公開日: 2021/10/07 (掲載号:No.439)
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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例34】「事業年度末における未使用ポイントの損金算入の可否」

筆者: 安部 和彦

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例34】

「事業年度末における未使用ポイントの損金算入の可否」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、首都圏北部の県庁所在地でアニメのキャラクター商品を企画・開発し、直営店において販売する株式会社A(3月決算法人)において、総務及び経理担当の部長を務めております。アニメのキャラクター商品は小中学生から大人まで、さらに男女を問わず人気で、その販売については競争も激しいところではありますが、おかげさまでわが社の業績はうなぎ上りであり、販売活動を行う直営店は、現在首都圏全域に20店舗まで拡大しております。

わが社はキャラクター商品に係るマーケティング戦略として、顧客の囲い込みの観点から、代金の一部として使用することができるポイント制度を採用しております。当該ポイント制度は、基本的に販売代金(税抜)の10%相当額のポイントを付与し、顧客がそのポイント(1ポイント=1円相当)を使用して直営店やネットショップでグッズを購入することができるという仕組みを採っています。また、当該ポイントはわが社が指定する景品(非売品だが市場価格を参考にポイントを設定)との引き換えにも使用することができます。なお、ポイントの有効期限は付与の日から2年間です。

ところで、このようなポイント制度に関し、先日わが社が受けた国税局の税務調査で問題点を指摘されました。わが社は顧客に付与したポイントにつき、その付与した事業年度末において未使用の残高のうち、過去の実績からポイントの有効期限を踏まえて翌事業年度以降において使用される可能性が高い金額、具体的には未使用残高の50%相当額を損金に算入しております。これに対し調査官は、当該ポイントのうち各事業年度末における未使用分は、債務が確定していないため全額損金に算入すべきでないとして、否認してきました。

わが社としては、会計士の指導の下、各事業年度末において未使用のポイント残高のうち、過去の実績に基づく合理的な算定方法により、その50%相当額を損金に算入しているため、法人税法上の公正処理基準に照らし適正な処理であると考えておりますが、わが社と課税庁のいずれの見解が正しいのでしょうか、教えてください。

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例34】

「事業年度末における未使用ポイントの損金算入の可否」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、首都圏北部の県庁所在地でアニメのキャラクター商品を企画・開発し、直営店において販売する株式会社A(3月決算法人)において、総務及び経理担当の部長を務めております。アニメのキャラクター商品は小中学生から大人まで、さらに男女を問わず人気で、その販売については競争も激しいところではありますが、おかげさまでわが社の業績はうなぎ上りであり、販売活動を行う直営店は、現在首都圏全域に20店舗まで拡大しております。

わが社はキャラクター商品に係るマーケティング戦略として、顧客の囲い込みの観点から、代金の一部として使用することができるポイント制度を採用しております。当該ポイント制度は、基本的に販売代金(税抜)の10%相当額のポイントを付与し、顧客がそのポイント(1ポイント=1円相当)を使用して直営店やネットショップでグッズを購入することができるという仕組みを採っています。また、当該ポイントはわが社が指定する景品(非売品だが市場価格を参考にポイントを設定)との引き換えにも使用することができます。なお、ポイントの有効期限は付与の日から2年間です。

ところで、このようなポイント制度に関し、先日わが社が受けた国税局の税務調査で問題点を指摘されました。わが社は顧客に付与したポイントにつき、その付与した事業年度末において未使用の残高のうち、過去の実績からポイントの有効期限を踏まえて翌事業年度以降において使用される可能性が高い金額、具体的には未使用残高の50%相当額を損金に算入しております。これに対し調査官は、当該ポイントのうち各事業年度末における未使用分は、債務が確定していないため全額損金に算入すべきでないとして、否認してきました。

わが社としては、会計士の指導の下、各事業年度末において未使用のポイント残高のうち、過去の実績に基づく合理的な算定方法により、その50%相当額を損金に算入しているため、法人税法上の公正処理基準に照らし適正な処理であると考えておりますが、わが社と課税庁のいずれの見解が正しいのでしょうか、教えてください。

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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

安部 和彦

(あんべ・かずひこ)

税理士
和彩総合事務所 代表社員
国際医療福祉大学大学院教授

東京大学卒業後、平成2年、国税庁入庁。
調査査察部調査課、名古屋国税局調査部、関東信越国税局資産税課、国税庁資産税課勤務を経て、外資系会計事務所へ移り、平成18年に安部和彦税理士事務所・和彩総合事務所を開設、現在に至る。
医師・歯科医師向け税務アドバイス、相続税を含む資産税業務及び国際税務を主たる業務分野としている。
平成23年4月、国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授に就任。

【主要著書】
・『消費税 インボイス制度導入の実務』(清文社)
・『裁判例・裁決事例に学ぶ 消費税の判定誤りと実務対応』(清文社)
・『新版 医療・福祉施設における消費税の実務』(清文社)
・『【第三版】税務調査と質問検査権の法知識Q&A』(清文社)
・『最新判例でつかむ固定資産税の実務』(清文社)
・『新版 税務調査事例からみる役員給与実務Q&A』(清文社)
・『要点スッキリ解説 固定資産税Q&A』(清文社)
・『Q&A 医療法人の事業承継ガイドブック』(清文社)
・『税務調査の指摘事例からみる法人税・所得税・消費税の売上をめぐる税務』(清文社)
・『修正申告と更正の請求の対応と実務』(清文社)
・『事例でわかる病医院の税務・経営Q&A(第2版)』(税務経理協会)
・『Q&A 相続税の申告・調査・手続相談事例集』(税務経理協会)
・『医療現場で知っておきたい税法の基礎知識』(税務経理協会)
・『消費税の税務調査対策ケーススタディ』(中央経済社)
・『消費税[個別対応方式・一括比例配分方式]有利選択の実務』(清文社)
・『国際課税における税務調査対策Q&A』(清文社)

【主要論文】
・「わが国企業の海外事業展開とタックスヘイブン対策税制について」(『国際税務』2001年12月号)
・「タックスヘイブン対策税制の適用範囲-キャドバリー・シュウェップス事件の欧州裁判所判決等を手がかりにして-」『税務弘報』(2007年10月号)
など
            

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