日本の企業税制
【第6回】
「課税ベース各論」
一般社団法人日本経済団体連合会
経済基盤本部長 阿部 泰久
【本稿の構成】
1 はじめに
2 繰越欠損金
3 受取配当益金不算入
4 減価償却制度
5 政策税制
1 はじめに
政府税制調査会・法人課税ディスカッショングループでは、早くも法人税課税ベースの拡大の議論が進められている。
3月31日に開催された第2回会合では、欠損金繰越控除制度と受取配当等の益金不算入制度につき議論された。4月14日には減価償却、政策税制(租税特別措置法)がテーマに上げられている。
そこで、課税ベースの各論として、これらの問題の概要と、現時点における経団連の見解を明らかにしておきたい。
2 繰越欠損金
法人は継続的に事業を営んでいることから、ある事業年度の欠損金額を他の事業年度の利益金額と通算せずに、利益の生じた事業年度についてだけ課税するならば、税負担が過重となる。
欠損金の繰越控除制度については、どの国にも存在しているが、繰越期間をみると、先進国の中でも欧州主要国の無制限、米国の20年に比べ、日本の現行制度9年は非常に短い。
現行80%である繰越控除額の使用制限の引下げについては、繰越期間延長とセットで考えてはどうかとの主張がなされているが、「8割×9年間=6割×12年間」などという単純な議論はできない。
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