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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例38】「不動産業者が外務員に支払う歩合給の損金計上時期」

筆者:安部 和彦

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例38】

「不動産業者が外務員に支払う歩合給の損金計上時期」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、東京都内で不動産仲介業を営む株式会社Aの代表取締役です。私がこの業界に入ったきっかけは、大学卒業後先輩の勧めでなんとなく大手不動産会社に入社したことだったわけですが、自分が頑張れば頑張るほど結果が出て実入りが多くなるという仕事のやり方が、思いのほか私の性に合ったため、以来30年間この業界で働いております。

大手不動産会社を退職して独立開業したのは今から15年前であり、今では20人のスタッフを抱えるところまで来ております。現在、わが社の主たる業務は、首都圏一円の一戸建てや分譲マンションの売買仲介となっております。

不動産業界(宅地建物取引業者)においては、保険や自動車販売業界でも導入されていると思われますが、その営業職の給与体系は、売上に応じて給与が決まる歩合給の場合と、基本給と諸手当によって賃金が決まってくる固定給の場合とがあるようです。ただし、歩合給といっても、完全歩合給(フルコミッション)のケースと、歩合の部分と固定給(最低保証)の部分があるケース(一部歩合給)とに分けられるようです。

私自身は、営業職たるもの、すべからく完全歩合給で働くべしと考えており、自社の営業職にもそれを強く勧めております。経営者の立場からみても、完全歩合給は会社の利益に真に貢献している者に報いる報酬体系といえることから、合理的と考えております。給料制というのは、働かない者にも会社の稼ぎを分配する仕組みであり、社会主義的な悪平等主義にもつながるため、大企業に多い働かない中高年に悩まされている優秀な営業マンほど嫌うのではないかと、私は理解していました。

しかし、わが社の場合、実際には、完全歩合給と一部歩合給との割合が半々といったところです。完全歩合給は、働く人間にとって、報酬に上限がないことから大きなインセンティブになると信じていますが、わが社に転職してくる者と面接してみると、契約が取れないときの不安定さやプレッシャーが怖いと言って、一部歩合給を選択するようです。

さて、そのようなわが社に先日税務署の調査が入り、一点当局と見解が異なる事項が生じました。それは、当社の扱っていた一戸建ての販売収益の計上時期に誤りがあり、当社が計上した事業年度(X2事業年度)ではなくその前事業年度(X1事業年度)に計上すべきであるという点に関しては調査官と合意したのですが、その原価につき当社の完全歩合給の営業担当への実際の支払いがX2事業年度であるからといって、X2事業年度まで認められないという調査官の主張につき、当社はどうにも承服できないという点です。

費用収益対応の原則に従えば、売上収益に対応する事業年度にその原価に含まれるべき歩合給も計上すべきとなるものと考えておりますが、当社の考え方に問題はあるのでしょうか、教えてください。


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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

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