日本の企業税制
【第4回】
「法人税減税-その財源をどうする」
一般社団法人日本経済団体連合会
経済基盤本部長 阿部 泰久
【本稿の構成】
1 はじめに
2 税収中立でなければいけないのか?
3 国なのか地方なのか?
4 課税ベース拡大は可能か?
5 他税目とは何か?
6 おわりに
1 はじめに
経団連が画策したかどうかは「企業秘密」であるが、法人実効税率引下げが現実味を帯び始めている。
安倍首相は、昨年来、しばしば法人税率引下げに言及してきたが、1月22日、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次会議の冒頭演説の中では、「法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければなりません。」と述べた上で、「本年、さらなる法人税改革に着手いたします。」と明言しており、法人実効税率の引下げは国際公約にも等しくなっている。
さらには、年末の平成27年度税制改正を待たずに、6月に予定されている成長戦略の改定あるいは骨太の基本方針策定をにらんで、法人実効税率引下げの大筋、すなわち、どのようなステップを踏んで国際相場である25%まで引き下げていくのか、そしてそのための財源をどう考えるのかに議論は進んでいる。
2 税収中立でなければいけないのか?
平成26年度与党税制改正大綱では、「税制の中立性や財政の健全化を勘案し、ヨーロッパ諸国でも行われたように政策減税の大幅な見直しなどによる課税ベースの拡大や、他税目での増収策による財源確保を図る必要がある。」としている。ここでは、当然のように、税率引下げにより法人税収が減少し、その分を埋め併せて税収中立とすることが前提とされている。
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