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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例30】「出向元法人が負担する出向者給与負担差額の損金性」

筆者:安部 和彦

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法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

【事例30】

「出向元法人が負担する出向者給与負担差額の損金性」

 

国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦

 

【Q】

私は、都内において電気工事業を営む株式会社Aで総務部長を務めております。わが社は設立以来50年、地道に業務を拡大してきており、現在では業務エリアは関東一円をカバーし、関連する子会社も10社以上となっております。

ところが、平成から令和の時代を迎え、取引先のいくつかが倒産や廃業したり、ベテランの従業員が何人も離職するといった事情があったばかりでなく、昨年来のコロナ禍の影響も少なからずあって、当社の業績が急速に悪化しております。そのため、経営コンサルティング会社に依頼し全社的な業務改善策を練ってもらったところ、抜本的なリストラが不可欠との提案を受けました。そこで、苦渋の決断ではありますが、子会社を数社清算することとしました。また、残りの子会社についても、従業員を相当数解雇するとともに、経営改善のためにA社から出向している社員の大半をA社に戻す人事を行いました。これらの施策が功を奏して、ようやく業績が回復基調になってきました。

しかし困ったことに、先日来受けている税務調査で調査官から、A社から出向者Bを受け入れているC社(A社の100%子会社)に対して支払っている給与負担金(Bに対する給与総額の50%相当額)は、本来C社が負担すべき出向者の給与をA社が一部肩代わりしているものであり、通常の経済取引として是認できるものではないため、A社のC社に対する寄附金に該当する旨言い渡されました。

A社は、創業後間もないC社の立ち上げのためには業界事情に精通したベテラン社員が必要との判断から、A社で課長クラスのBを営業部長として出向させたのであり、また、出向後も出向元法人であるA社とBとは雇用関係が維持されているため、Bとしては、出向後においても従来通りの労働条件を保証するよう要求する権利があると考えるべきであり、C社の規定による給与水準ではそれが保証されていないのであれば、A社はその差額を補填すべきということになると考えられます。

したがって、A社がC社に対してBの給与に関して較差補填金として支払った金額は、当然のごとくA社において損金算入されるべきと考えますが、このように税務調査で主張しても問題ないでしょうか、教えてください。

なお、C社には創業以来プロパーの正規社員はおらず、A社からの出向者数名のほかは、すべて非正規社員のみで構成されています。


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連載目次

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説

▷総論

● 法人税の課税所得計算と損金経理(その1~5)

▷事例解説

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