〈小説〉
『資産課税第三部門にて。』
【第10話】
「借地権の評価」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
「弁護士からよく『税法上の借地権の評価はなかなか理解できない』と聞くのですが、田中統括官はどう思われますか?」
谷垣調査官が田中統括官の席に近づいて尋ねた。
今は昼休みで、資産課税第三部門には2人しかいない。
「借地権の評価のどこが理解できないんだ?」
田中統括官はお腹をさすりながら聞き返した。先ほど食堂で大盛りのカツカレーを急いで食べたせいか、胃が少し痛い。
「ええ・・・借地人が地主に対して地代を多く払えば払うほど、借地人の土地に係る権利が少なくなるという・・・」 谷垣調査官は田中統括官の少し苦しそうな顔を見ながら言う。
「・・・それは、逆に、土地に対する権利が少ないから、地主に対して多くの地代を支払わなければならない、ということなんだろう。」
田中統括官は、机の上に置かれていた罫紙に図を描いた。
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