公開日: 2018/08/30 (掲載号:No.283)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第42回】「資本関係のない会社間での事業譲渡」

筆者: 西田 友洋

【STEP3】連結財務諸表における会計処理

分離元企業と分離先企業に資本関係はないことから、事業分離による分離元企業及び分離先企業の連結財務諸表への影響はない。したがって、連結財務諸表では分離元企業及び分離先企業ともに会計処理は不要である。

なお、分離元企業の株主、分離先企業の株主においても特段の会計処理は必要ない。

 

《設例》

X社は資本関係のないY社に現金を対価(10,000)として、A事業を譲渡した。
当該事業譲渡はY社によるA事業の取得に該当する。

X社のA事業の事業譲渡日前日の貸借対照表は以下のとおりである。
諸資産4,000諸負債3,000 土地1,000株主資本相当額2,000 資産合計5,000負債・純資産合計5,000
土地の時価は2,000である。

〈会計処理〉

1 分離元企業X社の会計処理

(借方)諸負債3,000(※1)(貸方)諸資産4,000(※1) 現金10,000土地1,000(※1) 移転損益8,000(※2)

(※1) 帳簿価額

(※2) 差額

2 分離先企業Y社の会計処理

(借方)諸資産4,000(※1)(貸方)諸負債3,000(※1) 土地2,000(※1)現金10,000 のれん7,000(※2)

(※3) 時価

(※4) 差額

3 連結財務諸表における会計処理

分離元企業及び分離先企業、いずれも連結財務諸表においては特段の会計処理は不要である。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第42回】

「資本関係のない会社間での事業譲渡」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、資本関係のない会社間での事業譲渡を解説する。分離先企業(買手)にとっては、事業譲渡の範囲を契約で定めることで、帳簿外にある債務(簿外債務、偶発債務等)を引き継ぐことを防止できる。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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