山本守之の
法人税 “一刀両断”
【第2回】
「交際費課税の本来あるべき姿」
税理士 山本 守之
1 「5,000円基準」導入のいきさつ
わが国の交際費課税では、社外飲食費について次のように取り扱っています。
① 1人当たり5,000円以下の飲食費は交際費から除外する。
② 1人当たり5,000円超の飲食費は2分の1を損金の額に算入する。
このうち①は平成18年度税制改正で定められたもので、平成17年度までは法律にも通達にもない「1人当たり3,000円程度までは交際費としない」という課税庁が作成した基準で税務執行が行われていました(②は後述)。
民間からは法令、通達にない基準の適用を問題視する発言があり、平成17年度税制改正大綱(自由民主党)では、交際費課税について、
これをめぐる種々の指摘に鑑み、交際費等の範囲について、その実態等を踏まえつつ、課税上の運用の明確化のための検討を行う。
としました。
実は、私は30年にわたって海外諸国の財務省や国税庁等を訪問し、税制や税務行政について討議をしていますが、海外諸国では飲食費についての交際費課税は常識的で納得できるものです。
例えば、お昼時に来社した得意先に昼食を供与するときに、お昼時だから社会通念としてリーズナブルな昼食を供与したのなら交際費等としないし、昼食の供与が相手方の個人的歓心を買うためならば課税するという考え方です。
つまり、「飲食の供与が契約条件を良くするために相手側の個人的歓心を買うためであったか」それとも「社会通念として通常供与されるものなのか」で判断すべきであり、金額基準で判断すべきではないという考え方です。
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