山本守之の
法人税 “一刀両断”
【第7回】
「租税法の原点を探る」
税理士 山本 守之
1 現行税法の創生
所得税法、法人税法、相続税法は昭和40年に全文改正が行われましたから、現行税法は創生されてから50年になります。つまり、現行税法は50年の歴史を持っているということです。
この全文改正は、昭和38年12月の税制調査会の答申「所得税法及び法人税法の整備に関する答申」(以下「整備答申」といいます)を基礎にしていますから、税法の基本がわからないときには、この答申を読めばよいでしょう。
例えば、収益をどの段階で計上すべきかについては、「・・・各種の意見」「(外部取引につき、①対価請求権の確定したとき、②所有権の移転又は役務の提供があつたとき、③引渡し又は対価請求につき債務者が同時履行の抗弁権を失なつたとき、④定められている債務履行期等のいずれかを基準とする意見)があつたが、個別規定で補うことにより具体的な適用は③の引渡し又は対価請求権につき債務者が同時履行の抗弁権を失なつたときによることに近くなるとしても、法的な基本基準としては②の所有権の移転又は役務の提供があつたときとすることが適当と認められる。」としています。
したがって、「所有権の移転」は当事者が売り、買いの意思表示をしたときですが、品物の引渡しをする前に売主が代金を請求したときは品物を引き渡すまでは金は払わないという「同時履行の抗弁権」を使うでしょうから、引渡し時に売上げがあったと考えることもできるのです。
これを税務では、権利確定主義というように頭の体操的用語だけで説明していますが、分かりにくいものです。
2 条文の書き方
整備答申では、「規定の内容を理解しやすいものにするため、各条文をできる限り簡素平明な表現でまとめ上げることに留意し」としながら、次のような注文をつけています。
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