公開日: 2016/12/22 (掲載号:No.199)
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山本守之の法人税“一刀両断” 【第30回】「取引別にみた収益の認識基準②」

筆者: 山本 守之

山本守之

法人税 “一刀両断”

【第30回】

「取引別にみた収益の認識基準②」

 

税理士 山本 守之

 

【第29回】 取引別にみた収益の認識基準①

1 棚卸資産の販売

2 請負収益

3 固定資産の譲渡による収益

 

4 有価証券の譲渡による収益

(収益計上時期の原則)

平成12年度の法人税法改正前は、有価証券の譲渡損益の計上時期は有価証券の引渡日の益金又は損金の額に算入することとされていました。しかし、有価証券の価格変動に伴って生ずる利益を享受する権利及び損失を負担する義務は売買等の約定をもって移転すると考えられるため、売却等の約定が済んでいる有価証券について生じた含み損益を自己の損益とするのは適当ではないと考えられること、また、企業会計においても、約定時に有価証券の譲渡損益を計上すべきものとされたこと等から、平成12年度改正により、有価証券の譲渡損益は、売却等の約定日の属する事業年度に計上すべきこととされました。

なお、売買目的外有価証券の譲渡損益の計上時期については、平成14年3月31日までの間に開始する事業年度について、引渡日の属する事業年度とすることを認める経過措置が講じられています(平12改正法附則3②)。

 

5 利子、配当、使用料に係る収益

(1) 貸付金の利子等

① 一般的な取扱い

貸付金、預金又は有価証券から生ずる利子(以下「貸付金等の利子」という)は、期間の経過によって収益の計上をするのが原則です。

いわゆる発生主義を認識基準とするというものです。

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山本守之

法人税 “一刀両断”

【第30回】

「取引別にみた収益の認識基準②」

 

税理士 山本 守之

 

【第29回】 取引別にみた収益の認識基準①

1 棚卸資産の販売

2 請負収益

3 固定資産の譲渡による収益

 

4 有価証券の譲渡による収益

(収益計上時期の原則)

平成12年度の法人税法改正前は、有価証券の譲渡損益の計上時期は有価証券の引渡日の益金又は損金の額に算入することとされていました。しかし、有価証券の価格変動に伴って生ずる利益を享受する権利及び損失を負担する義務は売買等の約定をもって移転すると考えられるため、売却等の約定が済んでいる有価証券について生じた含み損益を自己の損益とするのは適当ではないと考えられること、また、企業会計においても、約定時に有価証券の譲渡損益を計上すべきものとされたこと等から、平成12年度改正により、有価証券の譲渡損益は、売却等の約定日の属する事業年度に計上すべきこととされました。

なお、売買目的外有価証券の譲渡損益の計上時期については、平成14年3月31日までの間に開始する事業年度について、引渡日の属する事業年度とすることを認める経過措置が講じられています(平12改正法附則3②)。

 

5 利子、配当、使用料に係る収益

(1) 貸付金の利子等

① 一般的な取扱い

貸付金、預金又は有価証券から生ずる利子(以下「貸付金等の利子」という)は、期間の経過によって収益の計上をするのが原則です。

いわゆる発生主義を認識基準とするというものです。

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連載目次

山本守之の法人税“一刀両断”

筆者紹介

山本 守之

(やまもと・もりゆき)

税理士。現在、日本税務会計学会顧問、租税訴訟学会副会長(研究・提言担当)、税務会計研究学会理事、日本租税理論学会理事を務め、全国各地において講演活動を行うとともに、千葉商科大学大学院(政策研究科、博士課程)でプロジェクト・アドバイザー(専門分野の高度な学術研究、高度な実務経験を持つ有識者)として租税政策論の教鞭をとっている。研究のためOECD、EU、海外諸国の財務省、国税庁等を約30年にわたり歴訪。2020年11月29日、逝去。

【著書】
・『時事税談-人間の感性から税をみつめる』(清文社)
・『役員給与税制の問題点-規定・判例・執行面からの検討』(中央経済社)
・『検証 税法上の不確定概念 (新版)』(中央経済社)
・『裁決事例(全部取消)による役員給与・寄附金・交際費・貸倒れ・資本的支出と修繕費』(財経詳報社)
・『法人税申告の実務全書』監修(日本実業出版社)
・『法人税の理論と実務』(中央経済社)
・『体系法人税法』(税務経理協会)
・『税金力-時代とともに「税」を読む』(中央経済社)
・『租税法の基礎理論』(税務経理協会)
他、多数
 

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