日本の企業税制
【第19回】
「BEPS行動3:外国子会社合算税制の強化」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 公開討議草案の概要
3 経団連のコメント
4 おわりに
1 はじめに
BEPS行動3(外国子会社合算税制の強化)は、軽課税国に置かれた外国子会社への利益移転を防ぐため、外国子会社の利益を親会社の利益に合算して課税する外国子会社合算税制(CFCルール、タックスヘイブン税制)に関して、各国が導入すべき国内法の基準について勧告を策定するものであるが、わが国の現行税制とは大きく異なる方式が提示されている。
そこで、本稿では、草案の概要を紹介しつつ、わが国の現行税制を踏まえて、草案にどう対応していくべきか、経団連の考えを紹介する。
2 公開討議草案の概要
草案は、BEPS対策の観点から効率的CFCルールを構築すべく、その構成要素として7つのビルディング・ブロックを提示、それぞれのあり方に関し「勧告」を行いつつ、関連する質問を提示している。ただし、(4)対象所得の特定については「勧告」を行わず納税者の意見を求めている。
(1) 外国子会社(CFC)の定義
①法人事業体に加え、パートナーシップ、信託及びPE(CFCがこれらを所有している場合または親法人国においてこれらが親法人とは別の課税事業体として取り扱われる場合に限る)に対しても、CFC税制を適用すること、②異なる国において異なる取扱いを受けることによってCFC税制を回避することを防止する修正ハイブリッドミスマッチルールを導入すること、が勧告されている。
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