法人税の損金経理要件をめぐる事例解説
【事例84】
「支払先の個人名が明らかでない外国政府関係者への支払いの損金性」
拓殖大学商学部教授
税理士 安部 和彦
【Q】
私は、九州のとある県庁所在地に本社がある半導体関連の化学材料を製造している株式会社X(資本金10億円で3月決算)において、経理部長を務めております。
半導体業界の動向ですが、これまで何度も好況・不況の波を繰り返しながら、全般的には拡大傾向にあるものと考えられます。しばらく前までは、いわゆるコロナ禍に見舞われる中において、テレワークの増加によるノートパソコンの需要、公共交通機関の利用を避けるための自家用車の需要が急増し、自動車メーカーでは半導体不足による減産・操業停止に追い込まれるほどでした。しかし、コロナ禍が終息するとテレワーク需要が減少し、それまで堅調だったPC・タブレット・スマートフォン向けの半導体に関しては、ブームが過ぎて多くを期待できなくなったものと考えられます。
一方で、IoT・AI・5G・ビッグデータ活用など、グローバルな規模で社会のデジタル化への移行が一気に進んでいるため、中長期的な視点から見れば、半導体の需要は今後も高い水準を継続するものと推察されます。そのため、半導体メーカーは製造キャパシティを増やすための設備投資を大胆に行っており、今後の需要に備えているものと考えてよいでしょう。すなわち、これまでスマートフォン・PC・サーバーが占めていた半導体へのニーズは、将来的には産業用途・医療・自動車向けのものに変わるものと予想されるというわけです。
さて、そのような中、わが社に国税局から数年に1回の税務調査が入り、主査と調査官がやって来たため、私は現在部下と共にその対応に追われております。今回の調査で問題となっているのは、アジアのある国において材料調達を円滑に進めるために、その国の高官に金品を交付したのですが、当該支払いは損金不算入ではないかという点です。調査官は、その相手先が分からない以上、架空の支払いではないかと詰め寄ってきますが、支払の記録がある以上、架空とされる余地はないものと考えるのですが、税法上どう考えるのが妥当なのでしょうか、教えてください。
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