべき又はその被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継することとされています(通法5①)。

この場合、相続人が2名以上いるときには、それぞれの相続人が承継することとなる税額は、被相続人の納付すべき税額を、民法第900条(法定相続分)、第901条(代襲相続人の相続分)及び第902条(遺言による相続分の指定)の規定による相続分の割合により按分計算することとなります(通法5②)。

(注) 国税通則法において、相続によって得た財産(積極財産)の価額が、民法第900条から第902条までの規定による相続分の割合によって按分計算して求めた税額を上回る相続人については、その上回る金額を限度として、他の相続人が承継する国税を納付する責任がある旨が定められていますが(通法5③)、相続税法においては、同一の被相続人から相続により財産を取得した者は、その被相続人に係る相続税については、その相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付義務があると定められています(相法34②)。

 

2 第二次相続が発生した場合の第一次相続に係る相続税の申告

相続又は遺贈により財産を取得し、相続税の申告書を提出しなければならない者(第一次相続人)が、相続税の申告書を提出せずに亡くなった場合には、その者の相続人(包括受遺者を含みます)(第二次相続人)が、第一次相続に係る第一次相続人の申告及び納付の義務を承継することとなり、その相続税の申告書は、第二次相続人が第一次相続人について相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に提出し(相法27②)、申告書に記載した相続税額を納付することとされています(相法33)。

この場合、第二次相続人が複数いるときには、それぞれの相続人は、第一次相続人に相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、各相続人が承継した相続税額その他所定の事項を記載した相続税の申告書を提出するとともに(相法27②)、その相続税額を納付することとなります(相法33)。各相続人が承継することとなる相続税額は、上記1により按分計算をして求めた金額となります。

【参考】
第二次相続に係る相続人(第二次相続人)が2名以上ある場合には、第二次相続に係る各相続人が相続により受けた財産の価額や承継する相続税額などを記載した「納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書)」を相続税の申告書に添付することとされています(相規14)。

 

3 ご質問の場合

(1) 第一次相続に係る相続税の申告

ご質問の場合、昨年3月25日に亡くなったお兄様の遺産に係る相続税の申告の準備中にその相続人であるお姉様がお亡くなりになったということですので、お姉様が行うべきであった相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、その申告書に記載した各相続人が承継した相続税額を納付することとなります。

お姉様の相続人は、お姉様のお子様2名ですので、この2人が、お姉様が負担するはずだった相続税額の2分の1(法定相続分)をそれぞれ承継することになります。

(2) 第二次相続に係る相続税の申告

お姉様の遺産についての相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、申告書に記載したそれぞれの相続税額を納付します。

 

〔凡例〕
相法・・・相続税法
相令・・・相続税法施行令
相規・・・相続税法施行規則
相基通・・・相続税法基本通達
所基通・・・所得税基本通達
措法・・・租税特別措置法
措通・・・租税特別措置法関係通達
通法・・・国税通則法
(例)相法27①・・・相続税法27条1項

(了)

「相続税の実務問答」は、毎月第3週に掲載されます。

相続税の実務問答

【第19回】

「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の
申告書の提出(第二次相続人が複数の場合)」

 

税理士 梶野 研二

 

[問]

昨年3月25日に兄が亡くなりました。相続人は私と姉の2名です。11月に姉との間で、兄の遺産について遺産分割協議が成立したので、相続税の申告の準備を進めていたところ、12月10日に姉が急死してしまいました。姉が行うこととなっていた相続税の申告及び納付はどのように行えばよいのでしょうか。

なお、姉の相続人は、姉の長男と長女の2名です。

[答]

お姉様が負担すべきであった相続税は、2人のお子様が、法定相続分である2分の1ずつを承継することとなります。

お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名が、この2分の1相当の相続税について、それぞれお姉様の相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告し、納付することとなります。

● ● ● ● ● 説 明 ● ● ● ● ●

1 相続があった場合の国税の納付義務の承継

前回説明したように、相続の開始があった場合、相続人(包括受遺者を含みます)は、被相続人に課されるべき又はその被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継することとされています(通法5①)。

この場合、相続人が2名以上いるときには、それぞれの相続人が承継することとなる税額は、被相続人の納付すべき税額を、民法第900条(法定相続分)、第901条(代襲相続人の相続分)及び第902条(遺言による相続分の指定)の規定による相続分の割合により按分計算することとなります(通法5②)。

(注) 国税通則法において、相続によって得た財産(積極財産)の価額が、民法第900条から第902条までの規定による相続分の割合によって按分計算して求めた税額を上回る相続人については、その上回る金額を限度として、他の相続人が承継する国税を納付する責任がある旨が定められていますが(通法5③)、相続税法においては、同一の被相続人から相続により財産を取得した者は、その被相続人に係る相続税については、その相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付義務があると定められています(相法34②)。

 

2 第二次相続が発生した場合の第一次相続に係る相続税の申告

相続又は遺贈により財産を取得し、相続税の申告書を提出しなければならない者(第一次相続人)が、相続税の申告書を提出せずに亡くなった場合には、その者の相続人(包括受遺者を含みます)(第二次相続人)が、第一次相続に係る第一次相続人の申告及び納付の義務を承継することとなり、その相続税の申告書は、第二次相続人が第一次相続人について相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に提出し(相法27②)、申告書に記載した相続税額を納付することとされています(相法33)。

この場合、第二次相続人が複数いるときには、それぞれの相続人は、第一次相続人に相続(第二次相続)の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、各相続人が承継した相続税額その他所定の事項を記載した相続税の申告書を提出するとともに(相法27②)、その相続税額を納付することとなります(相法33)。各相続人が承継することとなる相続税額は、上記1により按分計算をして求めた金額となります。

【参考】
第二次相続に係る相続人(第二次相続人)が2名以上ある場合には、第二次相続に係る各相続人が相続により受けた財産の価額や承継する相続税額などを記載した「納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書)」を相続税の申告書に添付することとされています(相規14)。

 

3 ご質問の場合

(1) 第一次相続に係る相続税の申告

ご質問の場合、昨年3月25日に亡くなったお兄様の遺産に係る相続税の申告の準備中にその相続人であるお姉様がお亡くなりになったということですので、お姉様が行うべきであった相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、その申告書に記載した各相続人が承継した相続税額を納付することとなります。

お姉様の相続人は、お姉様のお子様2名ですので、この2人が、お姉様が負担するはずだった相続税額の2分の1(法定相続分)をそれぞれ承継することになります。

(2) 第二次相続に係る相続税の申告

お姉様の遺産についての相続税の申告は、お姉様の相続人であるお姉様のお子様2名それぞれが、お姉様の相続開始を知った日(昨年12月10日)の翌日から10ヶ月以内、すなわち10月10日までに行い、申告書に記載したそれぞれの相続税額を納付します。

 

〔凡例〕
相法・・・相続税法
相令・・・相続税法施行令
相規・・・相続税法施行規則
相基通・・・相続税法基本通達
所基通・・・所得税基本通達
措法・・・租税特別措置法
措通・・・租税特別措置法関係通達
通法・・・国税通則法
(例)相法27①・・・相続税法27条1項

(了)

「相続税の実務問答」は、毎月第3週に掲載されます。

連載目次

相続税の実務問答

第1回~第90回

第91回~

筆者紹介

梶野 研二

(かじの・けんじ)

税理士

国税庁課税部資産評価企画官付企画専門官、同資産課税課課長補佐、東京地方裁判所裁判所調査官、国税不服審判所本部国税審判官、東京国税局課税第一部資産評価官、玉川税務署長、国税庁課税部財産評価手法研究官を経て、平成25年6月税理士登録。
現在、相続税を中心に税理士業務を行っている。

【主な著書】
・『令和7年12月改訂 プロフェッショナル 相続税・贈与税・財産評価の実務』(清文社)
・『ケース別 相続土地の評価減』(新日本法規)
・『判例・裁決例にみる 非公開株式評価の実務』(共著 新日本法規出版)
・『株式・公社債評価の実務(平成23年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『土地評価の実務(平成22年版)』(編著 大蔵財務協会)
・『贈与税の申告の実務-相続時精算課税を中心として』(編著 大蔵財務協会)
・『農地の相続税・贈与税』(編著 大蔵財務協会)
・『新版 公益法人の税務』(共著 財団法人公益法人協会)
等

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