公開日: 2022/01/06 (掲載号:No.451)
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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例37】「法人の代表者が自分個人名義のクレジットカードで支払った飲食代金の交際費該当性」

筆者: 安部 和彦

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例37】

「法人の代表者が自分個人名義のクレジットカードで支払った飲食代金の交際費該当性」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、長年勤めた地方銀行を数年前に退職し、埼玉県内のJR沿線のとある駅から車で10分以内に本社兼工場を有する株式会社で、経理・財務部門を所掌する部長職にある者です。当社は資本金5,000万円程度の中小零細企業ですが、最近、コロナ禍を反映してか、空気清浄機に使用する特殊なフィルターの注文がひっきりなしに入ってきており、お陰様で業績は堅調といったところです。

当社は従来、特定の取引先としか付き合いがなかったことから、接待や供応の必要性があまりなかったため、交際費の支出は少なめでした。しかし、ここ数年、従来の取引先以外へのアプローチを増やさなければ、この先、当社の生き残りは覚束ないという危機感の下、当社の社長は、異業種交流会で知り合ったコンサルタントの紹介で、業界内外の経営者と付き合う機会が飛躍的に増えたところです。その成果として、空気清浄機に使用するフィルターの製造開発及び販路開拓につながったことから味を占めたのか、社長は更なる業務拡大のため、会食やゴルフ接待に勤しんでいる模様です。

そのため、ここ2年くらいは、従来よりも桁が2つくらい違う交際費の支出となっており、その費用対効果が問われかねないところです。もっとも、社長はそのことを少しも気に留めていないようで、「交際費なんか使わないと税金で持っていかれるだけで大損だ」と公言しています。特に最近信頼しているコンサルタントから吹き込まれたのか、前財務大臣が中小企業向けの交際費課税を緩和したので、コロナ禍で苦しむわが国の経済を回すため、それに応えるのが経営者の務めだ、と嘯いております。

そんな中、先日当社にも税務調査が入り、税務署の調査官から、社長個人のクレジットカード払いの費用を法人の交際費として計上している分は、社長の個人的な支出であるから、法人の交際費とはならない旨言い渡されました。私としては、恐れていたことが現実になったと頭を抱えておりますが、社長はあくまで法人の交際費である点を譲る気がありません。当社はどのように対応すべきなのでしょうか、教えてください。

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例37】

「法人の代表者が自分個人名義のクレジットカードで支払った飲食代金の交際費該当性」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、長年勤めた地方銀行を数年前に退職し、埼玉県内のJR沿線のとある駅から車で10分以内に本社兼工場を有する株式会社で、経理・財務部門を所掌する部長職にある者です。当社は資本金5,000万円程度の中小零細企業ですが、最近、コロナ禍を反映してか、空気清浄機に使用する特殊なフィルターの注文がひっきりなしに入ってきており、お陰様で業績は堅調といったところです。

当社は従来、特定の取引先としか付き合いがなかったことから、接待や供応の必要性があまりなかったため、交際費の支出は少なめでした。しかし、ここ数年、従来の取引先以外へのアプローチを増やさなければ、この先、当社の生き残りは覚束ないという危機感の下、当社の社長は、異業種交流会で知り合ったコンサルタントの紹介で、業界内外の経営者と付き合う機会が飛躍的に増えたところです。その成果として、空気清浄機に使用するフィルターの製造開発及び販路開拓につながったことから味を占めたのか、社長は更なる業務拡大のため、会食やゴルフ接待に勤しんでいる模様です。

そのため、ここ2年くらいは、従来よりも桁が2つくらい違う交際費の支出となっており、その費用対効果が問われかねないところです。もっとも、社長はそのことを少しも気に留めていないようで、「交際費なんか使わないと税金で持っていかれるだけで大損だ」と公言しています。特に最近信頼しているコンサルタントから吹き込まれたのか、前財務大臣が中小企業向けの交際費課税を緩和したので、コロナ禍で苦しむわが国の経済を回すため、それに応えるのが経営者の務めだ、と嘯いております。

そんな中、先日当社にも税務調査が入り、税務署の調査官から、社長個人のクレジットカード払いの費用を法人の交際費として計上している分は、社長の個人的な支出であるから、法人の交際費とはならない旨言い渡されました。私としては、恐れていたことが現実になったと頭を抱えておりますが、社長はあくまで法人の交際費である点を譲る気がありません。当社はどのように対応すべきなのでしょうか、教えてください。

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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

安部 和彦

(あんべ・かずひこ)

税理士
和彩総合事務所 代表社員
国際医療福祉大学大学院教授

東京大学卒業後、平成2年、国税庁入庁。
調査査察部調査課、名古屋国税局調査部、関東信越国税局資産税課、国税庁資産税課勤務を経て、外資系会計事務所へ移り、平成18年に安部和彦税理士事務所・和彩総合事務所を開設、現在に至る。
医師・歯科医師向け税務アドバイス、相続税を含む資産税業務及び国際税務を主たる業務分野としている。
平成23年4月、国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授に就任。

【主要著書】
・『消費税 インボイス制度導入の実務』(清文社)
・『裁判例・裁決事例に学ぶ 消費税の判定誤りと実務対応』(清文社)
・『新版 医療・福祉施設における消費税の実務』(清文社)
・『【第三版】税務調査と質問検査権の法知識Q&A』(清文社)
・『最新判例でつかむ固定資産税の実務』(清文社)
・『新版 税務調査事例からみる役員給与実務Q&A』(清文社)
・『要点スッキリ解説 固定資産税Q&A』(清文社)
・『Q&A 医療法人の事業承継ガイドブック』(清文社)
・『税務調査の指摘事例からみる法人税・所得税・消費税の売上をめぐる税務』(清文社)
・『修正申告と更正の請求の対応と実務』(清文社)
・『事例でわかる病医院の税務・経営Q&A(第2版)』(税務経理協会)
・『Q&A 相続税の申告・調査・手続相談事例集』(税務経理協会)
・『医療現場で知っておきたい税法の基礎知識』(税務経理協会)
・『消費税の税務調査対策ケーススタディ』(中央経済社)
・『消費税[個別対応方式・一括比例配分方式]有利選択の実務』(清文社)
・『国際課税における税務調査対策Q&A』(清文社)

【主要論文】
・「わが国企業の海外事業展開とタックスヘイブン対策税制について」(『国際税務』2001年12月号)
・「タックスヘイブン対策税制の適用範囲-キャドバリー・シュウェップス事件の欧州裁判所判決等を手がかりにして-」『税務弘報』(2007年10月号)
など
            

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