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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例4】「米国のリミテッドパートナーシップを通じた不動産投資から生じた費用及び損失の取り込みの可否」

筆者:安部 和彦

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例4】

「米国のリミテッドパートナーシップを通じた
不動産投資から生じた費用及び損失の取り込みの可否」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は都内で不動産の賃貸等を行う株式会社Xを経営する者です。私は現在、自分が築いた財産を国内のA証券を通じて運用していますが、当該証券会社の勧めで、米国に所在する中古の集合住宅を対象とした投資プラン(1口100万ドル)に投資することとしました。その際、A証券の発案で、B信託銀行との間で、当該投資プランに参加する投資家(私を含む)を委託者兼受益者、B信託銀行を受託者とする信託契約を締結し、これに基づいてB信託銀行に開設した口座に私を含む投資家が現金を振り込みました。

B信託銀行は、米国デラウェア州法に基づいて設立されたC有限責任会社との間で、C有限責任会社をジェネラルパートナー(GP)、B信託銀行をリミテッドパートナー(LP)とするパートナーシップ契約(デラウェア州改正統一リミテッドパートナーシップ法に基づく)を締結し、パートナーシップ持分を取得しました。当該リミテッドパートナーシップ(LPS)は、米国に所在する中古の集合住宅を購入し、それを第三者に賃貸する事業を営んでいます。

A証券から送付されてきた当該投資プランの実績によれば、昨年度は2万ドル(約220万円)の損失ということでした。私はA証券の担当者及び顧問税理士と相談した結果、当該投資プランから生じた所得及び損失は不動産所得に該当するため、私の他の所得(給与所得等)と損益通算が可能となり、所得税及び住民税がその分だけ軽減されます。

また、上記とは別にX社は、米国に所在する別の集合住宅への投資を目的に、米国ワシントン州の法律に基づいて設立されたリミテッドパートナーシップの持分をリミテッドパートナーとして取得し、そこから生じた建物等の減価償却費をX社の所得の計算上、損金の額に算入しています。

ところが、先日私に対する税務調査で、税務署の調査官は、上記米国の不動産賃貸事業から生じた所得は不動産所得に該当せず、損益通算はできないとして、修正申告を求めてきました。さらにX社の法人税の調査においても、法人課税部門の調査官は、減価償却費を損金の額に算入することはできないと主張しております。このような場合、私はどのように対応すればよいのでしょうか、教えてください。


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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

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