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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例23】「土地建物を一括で購入した場合の建物の取得価額と減価償却費」

筆者:安部 和彦

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例23】

「土地建物を一括で購入した場合の建物の取得価額と減価償却費」

 

国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、10年ほど前に親から引き継いだ不動産を元手に脱サラして、現在株式会社形態で不動産賃貸業を営む者です。当初は親から引き継いだ貸しビルや賃貸マンションの賃貸借契約を管理するだけの単純な業務でしたが、取引先である信用金庫からの強い要望もあり、当該不動産を担保に融資を受け、新たに都内の駅近マンションや一戸建てをいくつか購入することで、法人の資産を順調に増加させているところです。

最近購入した不動産のうち半数くらいの売主は法人である不動産業者でしたが、残りの半数くらいの売主は個人でした。売主が法人の場合、マンションにしても一戸建てにしても、消費税の金額を明示するため、売買契約書に建物(消費税課税)と土地(敷地部分・消費税非課税)の対価をそれぞれ別に表示してありましたが、売主が個人の場合には、土地建物を一括でいくらと表示してあり、それぞれいくらであるのか売買契約書上は分からない状況にあります。しかし、弊社の法人税の申告上、建物については減価償却を行う必要があるため、その取得価額を決定する必要があります。

そこで、不動産鑑定士に相談したところ、どの物件も駅から徒歩圏内と立地が良いことから、建物の月額賃料を基に評価するのがよいのではないかとのアドバイスを得ました。それに従って土地建物を一括購入したある物件(借地権付建物、取得価額合計額1億8,000万円)を評価したところ、以下のような評価額(下記表のうちの)となりました。

〇 借地権付建物の評価額内訳
借地権 建物 合計 ① 月額賃料に基づく評価額 6,000万円 1億2,000万円 1億8,000万円 ② 固定資産税評価額 3,800万円 2,200万円 6,000万円 ③ ②に基づく按分額 1億1,400万円 6,600万円 1億8,000万円

ところが先日受けた税務調査で、税務署の調査官は、減価償却費計算の基礎となる建物の取得価額は、建物及び借地権の各固定資産評価額の価額の比を基に算定した価額(上記表の)を用いるべきであり、その結果として減価償却費計上額が過大であるとして、修正申告の勧奨を行ってきました。月額賃料に基づく評価額の方が不動産の鑑定評価の観点からは理論的で、時価を反映しているものと考えますが、課税庁の主張のとおり修正すべきでしょうか、教えてください。


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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

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