公開日: 2019/03/07 (掲載号:No.309)
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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例3】「役員退職給与に係る「不相当に高額」の意義」

筆者: 安部 和彦

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例3】

「役員退職給与に係る「不相当に高額」の意義」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

わが社はある首都圏のある都市において精密部品の機械加工を主たる業務とする株式会社(3月決算)です。わが社の取締役だったAが昨年死亡したため、役員退職慰労金を支払いましたが、その際、ある民間団体が公表している役員退職給与のデータから、同業類似他社のものを抽出し、それを参考にして金額を算定したところです。

ところが、現在わが社が受けている税務調査において、課税庁は、同業類似法人の役員退職給与の支給事例における平均功績倍率に、当該退職役員の最終月額報酬及び勤続年数を乗じて求める「平均功績倍率法」を用いて算定した金額より支給額が多いことから、その差額は「不相当に高額な部分」に該当し、損金の額に算入されないと主張してきました。

当方が役員退職給与算定の際に用いたデータは、民間企業が調査した結果をまとめた冊子から抽出したものであり、当社の関与税理士によれば、当該データは課税実務においてよく使用されているものであると聞きます。しかしながら、課税庁は当該冊子のデータはアンケート調査で得られた結果から作成されていることから網羅性に疑義があり、また当方が行った同業類似法人の抽出方法にも問題があるとして、課税庁が部内データに基づき別途役員退職給与の適正額を算定したものを提示してきました。

このような場合、わが社はどのように対応すればよいのでしょうか、教えてください。

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例3】

「役員退職給与に係る「不相当に高額」の意義」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

わが社はある首都圏のある都市において精密部品の機械加工を主たる業務とする株式会社(3月決算)です。わが社の取締役だったAが昨年死亡したため、役員退職慰労金を支払いましたが、その際、ある民間団体が公表している役員退職給与のデータから、同業類似他社のものを抽出し、それを参考にして金額を算定したところです。

ところが、現在わが社が受けている税務調査において、課税庁は、同業類似法人の役員退職給与の支給事例における平均功績倍率に、当該退職役員の最終月額報酬及び勤続年数を乗じて求める「平均功績倍率法」を用いて算定した金額より支給額が多いことから、その差額は「不相当に高額な部分」に該当し、損金の額に算入されないと主張してきました。

当方が役員退職給与算定の際に用いたデータは、民間企業が調査した結果をまとめた冊子から抽出したものであり、当社の関与税理士によれば、当該データは課税実務においてよく使用されているものであると聞きます。しかしながら、課税庁は当該冊子のデータはアンケート調査で得られた結果から作成されていることから網羅性に疑義があり、また当方が行った同業類似法人の抽出方法にも問題があるとして、課税庁が部内データに基づき別途役員退職給与の適正額を算定したものを提示してきました。

このような場合、わが社はどのように対応すればよいのでしょうか、教えてください。

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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

安部 和彦

(あんべ・かずひこ)

税理士
和彩総合事務所 代表社員
国際医療福祉大学大学院教授

東京大学卒業後、平成2年、国税庁入庁。
調査査察部調査課、名古屋国税局調査部、関東信越国税局資産税課、国税庁資産税課勤務を経て、外資系会計事務所へ移り、平成18年に安部和彦税理士事務所・和彩総合事務所を開設、現在に至る。
医師・歯科医師向け税務アドバイス、相続税を含む資産税業務及び国際税務を主たる業務分野としている。
平成23年4月、国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授に就任。

【主要著書】
・『消費税 インボイス制度導入の実務』(清文社)
・『裁判例・裁決事例に学ぶ 消費税の判定誤りと実務対応』(清文社)
・『新版 医療・福祉施設における消費税の実務』(清文社)
・『【第三版】税務調査と質問検査権の法知識Q&A』(清文社)
・『最新判例でつかむ固定資産税の実務』(清文社)
・『新版 税務調査事例からみる役員給与実務Q&A』(清文社)
・『要点スッキリ解説 固定資産税Q&A』(清文社)
・『Q&A 医療法人の事業承継ガイドブック』(清文社)
・『税務調査の指摘事例からみる法人税・所得税・消費税の売上をめぐる税務』(清文社)
・『修正申告と更正の請求の対応と実務』(清文社)
・『事例でわかる病医院の税務・経営Q&A(第2版)』(税務経理協会)
・『Q&A 相続税の申告・調査・手続相談事例集』(税務経理協会)
・『医療現場で知っておきたい税法の基礎知識』(税務経理協会)
・『消費税の税務調査対策ケーススタディ』(中央経済社)
・『消費税[個別対応方式・一括比例配分方式]有利選択の実務』(清文社)
・『国際課税における税務調査対策Q&A』(清文社)

【主要論文】
・「わが国企業の海外事業展開とタックスヘイブン対策税制について」(『国際税務』2001年12月号)
・「タックスヘイブン対策税制の適用範囲-キャドバリー・シュウェップス事件の欧州裁判所判決等を手がかりにして-」『税務弘報』(2007年10月号)
など
            

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