日本の企業税制
【第11回】
「法人税改革は2段階で」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 まずは20%台確保を
3 さらに25%を目標に
4 財源をどうする
5 おわりに
1 はじめに
6月24日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」では、
日本の立地競争力を強化するとともに、我が国企業の競争力を高めることとし、その一環として、法人実効税率を国際的に遜色ない水準に引き下げることを目指し、成長志向に重点を置いた法人税改革に着手する。そのため、数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す。この引下げは、来年度から開始する。
とされており、平成27年度税制改正は法人税改革の初年度となる。
問題は、数年で20%台の具体化であるが、経団連では、平成27年度から平成29年度までの3年間で20%台を確保し、さらに25%を目指すことを提言している。いわば『2段階方式』であるが、なぜ、このような主張であるのかを解説しておきたい。
2 まずは20%台確保を
法人税改革は、アベノミクスの3本目の矢である成長戦略の一環である。成長戦略の内容によって達成目標とされる期間は様々であるが、最も喫緊のターゲットは「3年間でリーマンショック前の設備投資水準(70兆円/年)を回復する」との集中投資期間の設定であり、そのために平成26年度税制改正のいわゆる「秋の陣」で、生産性向上設備等投資促進税(期間:平成26年1月20日~平成29年3月31日)や研究開発税制の増加型の拡充をはじめとする大胆な投資減税が措置されている。
法人実効税率の引下げを柱とする法人税改革は、これらの政策措置と相伴って民間設備投資や研究開発投資を促進するとともに、政策措置の期限終了後には、その効果を確実に引き継ぐものとならなければならない。
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