公開日: 2020/05/07 (掲載号:No.368)
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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例17】「建物内部造作の「器具及び備品」該当性」

筆者: 安部 和彦

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例17】

「建物内部造作の「器具及び備品」該当性」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は神奈川県内に数件の賃貸用マンションを保有する者です。当該マンションはすべて親から相続したもので、私が代表者を務める不動産管理会社(株式会社)を通じて保有しています。

そのうちの一棟はかなり老朽化が進んでおり、なかなかテナントの募集に苦慮していたため、一昨年、大規模な修繕を行いました。内装はクロスの張替えが中心でしたが、ユニットバスを全部新品に取り換えるとともに、窓(窓枠と窓ガラス)とドア扉も全面的に最新のものに取り換えることで、マンションのセキュリティーの水準を大幅に高めることができました。

昨年度の不動産管理会社の確定申告においては、今般の大規模修繕につき、クロスの張替えは修繕費としましたが、ユニットバスや窓、ドア扉の交換費用はすべて器具備品として資産計上しました。その場合の耐用年数ですが、ユニットバスは耐用年数省令の「器具及び備品」のうち「前掲する資産のうち、当該資産について定められている前掲の耐用年数によるもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」と解して、うち「その他のもの」に該当すると考えて8年としました。

また、窓やドア扉も同様に耐用年数省令の「器具及び備品」のうち「前掲する資産のうち、当該資産について定められている前掲の耐用年数によるもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」と解し、うち「主として金属製のもの」に該当すると考えて15年としました。

ところが、現在進行中の税務調査で税務署の調査官から、ユニットバスや窓、ドア扉はいずれも建物と一体になって使用される減価償却資産であるため、その耐用年数は建物と同じであると言い渡されました。マンションのような鉄筋の堅牢な構築物と、ユニットバスや窓枠、ドア扉のごとき交換可能な資産を一緒くたに考えて減価償却を行うなど、実態を全く無視した暴論と考えるのですが、いかがでしょうか。

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例17】

「建物内部造作の「器具及び備品」該当性」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は神奈川県内に数件の賃貸用マンションを保有する者です。当該マンションはすべて親から相続したもので、私が代表者を務める不動産管理会社(株式会社)を通じて保有しています。

そのうちの一棟はかなり老朽化が進んでおり、なかなかテナントの募集に苦慮していたため、一昨年、大規模な修繕を行いました。内装はクロスの張替えが中心でしたが、ユニットバスを全部新品に取り換えるとともに、窓(窓枠と窓ガラス)とドア扉も全面的に最新のものに取り換えることで、マンションのセキュリティーの水準を大幅に高めることができました。

昨年度の不動産管理会社の確定申告においては、今般の大規模修繕につき、クロスの張替えは修繕費としましたが、ユニットバスや窓、ドア扉の交換費用はすべて器具備品として資産計上しました。その場合の耐用年数ですが、ユニットバスは耐用年数省令の「器具及び備品」のうち「前掲する資産のうち、当該資産について定められている前掲の耐用年数によるもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」と解して、うち「その他のもの」に該当すると考えて8年としました。

また、窓やドア扉も同様に耐用年数省令の「器具及び備品」のうち「前掲する資産のうち、当該資産について定められている前掲の耐用年数によるもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」と解し、うち「主として金属製のもの」に該当すると考えて15年としました。

ところが、現在進行中の税務調査で税務署の調査官から、ユニットバスや窓、ドア扉はいずれも建物と一体になって使用される減価償却資産であるため、その耐用年数は建物と同じであると言い渡されました。マンションのような鉄筋の堅牢な構築物と、ユニットバスや窓枠、ドア扉のごとき交換可能な資産を一緒くたに考えて減価償却を行うなど、実態を全く無視した暴論と考えるのですが、いかがでしょうか。

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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

● 法人税の損金経理要件をめぐる事例解説【事例1~40】

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

安部 和彦

(あんべ・かずひこ)

税理士
和彩総合事務所 代表社員
拓殖大学商学部教授

東京大学卒業後、平成2年、国税庁入庁。
調査査察部調査課、名古屋国税局調査部、関東信越国税局資産税課、国税庁資産税課勤務を経て、外資系会計事務所へ移り、平成18年に安部和彦税理士事務所・和彩総合事務所を開設、現在に至る。
医師・歯科医師向け税務アドバイス、相続税を含む資産税業務及び国際税務を主たる業務分野としている。
平成23年4月、国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野准教授に就任。
平成26年9月、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士後期課程単位修得退学
平成27年3月、博士(経営法) 一橋大学
令和3年4月、国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野教授に就任。
令和5年4月、拓殖大学商学部教授に就任。

【主要著書】
・『事例で解説 法人税の損金経理』(2024年・清文社)
・『三訂版 医療・福祉施設における消費税の実務』(2023年・清文社)
・『改訂 消費税 インボイス制度導入の実務』(2023年・清文社)
・『裁判例・裁決事例に学ぶ消費税の判定誤りと実務対応』(2020年・清文社)
・『消費税 軽減税率対応とインボイス制度 導入の実務』(2019年・清文社)
・『[第三版]税務調査と質問検査権の法知識Q&A』(2017年・清文社)
・『最新判例でつかむ固定資産税の実務』(2017年・清文社)
・『新版 税務調査事例からみる役員給与の実務Q&A』(2016年・清文社)
・『要点スッキリ解説 固定資産税』(2016年・清文社)
・『Q&Aでわかる消費税軽減税率のポイント』(2016年・清文社)
・『Q&A医療法人の事業承継ガイドブック』(2015年・清文社)
・『国際課税における税務調査対策Q&A』(2014年・清文社)
・『消費税[個別対応方式・一括比例配分方式]有利選択の実務』(2013年・清文社)
・『修正申告と更正の請求の対応と実務』(2013年・清文社)
・『税務調査の指摘事例からみる法人税・所得税・消費税の売上をめぐる税務』(2011年・清文社)
・『相続税調査であわてない「名義」財産の税務(第3版)』(2021年・中央経済社)
・『相続税調査であわてない不動産評価の税務』(2015年・中央経済社)
・『消費税の税務調査対策ケーススタディ』(2013年・中央経済社)
・『医療現場で知っておきたい税法の基礎知識』(2012年・税務経理協会)
・『事例でわかる病医院の税務・経営Q&A(第2版)』(2012年・税務経理協会)
・『Q&A 相続税の申告・調査・手続相談事例集』(2011年・税務経理協会)
・『ケーススタディ 中小企業のための海外取引の税務』(2020年・ぎょうせい)
・『消費税の税率構造と仕入税額控除』(2015年・白桃書房)

【ホームページ】
https://wasai-consultants.com

             

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